メールの整理や調べもの、定例の作業をAIに任せるなら、Grok BotとOpenAIのdotsのどちらを選ぶべきでしょうか。AB通信編集部が、2026年10月20日時点の公式情報で2つを比較しました。あわせて、名前が並ぶことの多いコーディング向けのClaude Code・Codexとの違いも整理します。
この記事の要点
- Grok Botとdotsは、どちらも自分専用のクラウドのコンピューターで動き、PCを閉じても仕事を続ける「常駐型」のエージェントです。メッセージで仕事を頼み、承認が必要なときだけ戻ってきます。
- Grok Botは役割ごとに複数のBotを作り、グループチャットで分担させられます。dotsはまず1人の「自分のdot」を育てる設計で、ChatGPT・Slack・Teamsから話しかけられます。
- Claude CodeとCodexは、コードを読んで書き、テストまで進めるコーディングエージェントです。ターミナルやIDEで、開発者が自分のコードを扱う場面に向いています。
- 料金はGrok BotがThe X SubscriptionのPremium(月30ドル)以上などで利用でき、dotsはChatGPTのPro(月100ドル〜)かBusiness Premiumが対象です。Claude CodeとCodexは月20ドル前後のプランから使えます。
結論:目的別の選び方
業務の「担当者」としてAIに仕事を任せたいなら、Grok Botかdotsが候補です。両者は、アプリやWebサイトを操作して作業を最後まで進め、定期的な作業も任せられる点で共通しています。違いは、何人ものBotをチームとして動かすか、1人のdotをChatGPTの延長として育てるかにあります。
一方、アプリやサイトのコードを書いて直すことが目的なら、Claude CodeかCodexが向いています。どちらも手元のリポジトリを扱い、変更の確認やプルリクエストの作成までを開発の道具の中で進めます。すでに使っているAIのプランに含まれているかどうかも、選ぶときの大きな材料です。
| やりたいこと | 向いているもの |
|---|---|
| 複数に分担 | Grok Bot。営業・リサーチ・経理などの役割ごとにBotを作り、グループチャットで仕事を受け渡せます。 |
| Xと連携 | Grok Bot。X上で@botをタグ付けした投稿を、そのまま自分のBotへの依頼にできます。 |
| ChatGPT中心 | dots。ChatGPTのメモリーや会話を引き継ぎ、ChatGPT・Slack・Teamsのどこからでも同じdotに頼めます。 |
| Teamsで連絡 | dots。Microsoft Teamsでのやり取りに公式に対応しています。 |
| コード作業 | Claude CodeかCodex。ターミナル・IDE・デスクトップアプリから、手元のコードを直接扱えます。 |
| 契約で選ぶ | ClaudeのプランならClaude Code、ChatGPTのプランならCodexが追加料金なしの入口になります。 |
Grok Botとは:役割ごとに作れるAIの同僚
Grok Botは、SpaceXSI(xAI)が2026年8月11日にベータとして公開したサービスです。公式は「AIのチームメイト」と位置づけ、名前と担当を決めたBotに、同僚へ話すようにメッセージで仕事を頼む形をとります。文字のほか、音声入力や音声チャットでも依頼できます。
Botは、ブラウザ・ファイル・ターミナルを備えたクラウド上のコンピューターで動きます。このコンピューターはアカウントごとに1台で、自分のBot全員がファイルやログイン状態を共有します。公式は、Botを分けても安全上の区切りにはならないとしています。
アプリとの連携は、コネクター(プラグイン)があるものはそれを使い、ないものは画面を操作して進めます。一度手順を見せた作業は「スキル」として保存でき、「ルーティン」で定期実行もできます。メールやSlackの文面は下書きとして示され、送信するかは利用者が決めます。
Xとの連携も特徴です。Xの投稿や返信で@botをタグ付けすると、メインのBotがその投稿を作業として受け取ります。この機能はオーストラリア、英国、EU、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーのアカウントではまだ使えません。Grokの更新はGrokの最新アップデート・更新履歴でまとめています。
dotsとは:ChatGPTの中で常に動く「自分のdot」
dotsは、OpenAIが2026年9月29日に発表した常駐型のエージェントです。GPT-6 Astraで動き、自分専用のクラウドのコンピューターとブラウザを持ちます。目標を伝えると、会話の合間にも作業を進め、結果を確認用に持ち帰ります。
話しかける場所は、ChatGPTのデスクトップ・Web・モバイルアプリと、SlackとTeamsです。どこから話しかけても同じdotで、文脈は引き継がれます。電話のように音声で話すこともでき、テキストメッセージは米国のPro利用者向けの限定ベータです。
プラグインを通じて4,000以上のアプリとつながり、ChatGPTのメモリーも引き継ぎます。手元のPCは初期設定ではつながっておらず、許可したときだけ使えます。dotはCodexの作業を始めたり、既存のスレッドを続けたりもでき、10月にはモバイルアプリでの作成やiOSのウィジェットにも対応しました。
メールは、個人のメールアカウントをつないで作業に使えます。ただし、公式ヘルプによると提供開始時点では、dot専用のメールアドレスは持てません。ChatGPTの更新はChatGPTの最新アップデート・更新履歴でもまとめています。
Grok Botとdotsの比較
どちらもクラウドのコンピューターで動き、PCを閉じても作業が続く点は同じです。違いが出るのは、エージェントの数と分け方、話しかける場所、料金の入口です。
| 項目 | Grok Bot | dots(OpenAI) |
|---|---|---|
| 提供元 | SpaceXSI(xAI) | OpenAI |
| 公開日 | 2026年8月11日(ベータ) | 2026年9月29日(順次提供) |
| 動く場所 | アカウントごとに1台のクラウドのコンピューター(ブラウザ・ファイル・ターミナル) | dotごとのクラウドのコンピューターとブラウザ |
| 使うアプリ | デスクトップ(macOS・Windows・Linux)、iOS・Android | ChatGPTのデスクトップ・Web・モバイルアプリ(モバイルWebは非対応) |
| 連絡手段 | アプリ内のチャット・音声。Xで@botをタグ付けして依頼 | ChatGPT・Slack・Teams・音声通話。テキストは米国のPro向け限定ベータ |
| 作れる数 | 役割ごとに複数作成。並行作業やグループチャットに対応 | まず1人。追加のdotは今後対応予定 |
| アプリ連携 | コネクター(プラグイン)と画面操作 | 4,000以上のアプリとプラグインで連携 |
| 手元のPC | 機能を有効にし、承認したときだけ操作 | 初期設定はオフ。許可したPCを1台つなげる |
| 定期実行 | ルーティン(5分以上の間隔。イベント起点も一部対応) | リマインダーや定期チェックを依頼して設定 |
| 記憶 | Botごとに好みや役割、過去の作業の要約を保持 | ChatGPTのメモリーに加え、dot自身の記憶を作成 |
| メール | 文面は下書きで確認。チーム向けにエージェント用アドレス(管理者が有効化) | 個人のメールをつないで使用。専用アドレスは提供開始時点で不可 |
| コーディング | クラウドのターミナルを使用。チームではCursorのCloud Agentsに委任も可 | Codexに作業を振れる。Codexのクラウド環境も使用可 |
| 承認 | 送信・公開などは承認制にできる(Auto Review) | Custom Rulesで「確認してから実行」などを設定 |
Grok Botは、ひとつのコンピューターを複数のBotで共有し、仕事を受け渡しながら進める設計です。dotsは、1人のdotが会話・Slack・Teamsをまたいで文脈を保ち、必要な作業をChatGPT WorkやCodexに振り分けます。どちらもパスワードや二段階認証などの操作は、利用者が自分で行う設計です。
Claude Code・Codexとの違い
Claude Code(Anthropic)とCodex(OpenAI)は、ソフトウェア開発のためのコーディングエージェントです。コードを読み、ファイルを編集し、コマンドやテストを実行します。Grok Botとdotsが業務全般を任せる「同僚」なのに対し、こちらは開発者の作業場であるターミナルやIDEの中で使う道具です。
ただし、境界は少しずつ重なっています。Claude Codeにはクラウドで定期実行する「ルーティン」があり、Codexにも定期タスクやComputer Useがあります。逆にGrok Botとdotsも、ターミナルやCodexを通じてコードを扱えます。日本での検索の関心はCodex・Claude Code・CursorのGoogleトレンド比較で調べています。
| 項目 | Grok Bot | dots | Claude Code | Codex |
|---|---|---|---|---|
| 種類 | 常駐型の | 常駐型の | コーディング | コーディング |
| 提供元 | SpaceXSI(xAI) | OpenAI | Anthropic | OpenAI |
| 対象 | 業務を | ChatGPTの | 開発者 | 開発者 |
| 動く場所 | クラウドの | クラウドの | ターミナル、IDE、デスクトップ | ChatGPTの |
| 得意分野 | アプリや | 継続的な | コードの作成・修正・テスト、コミットや | コードの作成・修正・テスト、レビュー、PR作成 |
| 画面操作 | ブラウザと | 専用の | Chromeと | Computer Use(一部 |
| 外部連携 | コネクター(プラグイン)、X | プラグイン、Slack、Teams | MCP、GitHub Actions、Slack | プラグイン、コネクター、MCP、GitHub、Slack、Linear |
| 定期実行 | ルーティン | リマインダー・ | ルーティン(クラウド)、デスクトップの | 定期タスク |
| 記憶 | Botごとに保持 | ChatGPTの | CLAUDE.mdと | AGENTS.mdと |
| 主な料金 | X Subscription Premium 月30ドル〜など | ChatGPT Pro 月100ドル〜、Business Premium | Claude Pro 月20ドル(年払いは | ChatGPT Plus 月20ドル〜(Free・Goは |
| 日本語 | アプリの | 公式には明記なし | 公式 | 公式には明記なし |
| 公開日 | 2026年 | 2026年 | 2025年 | 2025年 |
料金は米ドル・税別で、いずれも月額の目安です。Claude Codeは2025年5月22日に一般提供となり、2026年10月19日に2.1.304が公開されています。Codexは2025年4月にCLIが先に公開され、現在はChatGPTのFreeからEnterpriseまでのプランに含まれます。
料金と提供範囲
4つとも、単体のアプリを買う形ではなく、各社のサブスクリプションに含まれる形で提供されています。すでに契約しているプランで使えるかを、まず確認しましょう。
| サービス | 使えるプラン(2026年10月20日時点) |
|---|---|
| Grok Bot | 新規はThe X SubscriptionのPremium(月30ドル)、Super(月100ドル)、Ultra(月200ドル)。Plus(月8ドル)は対象外です。既存のCursor有料個人プラン・Teams、SuperGrok各プランでも使えます。企業向けは2026年9月3日に提供が始まりました。 |
| dots | ChatGPT Pro(月100・200・500ドル)とBusiness Premium(1人月125ドル、年払いは月100ドル)。最初のdotは追加料金なしです。Enterpriseはベータで、初期設定はオフです。 |
| Claude Code | ClaudeのPro(月20ドル、年払いは月17ドル)、Max(月100ドル〜)、Team、Enterpriseに含まれます。Freeプランは対象外です。 |
| Codex | ChatGPTのFree・Go(月8ドル)・Plus(月20ドル)・Pro・Business・Edu・Enterpriseに含まれます。Free・Goはデスクトップアプリで一部モデルのみです。 |
利用量の数え方も異なります。Grok BotはThe X Subscriptionでは、GrokやCursorと共通の週ごとの利用枠を使います。dotsは会話そのものはChatGPTの利用上限に数えず、dotがCodexやChatGPT Workで始めた作業は通常どおり数えます。提供開始から1か月は利用枠が拡大され、その後の条件はプランごとに示される予定です。
日本で使えるか
dotsのProプランは、欧州経済領域・スイス・英国を除く市場で、18歳以上が対象です。日本は除外地域に含まれていません。Business PremiumはChatGPTの提供地域すべてが対象ですが、どちらも順次提供のため、アカウントに届くまで数日かかることがあります。日本語での利用については、公式には明記なしです。
Grok Botは、アプリの表示言語に日本語を選べます。一方、提供国の一覧は公式には明記なしです。Xの@botタグ付けが使えない国にも、日本は含まれていません。
Claude Codeは公式ドキュメントに日本語版があります。Codexは、ドキュメントの日本語版や日本語対応は公式には明記なしです。Codexの一部機能(Computer Use、メモリーなど)は地域が限られるため、利用前に各機能の説明を確かめる必要があります。
任せる前に確認したいこと
常駐型のエージェントは、ログインしたアプリやサイトで作業を続けます。便利な反面、送信や公開、購入といった取り消せない操作をどこまで任せるかを先に決めておくことが大切です。
- 送信・公開・削除・購入などは「確認してから実行」に設定します。Grok BotはAsk firstのルール、dotsはCustom Rulesで設定できます。
- Grok Botでは、同じアカウントのBotがファイルとログインを共有します。特定のBotだけに渡したい認証情報は置かないようにします。
- dotsは、つないだアプリの情報を読み取り専用で調べ、記憶を作ることがあります。アプリの接続を外しても、取得済みの情報は消えません。
- コーディングエージェントでは、変更内容とテスト結果を人が確認してから取り込みます。
- 重要な判断は記憶に頼らず、最新の情報源を確認させます。Grok Botの公式ドキュメントも、この使い方を勧めています。
業務エージェントの動向はChatGPT(Chrome・dots)、Gemini agent、Claude Dashboardsの業務エージェント比較でも取り上げています。Xでの話題の量はClaude・Grok Bot・GPT-6 Astra・dotsのX投稿数の定点観測で記録しています。
まとめ
Grok Botとdotsは、どちらもクラウドのコンピューターで動き、仕事を最後まで進める常駐型のエージェントです。複数のBotをチームとして使い分けたいならGrok Bot、ChatGPTを中心に1人のdotを育てたいならdotsが合います。コードを書く作業が中心なら、Claude CodeかCodexを、契約中のプランに合わせて選ぶのが現実的です。いずれも更新が速いため、導入前に最新の提供範囲と料金を確認しましょう。
2026年10月20日時点の公式情報をもとにしています。日付のない資料は、同日に内容を確認したものです。
参考資料
- SpaceXSI「Introducing Grok Bot」(2026年8月11日)
- SpaceXSI「Grok Bot is now included with more plans」(2026年8月26日)
- SpaceXSI「Grok Bot now works with X」(2026年8月29日)
- SpaceXSI「Grok Bot for Enterprise」(2026年9月3日)
- SpaceXSI「Team Bots」(2026年9月28日)
- SpaceXSI「Introducing The X Subscription」(2026年10月12日)
- Grok Bot ドキュメント「Grok Bot」
- Grok Bot ドキュメント「Get started」
- Grok Bot ドキュメント「Use the computer and apps」(2026年10月12日更新)
- Grok Bot ドキュメント「Skills and routines」
- Grok Bot ドキュメント「Tag @bot on X」
- Grok Bot ドキュメント「Settings and notifications」
- Grok Bot ドキュメント「FAQ」
- Grok Bot ドキュメント「Teams and enterprises」
- The X Subscription「Pricing」
- The X Subscription「Grok Bot」
- OpenAI「Introducing dots」(2026年9月29日)
- OpenAI Help Center「Getting started with your dot」
- ChatGPT release notes
- ChatGPT Learn「Dots」
- ChatGPT Learn「What’s new」(2026年10月12〜16日の週まで)
- OpenAI Help Center「About ChatGPT Pro tiers」
- OpenAI Help Center「ChatGPT Business – Overview」
- OpenAI「Introducing Codex」(2025年5月16日)
- ChatGPT Learn「Pricing」(Codex)
- ChatGPT Learn「Codex CLI」
- ChatGPT Learn「Codex Cloud」
- Claude Code ドキュメント「Overview」(日本語版)
- Claude Code changelog(2.1.304は2026年10月19日)
- Anthropic「Claude 3.7 Sonnet and Claude Code」(2025年2月24日)
- Anthropic「Introducing Claude 4」(2025年5月22日)
- Claude「Pricing」


