Claude、見えない文章の透かしを旧モデルにも 11月3日からOpus 4.7などと報道

Claudeの見えない文章の透かしが旧モデルにも広がる件を紹介するAB通信の記事アイキャッチ

Claudeが書いた文章に入る「目に見えない透かし(ウォーターマーク)」が、これまで対象外だった少し前のモデルにも広がる見通しだ。海外メディアの報道によると、Anthropicは2026年11月3日からClaude Mythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6の出力にも透かしを入れると、API利用企業にメールで案内した。Amazon Bedrockでは数日遅れる可能性があるという。

Anthropicの公式ヘルプでは、2026年8月2日より前に出たモデルにも透かしを足す作業を進めていることと、モデルごとの対応表が確認できる。一方で、「11月3日から」という日付と対象の4モデルは、公式ページでは確認できていない(11月1日朝の時点)。

目次

要点(3行)

  • 公式で確認できること:Claudeは8月2日以降に出たモデルの文章に見えない透かしを入れており、それより前のモデルにも広げる作業中。透かしを見つける仕組みは、規制当局や報道機関など限られた組織に先に公開している
  • 報道だけが出どころのこと:11月3日からMythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6にも透かしが入る。Bedrockは数日遅れる
  • 読者への影響:Claudeで下書きや翻訳をした文章には、コピーしても透かしが残りうる。ただ、透かしがあっても「Claudeが書いた」と断定できるわけではないと公式も書いている

公式ヘルプで確認できること

Anthropicは、EUのAI法(AI Act)第50条にもとづく「AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範」に署名している。公式ヘルプ「How Claude marks AI-generated content」(最終更新は日本時間10月29日)では、その約束をClaudeでどう実行するかを説明している。

Claudeヘルプセンター「How Claude marks AI-generated content」の冒頭。EU AI法の行動規範に基づく4つの約束が並ぶ
公式ヘルプの冒頭。EU AI法の行動規範にもとづき、新しいモデルは最初から透かしを入れること、既存のモデルは作業中であること、透かしの検出は限られた組織に先に公開していることなどが並ぶ。出典:Claude Help Center「How Claude marks AI-generated content」

公式ヘルプに書かれている主な内容は次のとおりだ。

  • 新しいモデルは最初から:2026年8月2日以降に出たClaudeのモデルは、公開した時点から生成した文章に透かしを入れる。ファイルには、出どころを示す「Content Credentials(C2PA)」というメタデータを付ける
  • 使う場所を問わない:Claude(アプリ)、Claude Platform(API)、Claude Code、Claude Cowork、Claude Tagなど、対応モデルを使うすべての場所で、世界中で適用する。AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry経由でも透かしが入る
  • 既存のモデルは作業中:法律には8月2日より前に出たAIへの移行期間があり、それより前のモデルにも透かしを足す作業を進めている
  • 見えない、意味も変えない:透かしは文章そのものに織り込まれ、読んでも見えず、意味や品質、読みやすさは変わらないとしている。文章の一部なので、コピーして別の場所に貼っても付いていき、多少の編集では残ることがある
  • 検出は限られた組織だけ:透かしを見つける仕組みは非公開のプレビューで、EUの法律で求められる組織(規制当局、捜査機関、報道機関、ファクトチェック団体、研究者、教育機関、EUの市民団体など)と、自社の法令対応で確かめる必要がある企業に提供している。今後広げる予定で、申し込みフォームがある

いまの対応表:旧モデルの文章の欄は空いている

公式ヘルプには、モデルごとの対応表がある。11月1日朝の時点では、文章の透かしに対応済みの印が付いているのは、Fable 5.1、Fable 5、Mythos 5.1、Opus 5.5、Opus 5、Opus 4.8、Sonnet 5.5、Sonnet 5、Haiku 5.5の9モデルだ。Mythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Opus 4.5、Sonnet 4.6、Sonnet 4.5、Haiku 4.5の7モデルは、ファイルのC2PAの欄にだけ印があり、文章の透かしの欄は空いている。表の下には「8月2日より前に出たモデルの出力にも透かしを足している」と書かれている。

Claudeのモデルごとの透かし対応表。Mythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6などは文章の透かしの欄が空いている
モデルごとの対応表(11月1日朝の時点)。左から、Anthropicのサービスでの文章の透かし、クラウド経由での文章の透かし、ファイルのC2PA。Mythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6などは、文章の透かしの欄がまだ空いている。出典:Claude Help Center「How Claude marks AI-generated content」

APIのリリースノートにも、Claude Fable 5.1とMythos 5.1の文章に透かしが入ることは載っているが、旧モデルへの拡大と11月3日という日付はまだ載っていない。

報道だけが出どころのこと(公式には確認できていない)

「11月3日から」という話は、Anthropicが対象モデルを使うAPI利用企業に送ったとされるメールが出どころだ。メールのスクリーンショットは10月28日に海外のブログで公開され、The Decoderなど海外の複数のメディアが報じた。報道によると、メールの件名は「Text watermarking is coming to more Claude models」で、主な内容は次のとおり。

  • 2026年11月3日から、Claude Platform(API)でMythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6の出力に透かしを入れ始める。Opus 5.5など新しいモデルと同じ透かしだという
  • Amazon Bedrockでの適用は、さらに数日かかる可能性がある。具体的な日付は示されていない
  • Opus 4.6とSonnet 4.6では、文章のばらつきを決める設定(temperature、top_p、top_k)を初期値のままにしているときだけ透かしが入る。自社の法令対応で透かしに頼る場合は、初期値のままにするよう呼びかけている
  • 透かしは文字やトークンを足さず、料金やリクエスト・レスポンスの形式も変わらない。利用者や組織、会話についての情報は含まない
  • Opus 4.5、Sonnet 4.5、Haiku 4.5については、メールでは触れられていないという

これらは、公式ヘルプやリリースノートではまだ確認できていない。とくに開始日、対象の4モデル、Bedrockの遅れ、設定による条件は、いずれも報道で伝えられたメールの内容によるものだ。公式ページに載り次第、確かめ直す必要がある。

Xで出ている不安の声と、公式の説明

この件はXでも話題になり、日本語でも「履歴書や仕事の文章が『AIが書いた』と判定されてしまうのでは」と心配する投稿が出ている。海外の報道では、Redditでも「透かしが入った文章を書いた本人が、自分で確かめられない」という不満が出ていると伝えられた。

公式ヘルプが説明している事実は次のとおりだ。

  • 文章の透かしを確かめる公開の道具はない:検出の仕組みは限られた組織への非公開プレビューで、だれでも使える形では案内されていない。無料で使える「Claude Content Checker」は、ファイルに付くC2PAのメタデータを確かめるためのものだ
  • 透かしがあっても、Claudeが書いたとは限らない:公式ヘルプは、透かしは「Claudeが処理したかもしれない」という手がかりにすぎず、決定的ではないと書いている。校正や翻訳、要約にClaudeを使っただけでも、元の文章や考えが別の人のものでも、透かしが付くことがある
  • 透かしがなくても、AIを使っていないとは限らない:透かしに対応する前のモデルで作った文章、大きく書き直したり言い換えたり翻訳したりした文章、ごく短い文章では、透かしが見つからないことがある

ここからは推測を含む。いまの案内のままなら、採用担当者や取引先が手元でClaudeの透かしを調べることはできない。ただし、検出の提供先は「今後広げる」とされており、だれがどこまで調べられるようになるかは、今後の案内を待つ必要がある。

Claudeで文章を作っている人への影響

下書きや翻訳にClaudeを使っている人

対応モデルで作った文章には、Claudeのアプリでも、APIでも、Claude Codeでも、同じように透かしが入る。コピーして別のツールに貼っても残りうる。報道どおりなら、11月3日からはOpus 4.7やSonnet 4.6で作った文章も対象になる。Claudeの公式ヘルプには、利用者が透かしをオフにする方法は書かれていない。

ライター・代理店

Claudeで下書きした原稿や翻訳を納品している場合、その文章に透かしが入っている可能性がある。透かしはAIを使ったことの手がかりにはなるが、だれが書いたかを決めるものではない、というのが公式の説明だ。取引先がAIの利用を制限している場合は、透かしの有無とは別に、AIを使う範囲や伝え方を契約や事前の相談ではっきりさせておくのが確実だ。

Claudeを組み込んだサービスを作っている人

公式ヘルプは、Claudeを自社の製品に組み込む場合、EU AI法第50条で何が求められるかを自分で確かめるよう求めている。報道どおりなら、Opus 4.6とSonnet 4.6でtemperatureなどを変えていると透かしが入らないため、透かしを法令対応に使うつもりなら設定を見直す必要がある。Bedrock経由で使っている場合は、開始が数日ずれる可能性がある。

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注意点・補足

  • 11月3日という開始日、対象の4モデル、Bedrockが数日遅れること、Opus 4.6とSonnet 4.6の設定による条件は、報道で伝えられたメールの内容で、公式ページでは確認できていない(11月1日朝の時点)
  • 公式ヘルプの対応表では、11月1日朝の時点でMythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Opus 4.5、Sonnet 4.6、Sonnet 4.5、Haiku 4.5の文章の透かしの欄が空いている
  • Opus 4.5、Sonnet 4.5、Haiku 4.5に透かしがいつ入るかは、公式にも報道にも示されていない
  • 透かしの検出は非公開のプレビューで、一般の利用者が文章を確かめる手段は案内されていない

出典:Claude Help Center「How Claude marks AI-generated content」、Claude Platform リリースノート

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