Googleは10月28日(米国時間)、検索のAI Mode(AIモード)の広告を、オーストラリア・カナダ・インドなど10か国に広げると発表した。2026年10〜12月には、ブラジル・メキシコ・英国にも広げる予定だ。米国では、AI Modeで続けて質問したときにも広告を出す「マルチターン広告」を始める。広告主向けのヘルプでは、今ある検索・ショッピング・P-MAX(Performance Max)のキャンペーンが自動で配信の対象になり、AI Modeだけを外す設定はないことも説明している。日本は今回の対象に入っていない。
要するに何が起きたか(3行)
- どこで:AI Modeの広告を、オーストラリア、カナダ、インド、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、シンガポールの10か国に広げる。10〜12月にはブラジル、メキシコ、英国も予定。日本は入っていない
- 何が新しい:米国では、AI Modeで続けて質問したときにも広告を出すマルチターン広告を始める。広告には「Sponsored(スポンサー)」の表示がつく
- 広告主は:新しいキャンペーンや別の予算はいらず、今ある検索・ショッピング・P-MAXのキャンペーンが自動で対象になる。AI Modeだけを狙う配信も、AI Modeだけを外す設定もない
Googleの発表:10か国に拡大、米国でマルチターン広告
発表したのは、Google検索広告の責任者のShashi Thakur氏だ。Googleの広告ブログによると、AI Modeでの質問は、平均でふつうの検索の3倍の長さがある。また、AI Modeの中の商品リストでは、広告の商品とそうでない商品でクリック率がほぼ同じになっているという。どちらもGoogleの調べで、記事の注記によると、クリック率は米国で8月20日〜9月3日に集めたデータだ。
そのうえで、AI Modeの広告を次の10か国に広げるとしている。
| 時期 | 国 |
|---|---|
| 今回 | オーストラリア、カナダ、インド、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、シンガポール |
| 2026年10〜12月の予定 | ブラジル、メキシコ、英国など |
| 米国 | すでに提供中。今回、続けて質問したときにも広告を出すマルチターン広告を開始 |
広告にははっきりと「Sponsored」の表示をつけ、新しい広告の形も引き続き試すとしている。
ヘルプで分かること:今のキャンペーンが自動で対象に
あわせて、広告主向けのGoogle広告ヘルプ「About ads in AI-powered experiences in Google Search」で、AI Overviews(AIによる概要)とAI Modeの広告の仕組みを説明している。主な点は次のとおりだ。
- 対象のキャンペーン:今ある検索・ショッピング・P-MAXのキャンペーンが、自動でAI OverviewsとAI Modeの広告の対象になる。新しいキャンペーンや別の予算はいらない
- 広告の種類:テキスト広告とショッピング広告が出る。ローカル在庫広告や自動車の広告も試している
- 表示のされ方:AIの回答の中やそばに、「Sponsored」と書かれた枠で出る。AI Modeでは続けて質問したときにも出る。見た目は今後も変わることがある

広告の出し分け:「質問そのもの」と「AIの回答」の2通り
Googleは、2通りの方法で広告を選ぶ。買いたいものがはっきりした検索(例:「プール用の掃除機」)では、ふつうの検索広告と同じように検索語句に合わせて広告を出す。一方、「プールが緑色になったのはなぜ?どう掃除する?」のような長い質問では、質問とAIの回答の両方の内容から、プール用の掃除機や藻の処理キットの広告を出す。
どちらの方法で出るかは、キーワードの設定で変わる。
| 設定 | 検索語句に合わせた配信 | 質問とAIの回答に合わせた配信 |
|---|---|---|
| AI Max for Search、部分一致、ショッピング、P-MAX | 対象 | 対象 |
| 完全一致・フレーズ一致 | 買いたいものがはっきりした検索なら対象 | 対象外 |
AIの説明文は広告主が書き換えられない
広告によっては、Geminiが作った短い説明文(AI explainer)がつく。広告のグループの紹介や、その広告が質問とどう関係するかを、質問の内容やAIの回答、広告主のサイトなど公開されている情報から書く。この説明文は広告の見出しや説明文とは別のもので、広告主が書く・直す・承認する・止めることはできない。
除外・レポート・課金
- 除外:除外キーワードやアセットの固定(ピン留め)など、今の設定がそのまま効く。ブランドの除外も使える
- AI Modeだけの配信や除外はできない:AI OverviewsとAI Modeは検索の中心の機能なので、そこだけを狙う配信も、そこだけを外す設定もない
- レポート:成果は、キャンペーンのレポートや検索語句のレポートに、ほかの検索とまとめて入る
- 課金:ふつうの検索広告と同じオークションと課金(クリック課金やコンバージョンを基準にした入札)で、追加の料金はかからない
- オーガニックの回答への影響:広告を出しても、AIのオーガニックの回答には影響しない。逆に、サイトがAIの回答に引用されているかどうかも、広告のオークションには関係しない

配信できる国と言語
ヘルプでは、AIの回答の中に出る広告と、AI Overviewsの上下に出る広告を分けて書いている。
| 場所 | 国・地域 | 言語 |
|---|---|---|
| AI Overviewsの上や下 | AI Overviewsが使える200以上の国と地域 | すべての言語 |
| AI OverviewsとAI Modeの中 | 米国、オーストラリア、カナダ、インド、インドネシア(AI Overviewsのみ)、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン(テキスト広告のみ)、フィリピン、シンガポール | 英語 |
Googleは「この一覧は網羅的でないことがある」としている。日本はAI Overviewsが使える国なので上下の広告は対象になるが、AIの回答の中に出る広告の一覧には入っていない。
影響:日本の広告主・サイト運営者にとって
海外向けに英語の広告を出している企業
オーストラリアやシンガポール、インドなどに英語の検索広告やショッピング広告を出している企業は、何も設定を変えなくても、AI Modeの回答の中に広告が出るようになる。成果はふだんのレポートにまとめて入るため、AI Modeでどれだけ出たかを分けては見られない。検索語句のレポートで、長い質問のような語句が増えていないかを見ておきたい。
完全一致・フレーズ一致が中心のアカウント
完全一致やフレーズ一致のキーワードは、長い質問とAIの回答に合わせた配信の対象にならない。AI Modeの長い質問から集客したいなら、Googleがヘルプで勧めているように、部分一致やAI Max for Search、P-MAXを使う必要がある。逆に、出したくない場面がある場合は、除外キーワードやブランドの除外で調整することになる。
日本の検索への広がり
今回の発表には日本が入っておらず、日本でいつAI Modeの回答の中に広告が出るかは書かれていない。ヘルプでは、対象の国・地域と言語を今後も順に広げていくとしている。
注意点・補足
- ブログは、10〜12月に広げる国を「ブラジル、メキシコ、英国など」としている。それ以外の国や、ポルトガル語・スペイン語の扱いは書かれていない
- ヘルプの国の一覧には、ブログの10か国と米国に加えて、インドネシア(AI Overviewsのみ)が入っている。Googleは一覧が網羅的でないことがあるとしている
- マルチターン広告の見た目や、日本で始める時期は発表されていない
- クリック率がほぼ同じという数字は、米国のAI Modeの商品リストについてのGoogleの調べで、具体的な数値は公表されていない
関連記事
- AI ModeとAI Overviewsの2026年の変更点まとめ|インラインリンク・Preferred Sourcesとサイト流入
- Google検索広告にAIのレビュー要約 好意的な内容のみ、広告主は編集不可
出典
- Google — Ads in AI Mode expand to new markets(Ads & Commerce Blog、2026年10月28日)
- Google広告ヘルプ — About ads in AI-powered experiences in Google Search


