デザインツールのCanvaは2026年10月22日(米国時間)、自社で一から開発した初の画像生成モデル「Canva Craft(キャンバ・クラフト)」を公開しました。開発したのは、Canvaの社内のAI研究所「Canva Research」です。世界中のすべてのCanvaユーザーがCanvaの中の「Dream Lab」から使えるほか、開発者向けのAPIからも使えます。何ができるか、どこで使えるか、使う前に知っておきたい注意点をまとめます。
この記事の要点
- Canva Craftは、Canva Researchが一から作って学習させた、Canva初の画像生成モデルです。
- すべてのCanvaユーザーが、画面左下のパネルにある「Dream Lab」から使えます。開発者向けの公開APIでも使えます。CanvaのMCPサーバー(AIアシスタントとつなぐ窓口)からの利用は「近日公開」です。
- まず構図の計画を立ててから画像を描く、2段階のしくみです。最大2Kの解像度で、30種類以上の縦横比に対応します。
- プロンプト(指示文)はどの言語でも書け、画像の中の文字は55言語で作れます。ただし、55言語に日本語が入っているかは公式に書かれていません。
- 料金やプランごとの回数、作った画像の商用利用の条件は、発表には書かれていません。APIでは、ほかのモデルと同じくユーザーのAIクレジットを使います。
何が発表されたか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | Canva Craft |
| 発表 | 2026年10月22日(米国時間) |
| 開発 | Canva Research(Canvaの社内のAI研究所)。Canvaが一から作って学習させた初の基盤モデル |
| 使える人 | 世界中のすべてのCanvaユーザー |
| 使える場所 | Canvaの「Dream Lab」、公開API(Connect API)。CanvaのMCPサーバーは近日公開 |
| 出力 | 最大2Kの解像度、30種類以上の縦横比(自分で比率を入力することも可能) |
| 画像の中の文字 | 55言語 |
Canvaは、デザインの評価サイト「DesignArena」の順位で、Craftが画像生成モデルの4位に入り、Canva Researchは画像生成で世界2位の研究所になったと説明しています。人物・ポートレートと、風景・自然の分野では1位としています。
何ができるか
構図を先に考えてから描く
多くの画像生成モデルは、プロンプトから直接画像を作ります。Craftは2段階に分かれています。1段階目で、どんな要素をどこに、どの大きさで置くか、画像に入れる文字は何かといった構図の計画を書き出します。2段階目で、その計画どおりに画像を描きます。Canvaは、この形にしたことで、読める文字や、物の正確な配置が出しやすくなり、一部だけを直すときにほかの部分を変えずに済むとしています。
デザインのテンプレートで学習
多くの画像モデルが主に写真で学習するのに対し、Craftは、Canvaのライブラリにある人が作った数百万点のテンプレート(ポスター、SNS投稿、プレゼン資料、インフォグラフィック、メニューなど)を学習に使いました。レイアウトや文字の配置のしかたを学ばせるためです。そのあと、Canvaのプロのデザイナーの評価をもとに調整しています。
作れるものの例
Canvaは、次のような使い道を挙げています。
- ポスター、SNS投稿、チラシ、プレゼン資料の画像、広告などのマーケティング素材
- 人や場所、食べ物、旅行などの写真のような画像
- フラット、ベクター、手描き風などのイラスト
- 人物や集合写真、ファッション
- 風景、街並み、室内、建築
作った画像は、Canvaの「Magic Layers」で、編集できるデザインの部品に分けられます。参照画像を使った機能や、より高度な編集は、今後のリリースで加わる予定です。
どこで使えるか
| 場所 | 状況 |
|---|---|
| Canvaの「Dream Lab」 | 10月22日から、すべてのCanvaユーザーが利用可能。画面左下のパネルからDream Labを開いて使います |
| 公開API(Connect API) | 利用可能。画像生成の窓口(POST /v1/image-generations)で、モデルに craft_v1_2k を指定します。ユーザーのアクセストークン(asset:writeの権限)が必要です |
| CanvaのMCPサーバー | 近日公開。AIアシスタントや自動化の流れの中から、Craftで画像を作れるようになる予定です |
APIは、自社のマーケティングツールやECサイト、広告作成ツール、印刷サービスなどにCraftを組み込む用途を想定しています。開発者向けの案内によると、Craftは描く前に計画を立てるので、1回の生成に50〜60秒ほどかかり、ほかのモデルより時間がかかります。APIの縦横比は今のところ正方形・横長・縦長で、ほかの比率は今後追加される予定です。このAPIはプレビュー版のため、仕様が変わる可能性があります。
使う前の注意点
| 気をつけること | 理由 |
|---|---|
| 日本語の文字は自分の画面で試す | 画像の中の文字は55言語に対応していますが、その一覧は公開されておらず、日本語が入っているかは公式に書かれていません |
| 細かい文字は人が確かめる | Canvaは、今後の改善点として「細かい文字(fine print)や技術的な図面」を挙げています。注意書きや価格表記などの小さい文字は、そのまま使わず確かめたほうが安全です |
| 料金と商用利用の条件を確かめる | 発表には、料金やプランごとの回数、作った画像を広告などに使うときの条件は書かれていません。自分の契約とCanvaの規約で確かめる必要があります |
| APIはAIクレジットを使う | APIでCraftの生成を始めると、ほかのモデルと同じく、ユーザーのAIクレジットを使います |
| 入力と出力はチェックされる | Craftは、Canvaの安全対策「Canva Shield」の対象で、入力と出力のチェックが入ります。APIでは、問題のあるプロンプトは受け付けられません |
今後の予定
Canvaは、より速く、低いコストで使える「Craft-fast」と「Craft-ultrafast」を準備中としています。公開の時期は示されていません。細かい文字や技術的な図面の品質も、今後上げていくとしています。
公式に確認できたこと・未確認の情報
公式に確認できたこと
- Canva Researchが一から作った初の画像生成モデルで、10月22日(米国時間)からすべてのCanvaユーザーがDream Labで使えること
- 公開APIで使えること。MCPサーバーは近日公開であること
- 2段階のしくみで、最大2K・30種類以上の縦横比に対応すること
- プロンプトはどの言語でも書け、画像の中の文字は55言語に対応すること
- APIでは1回の生成に50〜60秒ほどかかり、ユーザーのAIクレジットを使うこと
未確認の情報
- 55言語に日本語が入っているか
- 料金、無料プランで使えるか、プランごとに何回使えるか
- 作った画像の商用利用や権利の扱い
- MCPサーバーから使えるようになる時期
- Craft-fast、Craft-ultrafastの公開時期
まとめ
Canva Craftは、デザインのテンプレートで学習し、構図を考えてから描く画像生成モデルです。いつものCanvaの中で、文字の入ったポスターやSNS画像の下書きを作りやすくなる可能性があります。一方で、日本語の文字がどこまで正しく出るか、料金や商用利用の条件は、まだ公式に示されていません。仕事で使う前に、自分の画面で日本語の文字を試し、規約を確かめておきましょう。
画像生成AIの国内での関心は、画像生成AI、日本で一番検索されているのは?Googleトレンドで比較でもまとめています。
2026年10月23日(日本時間)時点の情報をもとにしています。


