「比較検討ワードの検索は減ったのか」おすすめ・口コミなどを約20年で見る

比較検討ワードの検索推移調査のアイキャッチ

この調査の要点

  • ここでは検索エンジンの利用者数そのものではなく、買う前に調べる系の比較検討ワード(おすすめ、比較、口コミ、評判、ランキング、最安値、使い方、レビュー、メリット、デメリット)の推移を見ます。検索=Google上のデータです。
  • Google トレンドは相対的な関心度です。Google全体のクエリが増えても、個別語の相対値が下がることがあります。
  • Ahrefsの推定月間検索数で見ると、主要5語(おすすめ/比較/口コミ/ランキング/使い方)の合計は、2015〜2018年平均より2024〜2026年平均が約1.09倍です。ChatGPT公開直前(2021〜2022年10月)と比べると約0.81倍で、ピーク帯からはやや下がっています。
  • 語ごとには差があります。長期ではおすすめ・使い方・ランキング・メリット/デメリットなどが上がり、比較は2010年代前半以降ほぼ横ばい、評判や口コミは近年やや軟化しています。
  • 仮説「比較検討の検索需要は減っていない」は、モバイル成熟期→直近の長期では支持されやすい一方、AI登場後だけを切り取ると「増え続けた」までは言えません。

データ:Google トレンド(日本・参考で米国、2004年1月〜/過去5年は週次)/Ahrefs Keywords Explorer(日本、推定月間検索数)/確認日:2026年10月25日(日本時間)

生成AIが広がるなかで、「買う前にGoogleで調べる行動は減っているのか」という問いがあります。検索エンジンのブランド名ではなく、比較・検討に使われやすい語が、モバイル普及・ソーシャルの拡大・AI登場の前後でどう動いたかを並べます。

目次

結論:長期では比較検討ワードは減っていない面が強く、AI後はピークからやや軟化

  • Ahrefsで見た主要5語の合計は、2015〜2018年平均 約31.8万 → 2024〜2026年平均 約34.5万(約1.09倍)です。
  • ChatGPT公開直前(2021年〜2022年10月)の平均 約42.5万と比べると、2024〜2026年は約0.81倍です。ピーク帯からは下がっていますが、モバイル成熟期よりは高い帯です。
  • Google トレンドでも、おすすめ・ランキングは長期で上がり、比較は2010年代前半以降ほぼ横ばい、口コミ・評判は近年やや下がる方向です。メリット/デメリットはAI期にも相対値が高い帯です。
  • したがって「比較検討の検索は消えた/急減した」とは言いづらく、長期では「減っていない(むしろ増えた面がある)」が妥当です。AI期だけを見ると「明確な増加」までは支持しきれません。

日常の検索語(天気・ニュースなど)の動きは、別の調査で扱っています。

調査の方法

  • 対象は日本で買う前の調査に使われやすい語です。最終セットは次のとおりです。おすすめ/比較/口コミ/評判/ランキング/最安値/使い方/レビュー/メリット/デメリット。
  • Google トレンドは最大5語ずつの同時比較(相対値0〜100)。期間の主軸はすべての期間(月次)。途中集計の最新点は除いています。
  • 出来事の目安は、iPhone登場(2007年)、LINE日本開始(2011年)、スマホ普及が進んだ2010年代前半(目安として2013年)、ChatGPT公開(2022年11月)です。グラフ上の縦線は「同時期の動き」を見るための目印で、因果の証明ではありません。
  • AhrefsはKeywords Explorerの推定月間検索数と月別履歴(おおむね2015年9月〜)です。主表の合計はノイズの強い「評判」を除いた5語です。実測の利用回数ではありません。
  • 「比較」「レビュー」などは一般語でもあるため、買い物以外の意味も含まれます。相対値の大きさは同じ比較セット内での位置づけです。

Googleトレンド:約20年の比較検討ワード

比較検討ワードの推移(Googleトレンド・日本)
出典:Google トレンド(日本・すべての期間・月次)。縦線は主な出来事の目安。

同じグラフ内では「おすすめ」の相対値が長期で大きく上がっています。2000年代半ばは一桁台だった年平均が、スマホ普及期を経て2010年代後半以降は60〜90台まで上がり、ピークは2022年4月(100)です。ランキングも長期で上がり、2022年11月に76で山があります。口コミは2010年代に上がったあと、2022〜2023年ごろが高く、その後はやや落ち着きます。比較は2010年ごろが相対的に高く(年平均約25)、2015年以降はおおむね12〜13で横ばいです。評判は2010年代半ばが相対的に高く、近年は下がる方向です。

比較検討ワードの推移その2(Googleトレンド・日本)
出典:Google トレンド(日本・すべての期間・月次)。縦線は主な出来事の目安。

使い方は2010年ごろにピーク(100)があり、スマホ普及と同時期です。2020〜2022年も高い帯で、その後はやや下がります。最安値は相対値が小さく、長期であまり動きません。レビューは2010年代に下がったあと、2024年ごろから相対値が上がっています(英語借用語の使われ方の変化も考えられます)。メリット/デメリットは長期で上がり、AI期の年平均も2015〜2018年より高いです。

2015〜2018年を100とした指数(年次)
出典:Google トレンド(日本)。各語の2015〜2018年平均を100とした年次指数。

上の指数は、各語の2015〜2018年平均を100とした年次です。おすすめ・ランキングは100を上回る年が多く、評判は近年100を下回る方向です。相対値でも「すべてが一様に減った」わけではありません。

期間の目安おすすめ比較口コミ評判ランキング
モバイル前(2004〜2006)7.719.73.64.223.7
iPhone後(2008〜2010)16.823.817.714.134.6
ソーシャル期(2011〜2014)39.416.926.421.649.4
モバイル成熟(2015〜2018)67.612.828.523.152.4
AI前(2019〜2021)80.312.629.720.255.5
AI期(2023〜2026)81.612.526.614.558.7

表はGoogle トレンド(日本・すべての期間)の期間平均です。同じ比較セット内の相対値なので、語どうしの大きさは比較しにくく、時系列の変化を見る用途向きです。

期間の目安最安値使い方レビューメリットデメリット
モバイル前(2004〜2006)2.732.827.14.51.8
iPhone後(2008〜2010)3.968.629.95.93.0
ソーシャル期(2011〜2014)4.366.921.88.54.3
モバイル成熟(2015〜2018)5.261.817.111.26.8
AI前(2019〜2021)5.274.917.514.011.1
AI期(2023〜2026)4.868.328.817.716.3
比較検討ワードの推移(過去5年・日本)
出典:Google トレンド(日本・過去5年・週次)。途中集計週は除く。

過去5年(週次)でも、おすすめ・ランキングは2022年ごろが高く、その後はやや下がる方向です。比較はほぼ横ばい、口コミ・評判はゆるやかに下がっています。ChatGPT公開直後に一斉に崩れた形にはなっていません。

Ahrefs:推定の絶対量に近い見方

比較検討ワード5語の推定月間検索数合計(Ahrefs)
出典:Ahrefs Keywords Explorer(日本)。おすすめ/比較/口コミ/ランキング/使い方の推定月間検索数の合計。

5語合計の推定月間検索数は、2016年前後より2020〜2022年の方が高い帯です。2022年11月(ChatGPT公開)の直後に合計が一気に崩れた形にはなっていません。直近はピーク帯より低いものの、2015〜2018年よりは高い水準です。

主要比較検討ワードの推定月間検索数(Ahrefs)
出典:Ahrefs Keywords Explorer(日本)。

「おすすめ」の規模が大きく、合計を押し上げます。2022年前後に高く、その後はやや下がっていますが、2015〜2018年よりは高い帯です。「比較」「口コミ」は相対的に安定しています。

2015〜2018年比の推定検索数倍率
出典:Ahrefs Keywords Explorer(日本)。2024〜2026年平均÷2015〜2018年平均。
キーワード2015〜2018年平均ChatGPT直前2024〜2026年平均対2015〜2018年
おすすめ約12.9万約18.6万約14.8万1.15倍
比較約4.8万約5.7万約4.8万1.00倍
口コミ約6.9万約7.7万約6.7万0.97倍
ランキング約4.9万約7.1万約5.3万1.09倍
使い方約2.3万約3.3万約2.9万1.26倍
5語合計約31.8万約42.5万約34.5万1.09倍

「ChatGPT直前」は2021年1月〜2022年10月の平均です。数値はAhrefsの推定で、端数は四捨五入しています。「評判」は履歴の振れが大きいため合計から外し、参考にとどめています(直近の推定はおおよそ数千件台)。

参考:米国の英語語

比較検討系の英語語(Googleトレンド・米国)
出典:Google トレンド(米国・すべての期間・月次)。比べた語:best/review/ranking/comparison/cheapest。

米国では「best」の相対値が長期で上がっています。同じセット内では「review」は下がる方向、「ranking」「comparison」「cheapest」は相対値が小さくノイズが強いです。日本の比較検討ワードと同じ結論をそのまま当てはめる用途ではなく、参考として添えます。

出来事の前後で何が起きているか

  • モバイル前後:Google トレンドではおすすめ・口コミ・ランキング・使い方の相対値が2010年代に上がります。使い方のピークは2010年ごろで、スマホ普及と同時期です。
  • ソーシャル前後:LINE開始(2011年)やSNS拡大期と重なる2011〜2014年も、おすすめ・口コミ・ランキングは上昇トレンドの途中にあります。口コミ需要が検索からSNSへ完全に移った、とまではこのデータだけでは言えません。
  • AI前後:ChatGPT公開後、主要5語合計の推定検索はピーク帯からは下がっていますが、モバイル成熟期よりは高いです。おすすめ・ランキングの相対値も公開直後にゼロ近傍へ消えた形ではありません。語によって方向が違うため、「AIで比較検討の検索需要が消えた」とは言い切れません。

仮説の検証結果

  • 支持される点:比較検討ワード主要5語の推定検索合計は、モバイル成熟期(2015〜2018年)より直近の方が高い。個別にもおすすめ・使い方・ランキングなどは増えています。Google トレンドでもおすすめ・ランキング・メリット/デメリットは長期で上がっています。
  • 支持しきれない点:AI登場後だけを見ると合計はピーク帯より低いです。「AI以後に比較検討の検索が増え続けた」とまでは言えません。評判・口コミなど下がっている語もあります。
  • 読み方の限界:Google トレンドは相対値、Ahrefsは推定です。アプリ内検索やECサイト内検索、AIチャットへの移行は、これらの指標に現れない場合があります。

出典と更新履歴

  • Google トレンド(日本・米国、キーワード比較、2004年1月〜/過去5年)
  • Ahrefs Keywords Explorer(日本、volume / volume_monthly / volume_monthly_history)
  • 出来事の年次:iPhone発表(2007年)、LINE日本サービス開始(2011年)、ChatGPT公開(2022年11月)。スマホ普及は総務省などの公表と一般的な目安に基づく時期区分です。
  • 更新履歴:2026年10月25日:初版
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