GA4、許可したドメインだけ計測できる新フィルタ スパム対策の設定手順と注意点

GA4の新機能:許可したドメインだけを計測するホスト名フィルタ

Google アナリティクス(GA4)で、データを送ってよいドメインを「許可リスト」として登録し、それ以外から届いたデータを自動で集計から外せるようになりました。Googleは公式ヘルプ「What’s new in Google Analytics」の2026年9月21日付の項目でこの機能を案内し、10月22日23時53分(日本時間)には公式Xでも設定のポイントを紹介しています。何ができるようになったか、なぜ大事か、設定の手順と注意点を、公式に書かれている範囲でまとめます。

この記事の要点

  • 【公式】データフィルタの「ウェブホスト名のトラフィック」で、新しく「一致するもののみを含める(Include only)」を選べるようになりました。登録したホスト名(ドメイン)に一致するデータだけが処理されます。
  • 【公式】これまでは「除外」しか選べず、新しいスパムが出るたびに除外先を足す必要がありました。許可リストなら、本番のドメインを一度登録すれば済みます。
  • 【公式】Measurement Protocolで送られたイベントには、この許可リストは効きません。一方、ホスト名が空のイベントは自動で外されます。
  • 【公式】有効にしたフィルタはその後のデータを恒久的に変え、外れたデータはGA4にもBigQueryにも残りません。過去のデータには影響しません。まず「テスト」の状態で確かめるよう、Googleは勧めています。
  • 【公式】設定には、プロパティの編集者以上の権限が必要です。テストも有効化も、反映まで24〜36時間かかります。
目次

何が発表されたか

Google アナリティクスは公式Xで、次のように紹介しました(設定画面とルールを説明する画像4枚つき)。

Say hello to cleaner data with less maintenance 🛠️ Google Analytics now lets you build an allowed list of trusted domains, automatically filtering out unauthorized traffic from your reports 🎯 Swipe through for key setup rules & updates

(訳:手間を減らして、よりきれいなデータを。Google アナリティクスで、信頼できるドメインの許可リストを作れるようになりました。許可していないトラフィックは、レポートから自動で取り除かれます。設定のルールと更新点は画像をご覧ください)

Google Analytics(@googleanalytics)のX投稿(2026年10月22日23時53分・日本時間)

公式ヘルプの「What’s new」(英語版)では、9月21日付で「Hostname filters」として載っています。説明は「ホスト名の『含める』データフィルタに対応し、プロパティにイベントデータを送ってよい承認済みドメインの許可リストを作れるようになった」というものです。なお、日本語版の「Google アナリティクスの新機能」は10月23日6時(日本時間)の時点で8月10日の項目までしか載っておらず、この項目はまだ訳されていません。設定の手順は、日本語版のヘルプ「Google アナリティクスでウェブホスト名のトラフィックをフィルタする」に「一致するもののみを含める」の説明まで含めて載っています。

何が変わったか:「除外」から「許可リスト」へ

ホスト名のフィルタそのものは、2026年6月11日に「除外」の形で始まっていました。今回、その逆の「含める」が加わった形です。

これまで(除外)今回から(含める)
フィルタの考え方指定したホスト名のデータを外す指定したホスト名のデータだけを処理する
画面での選択肢除外(Exclude)一致するもののみを含める(Include only)
手間新しいスパムの送信元が出るたびに追加が必要本番のドメインを一度登録すれば済む
公式の説明2026年6月11日付「Hostname filter」2026年9月21日付「Hostname filters」

Googleは「What’s new」で、除外だけだった頃は「新しいスパムの送信元に合わせて、手作業で更新し続ける必要があった」と書いています。X投稿の画像でも、効果として「除外リストにスパムのドメインを延々と足す代わりに、承認済みの本番ドメインを一度決めればよい」「許可していないトラフィックを、GA4とBigQueryのデータから自動で締め出す」の2点を挙げています。

なぜ大事か

GA4の測定IDは、計測しているページのソースに書かれています。そのため、ほかのサイトに同じ測定IDのタグが貼られたり、自分のサイトになりすましたデータが送られたりすると、身に覚えのないアクセスがレポートに混ざることがあります。こうしたデータは、ホスト名(データを送ってきたページのドメイン)が自分のサイトと違います。

許可リストを使えば、登録した自分のドメイン以外から届いたデータは処理されません。Googleは「What’s new」で、この機能は設定を簡単にし、最小限の手間で分析データの完全性を保つためのものだと説明しています。アクセス数やコンバージョンの数字に、他人のサイトの分やスパムが混ざらないようにできるのが一番の利点です。

設定の場所と手順

日本語版ヘルプ「Google アナリティクスでウェブホスト名のトラフィックをフィルタする」の手順です。画面の名前はヘルプの表記に合わせ、英語版の表記をかっこで添えています。始める前に、計測したいホスト名(ドメイン)を書き出しておくよう、ヘルプは勧めています。

ステップ1:データフィルタを作る

  1. [管理] の [データの収集と修正] で、[データフィルタ] を選ぶ(プロパティの編集者以上の権限が必要)
  2. [フィルタを作成] を選び、[ウェブホスト名トラフィック フィルタ](Web hostname traffic)を選ぶ
  3. フィルタの名前を入れる(同じプロパティ内でほかと重ならない、文字で始まる、文字・数字・アンダースコア・スペースのみ、40文字以内)
  4. [フィルタ オペレーション] で [一致するもののみを含める](Include only) を選ぶ
  5. マッチタイプを選び、[ホスト名] に許可したいホスト名を入れる。複数あるときは条件を追加する(英語の画面では「Add condition」)
  6. フィルタの状態は、まず [テスト] を選ぶ
  7. [作成]、[完了] の順に選ぶ

マッチタイプは次の4つです。

マッチタイプ対象になるホスト名(公式の説明)
完全一致(exactly matches)入れた文字列と、前後に余分な文字なく一致するもの
次から始まる(begins with)入れた文字列で始まるもの
次で終わる(ends with)入れた文字列で終わるもの
次を含む(contains)入れた文字列をどこかに含むもの

ステップ2:テストの結果を確かめる

[テスト] の状態では、データは捨てられず、一致したデータに「テストデータのフィルタ名」というディメンションで印が付きます。ヘルプは、テストに設定してから24〜36時間待って確かめるよう書いています。

  1. [データ探索] で [自由形式] のテンプレートを選ぶ
  2. ディメンションに [テストデータのフィルタ名] と [イベント名]、指標に [イベント数] を追加する
  3. [テストデータのフィルタ名] と [イベント名] を [行] に、[イベント数] を [値] にドラッグする
  4. [フィルタ] に [テストデータのフィルタ名] を追加し、マッチタイプを [次を含む] にして、フィルタの名前を正確に入れて [適用] を選ぶ

うまく動いていれば、フィルタの名前の横に、ホスト名ごとのイベント数が出ます。思っていないホスト名や間違ったホスト名が入っていたら、条件を直します。

ステップ3:有効にする

  1. [管理] の [データの収集と修正] で [データフィルタ] を開き、確かめたフィルタを選ぶ
  2. [フィルタの状態] で [有効] を選び、[保存] を選ぶ

有効にしてから、実際にデータが絞り込まれ始めるまで24〜36時間かかります。

設定のルールと注意点

公式ヘルプとX投稿の画像に書かれている注意点です。

  • ホスト名が空のイベントは外される:「含める」フィルタを使うと、ホスト名が付いていないイベントは自動で外されます。公式は例としてgtag.jsのトラフィックを挙げ、ホスト名がないのはたいていスパムか異常なトラフィックだと説明しています。
  • Measurement Protocolには効かない:Measurement Protocol(サーバーなどから直接GA4にデータを送るしくみ)で送られたイベントには、この許可リストは適用されず、外されません。
  • 有効にすると元に戻せない:有効なフィルタで外れたデータは処理されず、GA4にもBigQueryにも残りません。データを消さずに一部のレポートで隠したいだけなら、データフィルタではなくレポートのフィルタを使うよう、ヘルプは案内しています。
  • 過去のデータには効かない:フィルタは作った時点より後のデータにだけ働き、すでに集まったデータは変わりません。
  • 「含める」フィルタは合算される:有効な「含める」フィルタが複数あると、まとめて1つのグループとして先に適用され、そのあとで「除外」フィルタが順に適用されます。
  • 反映には時間がかかる:テストの確認も、有効にした後の反映も、24〜36時間が目安です。

サブドメイン、ステージング(公開前の確認用)環境、クロスドメイン計測については、公式ヘルプに個別の説明はありません。ただ、「含める」は登録した条件に一致したデータだけを処理するしくみです。複数のドメインやサブドメインで計測しているなら、そのすべてが条件に入っているかをテストの段階で確かめておきましょう。また、公式の定義どおり「次で終わる」や「次を含む」は文字列で判定するので、たとえば「example.com」で終わる条件は、別の人の「myexample.com」にも一致します。

誰が今すぐやるべきか

  • レポートに見覚えのないホスト名やアクセスが出ているサイト:他のサイトからの混入やスパムを、許可リストでまとめて止められます。
  • これまで「除外」フィルタにスパムの送信元を足し続けてきたサイト:許可リストに切り替えれば、足し続ける手間がなくなるとGoogleは説明しています。
  • GA4のデータをBigQueryに書き出して分析しているサイト:有効なフィルタで外れたデータはBigQueryにも入らないので、分析の元データから混入を除けます。

一方で、Measurement Protocolで送っているデータは対象外です。また、有効にした後に外れたデータは戻せません。どのサイトでも、まず「テスト」で24〜36時間ようすを見て、計測したいホスト名がすべて含まれていることを確かめてから有効にするのが安全です。

公式に確認できたこと・書かれていないこと

公式に確認できたこと

  • ホスト名の「含める」データフィルタに対応し、許可リストを作れるようになったこと。Measurement Protocolのイベントには効かず、ホスト名が空のイベントは外されること(What’s new in Google Analytics、2026年9月21日付)
  • 設定の場所と手順、マッチタイプ、テスト・有効・無効の状態、反映まで24〜36時間かかること(ウェブホスト名のトラフィックをフィルタするヘルプ)
  • データフィルタは過去のデータに影響せず、外れたデータはGA4とBigQueryで使えなくなること。「含める」フィルタはまとめて先に適用されること(データフィルタのヘルプ)
  • スパムの送信元を足し続ける代わりに本番ドメインを一度決めればよいこと、GA4とBigQueryのデータから許可していないトラフィックを締め出すこと(公式Xの投稿画像)

公式に書かれていないこと

  • サブドメイン、ステージング環境、クロスドメイン計測での設定のしかた(個別の説明なし)
  • 1つのプロパティで登録できるホスト名やフィルタの上限(今回のヘルプには記載なし)
  • すべてのプロパティで一斉に使えるようになっているか(提供の範囲についての記載なし)

まとめ

GA4のデータフィルタで、ホスト名の「許可リスト」が使えるようになりました。自分のドメインを一度登録すれば、他のサイトからの混入やスパムを自動で外せます。ただし、有効にした後に外れたデータは戻らず、過去のデータは変わりません。Measurement Protocolのデータには効かず、ホスト名が空のデータは外れます。まず「テスト」で計測したいホスト名がすべて入っているかを確かめてから、有効にしましょう。

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2026年10月23日6時(日本時間)時点の情報をもとにしています。

出典

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