この記事の要点
- Googleは2026年5月15日(米国時間)、生成AI機能(AI Overviews、AI Mode)向けの公式最適化ガイドを公開しました。
- ガイドの結論は「SEOのベストプラクティスは引き続き有効」です。生成AI機能は、Google検索の中核にあるランキングシステムと品質システムを土台にしているためです。
- 「AEO」「GEO」も、Google検索の立場から見れば「SEO」にあたると明記されています。
- llms.txt などの専用ファイル、コンテンツの細切れ化(チャンキング)、AI向けの書き換えは、Google検索では不要とされています。
- 重視されているのは、ありふれていない(non-commodity)独自のコンテンツと、明確な技術的構造です。
ガイド公開の概要(公式発表の事実)
Google Search Central Blogによると、このガイドはサイト運営者、SEO担当者、開発者に向けて、検索の生成AI機能に表示されるための最適化方法を説明するものです。主な内容として次の5点が挙げられています。
- 価値があり、独自性があり、ありふれていないコンテンツの重要性
- ローカル、ショッピング、画像、動画のコンテンツに関するヒント
- 「AEO/GEO」についてよくある誤解の解消
- AIエージェントに関する初期のガイダンス
- SEOのベストプラクティスが引き続き基盤になる理由

ガイド本文:Optimizing your website for generative AI features on Google Search

生成AI検索の仕組み:RAGとクエリファンアウト
ガイドは、生成AI機能が検索インデックスのコンテンツを使う技術として次の2つを挙げています。

RAG(検索拡張生成、グラウンディング)
Googleの中核ランキングシステムを使って、関連性が高く新しいウェブページを検索インデックスから取り出します。その内容をもとに回答を作り、回答を裏付けるページへのリンクを表示します。
クエリファンアウト
ユーザーの質問に答えるため、モデルが関連するクエリを同時にいくつも作って追加の検索結果を取りに行く手法です。ガイドでは「雑草だらけの芝生を直す方法」という質問から「芝生用のおすすめ除草剤」「薬を使わずに雑草を取る方法」などへ広げる例が示されています。
やるべきこと(ガイドの推奨)
ありふれていない、独自のコンテンツを作る
ガイドは、独自で魅力的、かつ役に立つコンテンツを作ることが、長い目で見て生成AI検索での存在感に最も大きく影響するだろうと述べています。挙げられている特徴は次のとおりです。
- 独自の視点を出す(例:既存情報の要約ではなく、実体験にもとづくレビュー)
- ありふれていない、役に立つ、信頼できる、人を第一に考えたコンテンツにする。「初めて家を買う人への7つのヒント」のような一般常識ベースの記事は「commodity content(ありふれたコンテンツ)」の例とされています。
- 段落、セクション、見出しで読みやすく整理する
- 質の高い画像や動画を使う
あわせてガイドは、ファンアウトされうるクエリの言い回しごとに別ページを量産し、ランキングや生成AIの回答を操作しようとする行為は、スパムポリシーの「大量生成コンテンツの不正使用(scaled content abuse)」に違反すると明記しています。
明確な技術的構造を保つ
- 生成AI機能に表示される前提として、ページがインデックスされていて、スニペット付きで検索に表示できる状態であること(検索の技術要件)が必要です。
- さらに Search Console で、サイトを「検索の生成 AI 機能」に含める設定になっている必要があります。
- クロールできる状態にすること、JavaScript SEOのベストプラクティスに従うこと、良いページエクスペリエンスを用意すること、重複コンテンツを減らすことが挙げられています。
- 要件を満たしても、クロール、インデックス、表示は保証されないと明記されています。
ローカル・EC情報を整える
生成AIの回答には、商品情報やローカルビジネスの情報が含まれることがあります。ガイドは、Merchant Center(フィード)や Google ビジネスプロフィールの活用を挙げています。
やらなくてよいこと(ガイドの「誤解の解消」)
- llms.txt や「特別な」マークアップ:Google検索はこれらを使わないため不要です。他のサービス向けに作るのは自由で、Google検索での評価には良い影響も悪い影響もありません。
- コンテンツのチャンキング:AIのために内容を細かく分ける必要はありません。理想のページの長さもありません。
- AI向けの書き換え:AIは同義語や意図を理解するので、ロングテールキーワードを網羅する必要はありません。
- 不自然な「言及(メンション)」集め:思われているほど役に立たないとされています。
- 構造化データへの過度な注力:生成AI検索に必須ではなく、特別なschema.orgマークアップもありません。ただし、リッチリザルト対策として使い続けるのはよいとされています。

ガイドは、Googleの内部の指標を使っているとうたうサードパーティのツールに注意するよう呼びかけています。そうしたツールはGoogleの内部システムにアクセスできないとしています。
| 項目 | ガイドでの扱い |
|---|---|
| llms.txt・「特別な」マークアップ | Google検索では使わないため不要 |
| コンテンツのチャンキング | 不要。理想のページの長さもない |
| AI向けの書き換え | 不要。ロングテールの網羅も必要ない |
| 不自然なメンション集め | 思われているほど役に立たない |
| 構造化データ | 生成AI検索に必須ではない。リッチリザルト対策としての利用はよい |
AIエージェントへの備え
ガイドは、ブラウザエージェントがスクリーンショット、DOM構造、アクセシビリティツリーを使ってサイトの情報を集めることがあると説明しています。関連する事業者は、エージェントに対応しやすいサイトづくりのガイドを確認するよう案内されています。Universal Commerce Protocol(UCP)のようなプロトコルも登場しつつあると書かれています。
編集部の解説:日本のサイト運営者が今やるべきこと
ここからは、公式情報をもとにした編集部の見解です。
- 「AI対策」の外注やツール導入を見直す:llms.txt の作成やチャンキングだけを売りにする提案は、少なくともGoogle検索については公式の根拠がありません。
- 「◯選」型の記事に一次情報を足す:自社の実績、検証結果、担当者の経験など、他社がまねできない要素を加えることが、ガイドの言う non-commodity に近づく方法だと考えます。
- Search Console の設定とレポートを確認する:生成AI機能に含める設定になっているか、生成AIパフォーマンスレポートで表示状況はどうかを、まず確認しましょう。
- EC事業者は Merchant Center とビジネスプロフィールを整える:商品情報が生成AIの回答に使われる可能性があるからです。
まとめ
- Google公式の結論は「生成AI向けの最適化もSEOである」です。
- 独自の、ありふれていないコンテンツと、技術的な土台が最も重要です。
- llms.txt、チャンキング、AI向けの書き換え、不自然なメンション集めは、Google検索では不要です。
- 効果の確認には Search Console の生成AIパフォーマンスレポートを使いましょう。
速報・新着
- GoogleがIndexing APIのドキュメントを更新|割り当ての申請フォームを削除、使えるページは今も求人とライブ配信だけ
- Googleの「2026年9月スパムアップデート」が展開完了|期間・対象・サイト運営者が確かめること
- 「順位が急落した」は本当か?9月スパムアップデート後の変動・偽SERP・Google Sitesの急増を見分ける
- AIからの流入をどう測るか|ChatGPTのUTM消失の報告、Bing「Topics Portfolio」とSearch Consoleで見る実務手順
- 「AIに任せて席を外す」時代へ|ChatGPT(Chrome・dots)、Gemini agent、Claude Dashboardsの業務エージェント比較

