Anthropicは2026年10月15日(公式の更新履歴の日付)、Claude PlatformでClaude Opus 5.5のFast mode(高速モード)が研究プレビューを終了し、利用申請が不要になったと発表しました。同じモデルのまま、1秒あたりの出力トークン数を最大2.5倍にする機能です。料金は通常の2倍で、100万トークンあたり入力8米ドル、出力40米ドルです。Microsoft FoundryのAzure上のデプロイでも利用可能になりました。10月14〜15日には、処理の追跡や組織の指示文取得、エージェントの定期実行に関する更新も掲載されています。
この記事の要点
Claude Opus 5.5のFast modeは申請とベータヘッダーが不要になり、Start・Build・Scaleの利用区分に専用の上限が設定されました。- 最大2.5倍になるのは1秒あたりの出力トークン数です。モデルの能力は変わりません。
- 100万トークンあたり通常は入力4米ドル・出力20米ドル、Fast modeは入力8米ドル・出力40米ドルです。
- Microsoft FoundryではAzure上のデプロイが対象で、Anthropic上でホストされるデプロイは対象外です。
- OpenTelemetry出力とCompliance APIの指示文取得はベータ提供。Managed AgentsのスケジュールデプロイはAWSにも対応しました。
何が発表されたか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 10月15日:高速モード | Claude Opus 5.5が研究プレビューを終了 |
| 10月15日:提供先 | Microsoft FoundryのAzure上でも対応 |
| 10月15日:Compliance API | 組織メンバーが保存した指示文を取得 |
| 10月14日:OpenTelemetry | 処理記録の外部出力をベータ提供 |
| 10月14日:Managed Agents | AWSでスケジュールデプロイに対応 |

Fast modeの使い方と対象
Fast modeは、同じモデルを高速な推論設定で動かします。公式ガイドは、モデルの重みや振る舞いは同じで、知能や能力に変更はないと説明しています。最大2.5倍という数値は回答全体の所要時間ではなく、1秒あたりに出力するトークン数の比較です。最初のトークンが返るまでの時間を主眼にした機能ではありません。回答を順次表示するストリーミングにも対応しています。
リクエストで高速モードを指定する
モデルIDにclaude-opus-5-5を指定し、リクエストにspeed: "fast"を設定して利用します。Claude Opus 5.5では、従来のfast-mode-2026-02-01ベータヘッダーは不要です。引き続きヘッダーを送る既存のリクエストも動作します。
この変更は、すべての対応モデルに共通ではありません。Claude Opus 5とClaude Opus 4.8のFast modeは研究プレビューのままで、利用申請とベータヘッダーが引き続き必要です。
| 利用先・区分 | Claude Opus 5.5の条件 |
|---|---|
| Claude API | 対応。Claude Managed Agentsを含む |
| Start・Build・Scale | 専用の標準利用上限を設定済み |
| Evaluation | Start・Build・Scaleへの移行後に利用可 |
| Microsoft Foundry | Azure上のデプロイに対応 |
| FoundryのAnthropicホスト | 対象外 |
| Claude Platform on AWS | Fast modeは対象外 |
| Batch API | Fast modeは利用不可 |
Microsoft Foundryはホスト先によって対応が分かれます。また、今回AWSで追加されたのはManaged Agentsのスケジュールデプロイであり、Fast modeの提供ではありません。
料金は通常の2倍、追加の料金条件にも注意
Claude Opus 5.5の通常料金とFast mode料金は次のとおりです。単位はいずれも100万トークンあたりの米ドルで、通常料金の入力欄は基本入力料金を示しています。
| 速度設定 | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| 通常 | 4米ドル | 20米ドル |
| Fast mode | 8米ドル | 40米ドル |
Fast mode料金は、入力が20万トークンを超えるリクエストを含め、コンテキストウィンドウ全体に適用されます。プロンプトキャッシュ(入力の一部を再利用する仕組み)や、データの保存・処理地域に関する料金倍率は、Fast mode料金に重ねて適用されます。
Claude Opus 5とClaude Opus 4.8のFast modeは、100万トークンあたり入力10米ドル、出力50米ドルです。モデルごとに料金が異なります。関連記事として、主要AIモデルのAPI料金比較も掲載しています。
利用上限と通常速度への切り替え
Fast modeには通常のOpusとは別の利用上限があります。上限を超えるとAPIは429エラーを返し、retry-afterヘッダーで再試行までの待ち時間を示します。SDKは標準で最大2回、自動的に再試行します。専用の上限はClaude ConsoleのRate limits画面で確認できます。
空きができるまで待たずに通常速度へ切り替える場合は、上限エラーを受けてspeed: "fast"を外し、再度リクエストします。初回の自動再試行を止める設定もありますが、その設定は一時的なサーバーエラーなどへの再試行も無効にします。また、異なる速度設定ではキャッシュ済みの入力部分を共有しないため、通常速度への切り替えでキャッシュミスが発生します。
実際に使われた速度は応答のusage.speedで確認できます。高速モードの成功時は"fast"、通常速度は"standard"です。高速モードの上限や処理容量を超えた場合は429または529となります。
処理の追跡・指示文の取得・定期実行も更新
OpenTelemetryでAPIとSDKの処理を追跡
10月14日にベータ提供が始まったOpenTelemetry exportは、処理の記録を既存の監視基盤に出力する機能です。Messages APIのリクエスト、ツールの使用、Claude Managed Agentsのセッションを追跡でき、失敗や遅延の調査、トークン消費と待ち時間の把握に使えます。
スパンとは、一連の処理を構成する個々の工程の記録です。SDKはPython、TypeScript、C#、Go、Java、PHP、Rubyでスパンを出力します。API側の記録を受け取るには、Claude Consoleに出力先を追加します。
| 取得方法 | 追跡できる内容の例 |
|---|---|
| SDK・APIの両方 | Messages API、トークン使用量 |
| API側 | 各モデル実行、サーバー側ツール |
| SDK側 | ツールランナーで動くクライアント側ツール |
Enterpriseの指示文取得とAWSの定期実行
10月15日のCompliance API更新は、Claude Enterprise組織向けのベータです。現在のメンバーがclaude.aiのInstructions for Claude(Claudeへの指示)と、CoworkのGlobal instructions(全体に適用する指示)に保存した本文を取得できます。
取得先はGET /v1/compliance/organizations/{org_uuid}/user_preferencesです。既存のCompliance Access Keyとread:compliance_user_data権限が必要で、read:compliance_org_dataだけでは取得できません。必要な権限がない場合は403となります。
指示はアカウント単位の設定なので、同じメンバーが複数の組織に所属している場合、各組織で同じ本文が返ります。標準ではどちらかの指示を設定済みのメンバーだけが対象です。include_unset=trueを指定すると未設定のメンバーも含まれ、未設定値はnullになります。
10月14日には、Claude Managed Agentsのscheduled deployments(スケジュールに沿って実行するデプロイ)がClaude Platform on AWSでも利用可能になりました。出典の更新履歴には、この項目の詳しい設定手順や料金は記載されていません。
利用者・開発者が確かめること
- 対象モデルが
Claude Opus 5.5か、利用区分がStart・Build・Scaleかを確認します。 - Foundryではホスト先がAzureかを確認します。AWSのスケジュールデプロイ対応とは分けて確認します。
- 入力8米ドル・出力40米ドルというFast mode単価と、キャッシュなどの追加条件を確認します。
- 専用の利用上限、再試行、通常速度への切り替えを確認し、応答の
usage.speedで実際の速度設定を確かめます。 - 処理記録の出力先やCompliance APIの権限を確認します。取得する指示文はアカウント単位の設定です。


