OpenAI、ChatGPT広告の選び方を公開 答えとは切り離す仕組み

OpenAI、ChatGPT広告の選び方を公開

OpenAIは2026年10月21日、ChatGPTの広告をどうやって選んで表示しているのかを公式ブログで公開しました。会話の流れから利用者の目的を読み取る専用の大規模言語モデル(LLM)が、検索、審査、オークションの道具を順に呼び出して広告を選びます。広告を選ぶ仕組みはChatGPTの答えを作る仕組みとは別に動いていて、広告が答えに影響しないようにしているとしています。

この記事の要点

  • ChatGPTの広告は、会話から読み取った目的をもとに、専用に追加学習したLLM(オーケストレーター)が候補の検索、審査、オークションの道具を呼び出して選びます。
  • 会話の内容は、そのターンの間だけでなく、複数の会話にまたがって覚えておき、目的が変わればそれに合わせて選び直します。
  • 広告を選ぶ仕組みは答えを作る仕組みとは別のサービスで、モデルもコードも分けています。広告の仕組みが止まったり遅れたりしても、答えには影響しません。
  • 広告は答えの下に「スポンサー」と表示されます。答えができあがるまでに間に合わなかった広告は、そのターンでは表示されません。答えが広告を待つことはありません。
  • 広告主にとっては、検索キーワードではなく、会話の文脈に合うかどうかと、関連性や見込みの反応で選ばれる仕組みだと示されました。
目次

何が公開されたか

項目内容
発表2026年10月21日、OpenAIが公式ブログで公開。開発者向けの公式Xアカウントでも紹介
仕組みの中心専用に追加学習した最先端のLLM(オーケストレーター)が、検索、順位づけ、関連性の評価、オークションの道具を呼び出して広告を選ぶ
答えとの関係広告を選ぶ処理は、答えを作る処理と並んで、別のサービス、別のモデル、別のコードで動く
表示答えの下に、スポンサーだとはっきりわかる形で表示
規模広告の開始から200日足らずで年換算の売上が10億ドルに達し、これまでに10万を超える広告主がChatGPTに広告を出した

検索広告とどこが違うのか

これまでの広告の仕組みは、検索やページの閲覧といった1回ずつの出来事をきっかけに、それに合う広告を探します。ChatGPTでは、利用者は1つの検索語ではなく目的を持ってやって来て、その目的は何往復かの会話の中で少しずつはっきりしていきます。OpenAIは、走り方の質問から始まった会話が、何往復か後にトレーニング用の靴の話になる例を挙げ、最初のメッセージだけで判断すると目的を取り違えるおそれがあるとしています。

そこで、会話の間の情報を覚えておく「広告セッション」を設け、会話をまたいで情報を覚えて更新しながら、目的の変化についていくようにしました。利用者が広告の個人に合わせた表示を選んでいる場合は、過去の会話のうち機密でない情報も参考にするとしています。

広告が選ばれるまでの流れ

  1. 目的を読み取る:オーケストレーターが会話を短くまとめ、商業的な目的を表す検索用の文を1つ以上作ります。旅行の計画なら、移動、宿、現地での過ごし方のように、目的ごとに分けることもあります。
  2. 候補を集める:その文を意味のベクトル(埋め込み)に変え、広告のデータベースから候補を広めに集めます。
  3. ふるいにかける:配信中かどうか、配信する地域、広告のポリシー、予算の残り、配信のペース、その会話に出せる広告かどうか、同じ広告主の広告が多すぎないか、などで外します。
  4. 評価する:利用者の目的との関連性、見られたりクリックされたりする見込み、これまでの成績などで点をつけ、候補を絞ります。
  5. オークション:オーケストレーターは会話に合う候補をオークションに推薦するだけで、どの広告を出すかや価格は決めません。最後の選択と価格はオークションの道具が決めます。
  6. 最後の確認:ポリシーには合っていても、その会話の中では場違いに感じられる広告は止めます。答えができあがるまでに間に合わなかった広告も出しません。

広告を出さないことも、ふつうの正しい結果だとしています。利用者と広告主のどちらにもはっきり役立つ場合だけ、広告を出すという考え方です。

答えの下に「スポンサー」と表示

選ばれた広告は、タイトル、説明、リンク先、行動を促す文と、その広告が会話とどう関係するかを中立的に説明する短い前置きと一緒にChatGPTの画面に送られます。前置きを広告の文とは分けておくことで、広告主のメッセージをそのまま伝えながら、ChatGPTの語り口を中立に保つとしています。広告が答えのできあがる前に届けば、答えの下に「スポンサー」とわかる形で表示されます。OpenAI Developersの公式Xでも、間に合わなかった広告はそのターンでは表示されず、答えは広告を待たないと説明しています。

26か国に拡大、89か国に

OpenAIは同じ10月21日、ChatGPTの広告を新たに26か国に広げ、89か国で使えるようにしたと発表しました。広告を始めて8か月あまりで、10万を超える広告主がChatGPTで広告を出しています。広告が出るのはFreeプランとGoプランだけで、Plus、Pro、Enterpriseには広告は出ません。今回加わったのは、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルーなど中南米の14か国のほか、ナイジェリア、南アフリカ、セルビア、ウクライナ、カンボジア、バングラデシュ、パキスタンなどです。発表に挙がった国の中に日本はありません。

誰にどう効くか

読者効きどころ
広告主・マーケター選ばれる決め手は、検索キーワードとの一致ではなく、会話の文脈に合うかどうか、関連性、見込みの反応になる。広告を出さないことも正しい結果とされるため、会話の目的にしっかり合う商品や説明を用意することが大事になる
SEO・コンテンツの担当者広告は答えとは別の仕組みで選ばれ、答えの中身には影響しないとされている。ChatGPTの答えで取り上げられることと、広告を出すことは、別のものとして考える必要がある
ChatGPTの利用者広告は答えの下に「スポンサー」と表示され、答えとは分けられている。広告が出るのはFreeプランとGoプランだけ

出典

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