Anthropic・Google・OpenAIが新モデル準備か The Information報道

3本の棒グラフの横に、まだ形が決まっていない次の棒と疑問符が並び、文書を虫めがねで調べているイラスト

米国のIT専門メディアThe Informationが2026年10月19日(米国時間)、AnthropicがClaudeの新しいモデルの公開を準備していると報じました。同じ記事では、Googleの「Gemini 4 Carbon」と、OpenAIの新しい「Terra」モデルにも触れています。Xでは記者本人の投稿が18万回以上表示され、AI関連の大手アカウントが相次いで紹介しました。報道とXで広がった内容を、公式に確認できたことと未確認の情報に分けて整理します。

この記事の要点

  • 【未確認】The Informationによると、Anthropicは今の公開モデルより推論と直感にすぐれた新モデルを準備しています。少ない情報からでも、相手の本当の意図や目的をくみ取るのが得意だとされています。根拠は匿名のテスター1人の話です。
  • 【未確認】AI情報アカウントのTestingCatalogは、この報道を引いて「今月中に公開」と伝えています。Fable系かOpus系かなど、どのモデルの系列になるかはわかっていないとされています。
  • 【未確認】同じ報道では、GoogleがGemini 4 Argonの上位版として「Gemini 4 Carbon」を開発中、OpenAIはGPT-6.1 Solより安い新しい「Terra」モデルを数週間以内に出す準備をしているとされています。
  • 【確認済み】3社とも、10月20日10時(日本時間)の時点で、報道された新モデルを公式には発表していません。各社の公式の最新モデルは、Claude Haiku 5.5(10月7日)、Gemini 4 Argon(10月13日)、GPT-6.1 Sol(API、9月29日)です。
  • 【未確認】10月13日には、Microsoft Azureのモデル一覧に「claude-fable-5-5」という名前が出たとの指摘がXで広がりました。Anthropicはこの名前のモデルを発表していません。
目次

何が報じられたのか

報じたのは、The InformationのAI担当記者Stephanie Palazzolo氏のニュースレター「AI Agenda」です。見出しは「Anthropic Readies Model That Reads Users' Intentions Better(Anthropic、利用者の意図をよりくみ取るモデルを準備)」。本文は有料会員向けで、無料で読めるのは冒頭の一部だけです。

The Informationの記事「Anthropic Readies Model That Reads Users' Intentions Better」(Stephanie Palazzolo氏、2026年10月19日)のページ。本文は有料会員向け
出典:The Information「Anthropic Readies Model That Reads Users' Intentions Better」(2026年10月19日)

無料で読める冒頭では、「この1か月でOpenAI、Anthropic、Googleは合わせて12を超える新モデルを出した。このペースは当面落ちそうにない」と前置きし、Anthropicが「今の公開モデルより推論と直感にすぐれた新モデル」を準備していると書いています。Palazzolo氏はXで「今月は新モデルの公開が相次ぐ。Anthropicの新モデル、GoogleのGemini 4 Carbon、OpenAIの新しいTerraモデルについてスクープした」と投稿しました。

記事の中身は、有料部分を読んだとみられるXのAI情報アカウントが引用して広めています。主な内容は次のとおりです。

会社報じられた内容誰が伝えているか
Anthropic今の公開モデルより推論と直感にすぐれた新モデルを準備。少ない情報からでも相手の意図や目的をくみ取るのが得意で、ありきたりの答えではなく発想を広げた答えを出せる。バグを1つ直すよう頼むと、その裏にある同じ種類の問題まで見つけて、直すかどうかを聞いてくる。どの系列(Fable、Opusなど)かは不明The Information(冒頭は無料で確認)、TestingCatalog、Chubby(@kimmonismus)
Anthropic公開は今月(10月)中TestingCatalogの投稿。The Informationの無料部分では確認できない
GoogleGemini 4 Argonの上位版として「Gemini 4 Carbon」を開発中The Information(記者の投稿で名前を確認)、Chubby
OpenAIより性能の高い新しい「Terra」モデルを数週間以内に出す準備。価格はGPT-6.1 Solより安いThe Information(記者の投稿で名前を確認)、Chubby

Anthropicの新モデルの話は、匿名のテスター1人の証言にもとづくとされています。公開日や名前、料金はわかっていません。

Xでの反応の大きさ

記者本人の投稿のほか、フォロワー15万人のChubby(@kimmonismus)と8万人のTestingCatalog(@testingcatalog)が内容を紹介し、それぞれ大きく広がりました。数字は10月20日10時台(日本時間)に確認したものです。

投稿日時(日本時間)表示いいねリポスト
Stephanie Palazzolo氏(The Information)10月19日 23:07約18.0万71937
Chubby(@kimmonismus)10月19日 23:14約18.3万3,694146
TestingCatalog(@testingcatalog)10月19日 23:52約9.6万1,46273
Chubby(Gemini 4 CarbonとTerraの補足)10月20日 02:58約2.7万49532

Chubbyは投稿の冒頭で「official now(公式になった)」と書いていますが、Anthropicが発表したわけではありません。中身はThe Informationの報道の紹介です。

公式に確認できたこと

10月20日10時(日本時間)の時点で、3社の公式の更新履歴を確認しました。報道された新モデルは、どこにも載っていません。各社の公式の最新モデルは次のとおりです。

会社公式の最新モデル(発表日)報道された新モデル公式の発表
AnthropicClaude Haiku 5.5(10月7日)、Sonnet 5.5(9月28日)、Opus 5.5(9月22日)、Fable 5.1・Mythos 5.1(9月1日)名前不明の新モデルなし
GoogleGemini 4 Argon(10月13日、アプリとAPIで公開)Gemini 4 Carbonなし
OpenAIGPT-6.1 Sol(API、9月29日)、GPT-6 Sol・Luna・Astra(ChatGPT)新しいTerraモデルなし
Claudeのリリースノート。2026年10月の項目はClaude Haiku 5.5の公開(10月7日)で、新しいモデルの告知はない
Claudeのリリースノート。10月の項目はHaiku 5.5の公開までで、新しいモデルの告知はない。出典:Claude Help Center「Release notes」(2026年10月20日に確認)

Gemini 4 Argonは、Googleが10月13日に公開した最上位モデルです。API版(gemini-4-argon)は一般提供(GA)になっています。報道では、CarbonはこのArgonの上位版と位置づけられています。

Gemini APIのリリースノート。2026年10月13日にGemini 4 Argon(gemini-4-argon)が一般提供になった
Gemini APIのリリースノート。10月13日にGemini 4 Argonが一般提供になった。出典:Google AI for Developers「Release notes」(2026年10月20日に確認)

OpenAIの「Terra」は、まったく新しい名前ではありません。7月9日に出たGPT-5.6の系列には、最上位のSol、性能と価格のバランスをとったTerra、安くて大量処理向けのLunaの3つがありました(OpenAI API Changelog)。一方、GPT-6の系列で公式に出ているのはSol、Luna、Astraで、Terraはまだありません。GPT-6.1 SolのAPI料金は、入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルです。報道の「GPT-6.1 Solより安い」が正しければ、この価格より下に入るモデルになります。

未確認の情報:Azureに出た「claude-fable-5-5」

今回の報道の前から、Xでは「次のClaudeはFable 5.5では」という話が出ていました。きっかけは10月13日の投稿です。AI関連の情報を流すChetaslua(@chetaslua)が「Claude Fable 5.5がMicrosoft Azureに現れた」と投稿し、約5.6万回表示されました。

  • 指摘されている内容:Azureの米国東部2リージョンのモデル一覧に「claude-fable-5-5」というIDが「GenerallyAvailable(一般提供)」の状態で出た、とする投稿が複数あります。AIの料金表をまとめるオープンソースのLiteLLMにも、自動の更新でこの名前が追加されたとされています。
  • その後の動き:LiteLLMでは「Azureが一覧に載せていないモデルに価格を付けている」として、この項目が外されたとする投稿があります。数字(100万トークンの文脈長など)はFable 5.1の値を写しただけだと指摘する人もいます。
  • 確認できていないこと:Anthropicは「Fable 5.5」という名前のモデルを発表していません。The Informationの報道でも、新モデルがどの系列になるかはわかっていないとされています。Azureの一覧に出た名前と今回の報道の新モデルが同じものかどうかも、わかりません。

AIのモデルは、公開前にクラウド事業者の一覧や外部のツールに名前が先に出ることがあります。ただ、名前が出てから実際に公開されるまでの期間はまちまちで、名前のまま出ないこともあります。Xでは「今週出る」という予想が何度か外れたことを指摘する声もあります。

読むときの注意点

  • The Informationは、AI企業の内部情報を多く報じてきた有料メディアです。ただし今回のAnthropicの話は、匿名のテスター1人の証言にもとづくとされています。
  • 「今月中に公開」という時期は、The Informationの無料部分では確認できませんでした。TestingCatalogが報道を引いて伝えている内容です。
  • Gemini 4 Carbonと新しいTerraモデルは、名前と大まかな位置づけが伝えられているだけです。性能や料金の具体的な数字は出ていません。
  • 3社のいずれかが公式に発表した場合は、それぞれの更新履歴のページに追記します。

最新モデルの公式の更新は、Claudeの最新アップデート・更新履歴、Geminiの最新アップデート・更新履歴、ChatGPTの最新アップデート・更新履歴にまとめています。

出典

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