Google検索のクエリ成長、過去5年で最高 広告は前年比12%

Alphabet Q3 2026決算、Google検索のクエリ成長が過去5年で最高だったニュースのアイキャッチ

Alphabetは2026年10月28日(現地)、2026年第3四半期(期末9月30日)の決算を発表した。公式プレスでは、Google Services売上の伸びをSearch & otherが牽引したとし、Searchの前年比クエリ成長率が過去5年で最高だったと明記している。Search広告売上は前年比12%の633.5億ドル(約10.0兆円)、Google広告合計は前年比11%の820.1億ドル(約12.9兆円)だった。

円換算は執筆時点の日本銀行「外国為替市況」(2026年10月28日)の中心相場1ドル=157.84円を使用。四捨五入。1兆円以上は兆円表示で小数第1位、1兆円未満は億円表示で整数。前年比%には円換算を付けていない。

目次

要点(3行)

  • Searchの前年比クエリ成長率が過去5年で最高。CEOのSundar Pichaiは、AI投資が全体のクエリ成長(commercial queriesを含む)を押し上げていると説明した
  • Google Search & other広告は633.5億ドル(約10.0兆円)(+12%)。広告合計は820.1億ドル(約12.9兆円)(+11%)。YouTube広告は112.1億ドル(約1.8兆円)(+9%)、Networkは74.6億ドル(約1.2兆円)(+1%)
  • クエリは伸びている一方、Search広告の成長率は前四半期の+17%から減速。決算コールでは為替に加え、AI Modeのクエリ急増と現状の低マネタイズなどが要因として挙げられた。広告をAI Overviews/AI Modeへ拡大する方針も公式に示された
  • 直近8四半期の広告推移グラフ:各四半期のAlphabet Exhibit 99.1(SEC)Supplemental Information

クエリ成長が過去5年で最高——公式が強調した点

AlphabetのQ3 2026プレスリリースは、Google Services売上が963億ドル(約15.2兆円)(+11%)となり、「12%成長のGoogle Search & otherが牽引し、year-over-year Search query growth rateが過去5年で最高」だと冒頭で述べている。

Pichaiのコメントでも同趣旨が繰り返されている。「Our AI investments are driving overall Search query growth, including commercial queries. In fact, our year-over-year query growth rate is the highest it’s been in the last five years.」CEO向けの公式ブログ(決算コール発言の編集稿)でも、「Search has strong momentum」とし、AI投資による利用増とクエリ成長を前面に置いている。

Search体験については、AI Overviews・AI Mode・従来のSearchを一体の体験として構築中だと説明。ユーザーの検索はより長く、パーソナライズされ、マルチモーダルになっているとし、次の数値を公式に挙げている。

  • AI Modeのクエリは、従来検索の平均約3倍の長さ
  • 世界のAI Mode検索の5件に1件が音声・画像・文書を利用
  • ビジュアル検索は月間500億超

方針としては、モバイル移行期と同様に「最良のSearch体験を先に作り、その後にマネタイズする」とPichaiは述べている。

Searchクエリ:公式表現の整理(数値%の連続系列なし)

Alphabetは四半期ごとのSearchクエリ成長率(%)の連続系列を開示していない。Q3 2026プレスで「year-over-year Search query growth rateが過去5年で最高」と述べたのが、数値付きの成長率としては最も具体的な公式表現である。直近では次の定性表現が公式に残っている。

Google Searchのクエリについて公式が述べた表現の整理(数値%の連続系列は非開示)
出典:Q1–Q3 2026 Alphabet Exhibit 99.1/決算コール/CEOブログ。数値%の連続系列は非開示
  • Q1 2026:クエリは「all-time high」(コール)
  • Q2 2026:AI機能がクエリ成長を牽引。W杯時にSearch利用がall-time high(コール)
  • Q3 2026:前年比クエリ成長率が過去5年で最高(プレス/CEO)

広告収益(公式数値)

単位は百万ドル。括弧内は円換算(レートは冒頭注記)。出典はSEC提出のExhibit 99.1(Alphabet Announces Third Quarter 2026 Results)のSupplemental Information。

  • Google Search & other:前年56,567百万ドル(約8.9兆円) → 63,350百万ドル(約10.0兆円)(+12%)
  • YouTube ads:10,261百万ドル(約1.6兆円) → 11,207百万ドル(約1.8兆円)(+9%)
  • Google Network:7,354百万ドル(約1.2兆円) → 7,455百万ドル(約1.2兆円)(+1%)
  • Google advertising 合計:74,182百万ドル(約11.7兆円) → 82,012百万ドル(約12.9兆円)(+11%)
  • Google advertising合計は820.1億ドル(約12.9兆円)(+11%)
  • Search & otherは633.5億ドル(約10.0兆円)(+12%)
  • CFOのAnat Ashkenaziは、Search広告の寄与でRetailが最大、続いてFinanceと説明。広告全体は主要バーティカルで成長し、為替は前年比成長率への影響は軽微、前四半期比ではより大きく効いたとした
  • YouTube広告はBrandが最大寄与で、リビングルーム(living room)が強い。Chief Business OfficerのPhilipp Schindlerによると、living roomはYouTube広告売上の3分の1超

過去8四半期の推移(公式)

直近8四半期のGoogle Search & otherとGoogle advertising合計(単位は十億ドル換算)。数値は各四半期のAlphabet Exhibit 99.1(SEC)のSupplemental Informationから取っている。

AlphabetのGoogle Search & otherと広告合計の四半期売上推移(公式・直近8四半期)
出典:各四半期のAlphabet Exhibit 99.1(SEC)。単位は十億ドル(公式の百万ドルを換算)

Search & otherの前年同期比は、Q4 2025が+17%、Q1 2026が+19%、Q2 2026が+17%、今四半期Q3 2026が+12%。クエリ成長は過去5年で最高だった一方、Search広告の前年比は前四半期から減速している。

Google Search & otherの前年同期比推移(公式・直近4四半期)
出典:各四半期のAlphabet Exhibit 99.1/プレス本文の成長率

クエリ伸びと広告伸び——公式が説明したギャップ

Search広告は前年比+12%と二桁成長を維持した一方、前四半期(Q2 2026)のSearch & otherは632.7億ドル(約10.0兆円)・前年比+17%だった(Q2のExhibit 99.1)。Q3は金額ではほぼ同水準(633.5億ドル(約10.0兆円))で、前年比成長率は減速している。

決算コールのQ&Aで、アナリストから「クエリ成長は過去5年で最高なのにSearch成長が減速しているのはなぜか」と問われ、Schindlerは次を挙げた(公式コール発言の文字起こし)。

  • 為替(FX)が、Q2からQ3へのSearch減速の最大要因
  • Retail/APAC:EUのde minimis免除廃止の影響を受けた広告主が一部あった
  • Media & entertainment:FIFAワールドカップ関連で強かったQ2のあと、広告費が正常化した
  • AI Modeのクエリ急増と、現状の低マネタイズが成長率に影響した

そのうえで「軌道には自信がある」とし、広告実験の結果が良好なため、AI OverviewsおよびAI Mode内の広告を、より多くのユーザー・クエリへ拡大すると説明。国際市場への展開と、米国内でのmulti-turn adsも発表した。AI Modeクエリの過半はincrementalで、ユーザー調査ではこれらの面の広告受容・関連性は高いとの公式見解も示された。AI Mode内の商品リストでは、スポンサーとオーガニックのクリック率が同程度だとも述べている。

Q4に向けた公式の見通し(定性)

  • 現行スポットレートだと、Q4の連結売上へのFX逆風はQ3よりやや大きい見込み。影響は主にSearchとYouTube広告に表れる(Anat)
  • Google Servicesでは、2025年第3四半期以降のSearch加速分をラップし始め、Q4の売上成長率に圧力がかかる見通し(Anat)
  • 広告売上の定量ガイダンス(具体的なドル額や成長率目標)は、当該プレスでは示されていない

実務担当者・マーケター向けの読みどころ

  • 需要サイド(クエリ)は公式が「過去5年で最高」と明言している。commercial queriesも含む伸び、という説明なので、「検索需要そのものが弱っている」という読みは公式と一致しない
  • 一方で収益化は過渡期。AI Modeの低マネタイズが成長率に影響した、と公式が述べ、広告フォーマットのスケールを進めている
  • AI Overviews/AI Modeへの広告拡大(国際・multi-turn)が公式方針。運用面では、Performance MaxやAI Maxなど既存のAI系キャンペーン、商品リスティングまわりの公式アップデートとあわせてウォッチする段階
  • Q4はFXと前年比較のラップで、Search/YouTube広告の見かけの成長率がさらに抑えられうると公式が見通している。数字の読み比べでは前年比だけでなく、為替・比較ベースも確認する
  • paid clicksやCPCの定量は、当該Q3プレスでは開示されていない。本記事では扱わない

注意点・補足

  • 事実関係はAlphabetのQ3 2026公式プレス(SEC Exhibit 99.1)、CEO公式ブログ、および決算コールでの経営陣発言に基づく
  • 発表は米時間2026年10月28日。決算コール開始は同日13:30 PT(日本時間10月29日5:30前後)
  • 日本市場単独の広告・クエリ数値は、当該資料にはない
  • AI Mode/AI Overviewsの広告売上比率やRPMは未開示
  • 本記事は公式発表の整理であり、個別アカウントの広告成果を保証するものではない

出典

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