Googleは米国時間2026年10月15日、複数のストアの商品を1つにまとめて管理・購入できるショッピングカート「Universal Cart」を、米国のGoogle検索とGeminiアプリで提供し始めました。AI Modeで見つけた商品をそのままカートに入れ、値下げの通知を受け、Google Payで購入するところまでをGoogleの中で進められます。
この記事の要点
- Universal Cartは、Google検索(AI Modeを含む)とGeminiアプリで共通して使えるカート。2026年10月15日に米国で提供が始まった
- 値下げ・再入荷の通知、カード特典をふまえた支払い方法の提案、プロモコードの表示ができる
- 購入はGoogle Payでカート内で完了するか、販売店のサイトのカートに移して行う。販売者は各ストアのまま
- 販売店側は、オープンな規格「UCP(Universal Commerce Protocol)」とMerchant Centerで対応する。Merchant Centerでの受け付けは米国で段階的に始まり、オーストラリアとカナダは来年の予定
- 日本での提供時期は、10月16日時点でGoogleから発表されていない
何が発表されたか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | Universal Cart(ユニバーサル カート) |
| 発表日 | 2026年10月15日(米国時間)。今年すでに予告されていた機能の正式な提供開始 |
| 提供地域 | 米国 |
| 使える場所 | Google検索(AI Modeを含む)、Geminiアプリ |
| 主な機能 | 複数ストアの商品の保存、値下げ・再入荷の通知、支払い方法の提案とプロモコードの表示、Google Payでの購入 |
| 対応する販売店の例 | Nike、Sephora、Target、Ulta Beauty、Walmart、Wayfair、多くのShopifyの販売店 |
| 仕組み | 決済はUCP(Universal Commerce Protocol)で動く。販売者は各ストアのまま |

Googleは、コマースの取り組みを「利用者の代わりに動くエージェント機能」と「買い物する人が自分で管理できる実用的な道具」の2つに分けて説明しています。Universal Cartは後者にあたる、と位置づけています。
Universal Cartでできる4つのこと

1. 複数のストアの商品を1つのカートに保存する
Google上のどこで買い物をしていても、別々のストアの商品を同じカートに保存できます。Googleの例では、AI Modeで保存したバッグと、あとでGeminiアプリで保存したセーターやリップグロスが、同じカートに並びます。
2. 価格と在庫の変化を知らせる
カートは、常に更新されている600億件以上の商品情報(Shopping Graph)をもとに動きます。カートに入れた商品が値下がりしたときや、在庫切れの商品が再入荷したときに通知します。
3. 支払い方法とプロモコードを提案する
Google Walletと連携しているため、持っているクレジットカードの特典をふまえて、どの支払い方法がよいかを提案します。使えるプロモコードもカートに表示されます。
4. そのまま購入するか、販売店のカートに移す
対応するストアでは、Google Payを使ってカートの中で数回のタップで購入できます。販売店のサイトのカートに商品を移し、そこで購入を終えることもできます。どちらの場合も、注文の確認やカスタマーサポートは販売店から直接届き、販売者(Merchant of Record)は販売店のままです。
販売店側の仕組み:UCP(Universal Commerce Protocol)
Universal Cartでの購入は、Googleが「エージェント型コマース向けのオープンな標準」と説明するUCPで動いています。UCPに対応すると、AI ModeやGeminiの対象の商品リスティングに購入ボタンを付けられます(Google Merchant Center ヘルプ)。

ヘルプによると、Merchant Centerでの受け付け(UCP統合ハブ)は今後数か月のうちに米国で段階的に始まり、オーストラリアとカナダでは来年に始まる予定です。参加の流れは次のとおりです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 技術的な実装 | UCPのデベロッパーガイドに沿って実装する(オンボーディングの前に必要) |
| 2. 申し込み | ヘルプ内のフォームから参加を申し込む |
| 3. 検証 | 選ばれると通知が届き、Merchant Centerのサンドボックスで、UCPプロファイル、販売店サイトへのカートの転送、ネイティブ購入手続きのAPIを検証できる |
| 4. 本番の確認 | 本番環境で、選んだ機能(購入手続き、販売店カートへの転送など)を確認して公開する |
Merchant Centerで先に整えること
UCPのデベロッパーガイドは、実装の前に次の準備を求めています。
| 項目 | 求められていること |
|---|---|
| アカウント | 良好な状態のMerchant Centerアカウントと、無料リスティングで承認された商品 |
| 返品ポリシー | 返品の費用、期間、ポリシー全文へのリンクを設定する(購入画面に表示される) |
| カスタマーサポート情報 | ウェブサイトのURL、メールアドレス、電話番号のうち少なくとも1つ |
| 商品データ | 購入に対応させる商品に native_commerce(checkout_eligibility)を設定する。設定がない商品は対象外 |
| 対象外の商品 | 定期購入、分割払い、名入れなどの受注生産、中古品・返品不可品、予約商品、年齢確認が必要な商品、デジタル商品など |
日本での提供は?
10月16日時点で、Googleの発表とヘルプが挙げている地域は、米国と、来年予定のオーストラリア・カナダだけです。日本での提供時期は発表されていません。
ただし、AI ModeやGeminiの中で「探す」から「買う」までが完結する流れは、Googleがはっきりと進めている方向です。AI検索の回答に表示されるリンクの変化については、AI ModeとAI Overviewsの2026年の変更点まとめでも整理しています。
日本のEC・SEO担当者が今できること
日本で始まったときにすぐ対応できるよう、Merchant Centerの基本を整えておくことが近道です。どれもUniversal Cartに限らず、Googleのショッピング面での表示に役立つ準備です。
- Merchant Centerの商品フィードで、価格・在庫・画像などの情報を正確に保つ
- 無料リスティングで商品が承認されているかを確かめる
- 返品ポリシー(費用・期間・ポリシーのページ)をMerchant Centerに登録する
- カスタマーサポートの連絡先を登録する
- 自社の商品のうち、定期購入や予約商品など、購入手続きの対象外になりそうなものを把握しておく
- 楽天市場やAmazonだけでなく、自社ECサイトの商品データをGoogleに届ける体制があるかを見直す
出典
- Google「An intelligent new shopping cart」(2026年10月15日)
- Google Merchant Center ヘルプ「Merchant Center の UCP 統合ハブにオンボーディングする方法」
- Google for Developers「Google で Universal Commerce Protocol を使用する」
- Google for Developers「Prepare your Merchant Center account」
- Search Engine Roundtable「Universal Cart Launches In Google Search (U.S.)」(2026年10月15日)
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