Xのチャット機能「X Chat」に、SpaceXSI(旧xAI)のAIエージェント「Grok Bot」が入りました。X Chatの公式アカウント(@chat)は2026年10月22日7時26分(日本時間)、「Heard you want to chat with Bot」と投稿しています。これまでGrok Botには専用のアプリから頼んでいましたが、XのDMの一覧からそのまま話しかけて、作業を頼めるようになりました。Xのヘルプセンターには、使い方とデータの扱いの説明も載っています。公式に確認できたことと未確認の情報を分けて、何が変わったか、使う前に確かめること、企業のアカウントでの注意点をまとめます。
この記事の要点
- 【公式】Xのチャット(X Chat)の公式アカウント(@chat)が、10月22日7時26分(日本時間)に「Heard you want to chat with Bot」と投稿しました。同じ日の朝から、X Chatの一覧にGrok Botが出て、ふつうの相手と同じようにメッセージで仕事を頼めるようになっています。
- 【公式】Xのヘルプセンターは「Using Grok Bot in X Chat」の項目で、X ChatからGrok Botに頼むと、ツールへのサインイン、作業、結果の返信までできると説明しています。Grok Botの利用にはCursorのプライバシーポリシーが、X上の利用にはXのプライバシーポリシーが適用されます。
- 【案内画面】始めるときに出る「Try Grok Bot」を押すと、Botの利用とアクセスすべてに自分が責任を持つことと、XとSpaceXSI(旧xAI)の間でデータを共有することに同意したことになります。AIの学習に使わせない設定は、Xのプライバシー設定にあります。
- 【公式】10月17日には、XとつないだGrok Botが自分のDMやメッセージリクエストを読めるようになっています。今回の変更は、その逆向きの入り口として、X ChatからBotに話しかけられるようにしたものです。
- 【未確認】誰にいつ届くかの公式な説明はありません。日本でも使えたという投稿と、まだ来ないという投稿があり、順に広げているとみられます。Botだけを一覧から隠す方法も、公式には案内されていません。
何が発表されたか
X Chatの公式アカウントは、文字だけの短い投稿で次のように伝えました。
Heard you want to chat with Bot
(訳:Botとチャットしたいって聞いたよ)
X Chat(@chat)のX投稿(2026年10月22日7時26分・日本時間)
投稿の前後から、X Chatの一覧に「Grok Bot」が届き、「Meet your Grok Bot」「Grok Bot in X Chat」といった案内とともに「Try Grok Bot」のボタンが出たという報告が相次ぎました。早いものは6時14分(日本時間)の投稿です。Grok Botの公式アカウント(@bot)も、利用者への返信で「つなぐとX Chatの一覧に出てくる」と説明しています。
Xのヘルプセンターの「About Grok」には、「Using Grok Bot in X Chat」という項目があります。それによると、X ChatのGrok Botは、AIのチームメイトに仕事をさせる「もう一つの方法」です。Grok Botをつなぐと、ほかの連絡先と同じようにメッセージを送れます。X ChatからBotに頼んで、選んだツールにサインインさせ、指示した作業を進めさせ、結果をメッセージで返してもらえます。

Grok Botは、名前と役割を持ったAIのチームメイト(Bot)を作り、クラウド上の専用のコンピューターでアプリやWebサイトの作業をさせるサービスです。メールの整理、予約、調べもの、レポート作りなどを、人が見ていない間も進めます。X Chatから頼めるようになったことで、Xを開いたついでに、DMと同じ感覚で仕事を渡せるようになりました。
XとGrok Botをつなぐ4つの機能
この1週間で、XとGrok Botをつなぐ機能がいくつも出ています。名前が似ていて混ざりやすいので、整理します。今回の発表は表の1つ目です。
| 機能 | できること | 始まった時期(日本時間) | 必要なもの |
|---|---|---|---|
| X ChatでGrok Botと話す(今回) | X Chatの一覧にBotが出て、メッセージで仕事を頼み、結果を受け取る | 10月22日朝から(公式の投稿は7時26分) | X Chatで「Try Grok Bot」を押して同意する。Grok Botを使えるプラン |
| Grok Botが自分のDMを読む | XとつないだBotが、自分のX Chatのメッセージやメッセージリクエストを読み、まとめや整理をする(@botの発表) | 10月17日4時55分 | Grok BotでXのプラグインを入れ、Xでサインインする |
| 投稿で@botをタグ付けする | 投稿や返信に「@bot」をつけると、その投稿が自分のBotへの仕事として届く(公式ドキュメント) | 10月17日に@botが紹介 | GrokのアカウントとXのアカウントをつなぐ。EU・英国・オーストラリアなどでは使えない |
| X Chatのグループに@Grokを入れる | グループの会話にAIの「Grok」(Grok Botとは別)を加える | — | ヘルプセンターに説明あり |
2つ目の「DMを読む」機能について、SpaceXSIとX APIを担当するPaul Vann氏は10月16日23時39分(日本時間)、「自分のBotに1週間、新しいメッセージリクエストを確かめさせ、承認させていた」と投稿しました。Grok Botのドキュメントの「Use the computer and apps」も、DMを読ませるにはXのプラグインを入れてXでサインインするよう案内しています。SpaceXSIのMatt Palmer氏は10月20日の紹介動画で、BotがX ChatのDMを読んで返事もできること、ただし制限があり「スパムはできない」ことを話したと、テスラ関連のニュースサイトTesla Northが報じています。
今回の変更で、Botが自分のDMを「読む」向きに加えて、自分がX ChatからBotに「頼む」向きの入り口ができました。Xの中で、DMの整理とBotへの依頼が一続きでできる形です。
始める前に確かめること
「Try Grok Bot」を押すと同意したことになる
X Chatに出る案内の下には、小さな字で次の内容が書かれています(利用者が公開した画面による)。押す前に読んでおきましょう。
- 「Try Grok Bot」を押すと、Botの利用とBotによるアクセスのすべてに自分が責任を持つことに同意したことになる
- XとSpaceXSIの間でデータを共有することにも同意したことになる
- Botは間違えることがある。詳しくは「Approvals, security, and privacy」を見る
ヘルプセンターも、頼んだ内容、Botが第三者のサービスにアクセスすること、Botが提案した操作を確かめることは、利用者の責任だとしています。操作ごとに「1回だけ許可」「似た操作はいつも許可」「拒否」を選べます。
Grok Botを使えるプランが必要
X ChatのGrok Botは、Grok Botそのものを使う仕組みです。SpaceXSIの料金ページでは、10月12日に始まったThe X Subscriptionのうち、Grok Botが入っているのは月30ドルのPremium以上です。月8ドルのPlusと無料プランには含まれていません。このほか、Cursorの有料の個人プランやTeamsプラン、SuperGrokの契約でも使えます(公式ドキュメント)。
AIの学習に使わせない設定
ヘルプセンターによると、X ChatでのGrok Botとのやりとりを学習に使わせるかどうかは、Xのプライバシー設定で選べます。オフにしても、Grok Botはふつうに使えます。英語の画面では次の順です。
- Xの設定で「Privacy and safety(プライバシーと安全)」を開く
- 「Data sharing and personalization(データ共有とカスタマイズ)」を開く
- 「Grok & Third-party Collaborators(Grokと第三者の協力者)」を開く
- 「Allow your public data as well as your interactions, inputs, and results with Grok and xAI to be used for training and fine-tuning.」のチェックを外す
データは、自分で消さないかぎり、Grok Botのアカウントがあるあいだ保存されます。消したいときは、Grok Botの設定からアカウントを削除します。
企業や担当者のアカウントで使うときの注意
サイトの運営者やマーケターが、問い合わせや取引先とのやりとりにXのDMを使っている場合は、Botに何を任せるかを先に決めておくと安心です。公式の説明をもとに、気をつけたい点をまとめます。
| 気をつけること | 理由と対策 |
|---|---|
| お客さんのDMをBotに読ませるか | Botが自分のDMを読むと、お客さんや取引先のメッセージもBotの作業に使われます。X ChatのGrok Botには、Cursorのプライバシーポリシーと、Xのプライバシーポリシーが適用されます。社内の決まりや、自社のプライバシーポリシーと合うかを先に確かめます |
| 返信や承認を勝手にさせない | Grok Botのドキュメントは、メッセージの送信、公開、購入、削除の前には止まるよう、はっきり指示することをすすめています。Auto-reviewに「外部へのメッセージの前は必ず聞く」といった決まりを作れます(公式ドキュメント)。まずは要約や下書きだけを頼み、DMへの返信やメッセージリクエストの承認は、自分で確かめてから許可します |
| Chat PINをチャットに打たない | X Chatは暗号化されていて、BotがDMを読むときはChat PINで鍵を開けます。Xの開発者向けGitHubで公開されている補助ツールの説明は、PINをログやチャットに出さないよう注意しています。PINは専用の入力欄だけで入れます。鍵を保存する設定にすると、同じコンピューターを使うほかのBotからも読める状態になります |
| Botは同じコンピューターを共有する | 自分のBotはすべて1台のクラウドのコンピューターを共有し、ログインやファイルも共有されます。公式ドキュメントは、Botを分けてもセキュリティの区切りにはならないとしています(Use the computer and apps)。見せたくない情報は、そもそもそのコンピューターに置かないようにします |
| 使わなくなったら外す | Xのプラグインや連携は、使わなくなったら外し、Xの側でも許可を取り消します |
Xでの反響
10月22日21時20分(日本時間)時点で、X Chatの公式の投稿には、いいね1,961件、返信228件、リポスト97件、引用18件がつき、表示は約7.4万回です。
日本語でも「DMからGrok Botに投げられる」「共有したい投稿をチャットで送れるのがうれしい」(@thirdlf1)といった声が出ています。一方で、「チャットの案内から試したら、自分のGrok Botが9体並んだ。人とのDMと同じ一覧に混ざる」という報告もあります。この投稿者は、Botだけを隠す設定は今はないとサポートから返事が来たとしています。海外では、メインのBotにほかのBotを隠させればよいという投稿もありますが、公式の手順は見つかっていません。「まだチャットにGrok Botが来ていない」(@AILogDev)という声もあります。
公式に確認できたこと・未確認の情報
公式に確認できたこと
- X Chatの公式アカウントが、Botとチャットできることを10月22日7時26分(日本時間)に投稿したこと(@chatの投稿)
- X ChatでGrok Botにメッセージを送り、ツールへのサインイン、作業、結果の返信をさせられること(Xヘルプセンター)
- Grok Botの利用にはCursorのプライバシーポリシーが、X Chatでの利用にはXのプライバシーポリシーも適用されること。学習に使わせない設定がXのプライバシー設定にあること。データはGrok Botのアカウントがあるあいだ保存されること(同)
- XとつないだGrok Botが、X Chatのメッセージを読めるようになったこと(@botの発表、10月17日4時55分)
- Grok Botは月30ドルのPremium以上のプランなどで使えること(SpaceXSIの料金ページ)
未確認の情報(発信元)
- 誰に、いつまでに届くか。日本で使えたという投稿と、まだ来ないという投稿の両方がある(個人の投稿)
- Android版のXでも使えるか(個人の投稿で「まだ」という声)
- X ChatのBotとの会話が、ほかのDMと同じように暗号化されているか。ヘルプセンターは、グループに@Grokを入れた場合は機能の提供のためにXとSpaceXSIがメッセージにアクセスすると書いているが、Grok Botとの1対1の会話については書いていない
- BotがほかのDMに返事をするとき、毎回承認が要るか。Palmer氏は制限があると話したが、承認の有無は話していない(Tesla Northの報道)
- Botだけをチャットの一覧から隠す方法(個人の投稿)
- X Chatから頼んだ作業が、どれだけ利用量を使うか(公式の説明なし)
まとめ
X ChatにGrok Botが入ったことで、XのDMの一覧からそのままBotに仕事を頼めるようになりました。手軽になる一方で、「Try Grok Bot」を押すと、XとSpaceXSIの間のデータ共有と、Botの操作への責任に同意したことになります。仕事用のアカウントで使う場合は、DMを読ませる範囲と、返信や承認を勝手にさせない決まりを先に作り、学習に使わせるかどうかの設定も確かめておきましょう。届く範囲などは、今後の公式の発表を待つ必要があります。
Grok Botのこれまでの動きは、Grok BotがiPhoneのアクションボタンに対応 設定手順とdotsとの違い、Grok Botとdotsの違いは?Claude Code・Codexとも比較、Grokの最新アップデート・更新履歴(公式リリースノートまとめ)でもまとめています。
2026年10月22日21時(日本時間)時点の情報をもとにしています。Xの数字は同日21時20分時点のものです。
出典
- X Chat(@chat)のX投稿(2026年10月22日7時26分・日本時間)
- X Help Center「About Grok」(Using Grok Bot in X Chat、How to opt Grok Bot in X Chat out of model training ほか)
- Grok Bot ドキュメント「Approvals, security, and privacy」(2026年10月20日更新)
- Grok Bot ドキュメント「Use the computer and apps」
- Grok Bot ドキュメント「Tag @bot on X」
- Grok Bot ドキュメント「Get started」
- SpaceXSI「Pricing」、「Introducing The X Subscription」
- Grok Bot(@bot)のX投稿(2026年10月17日4時55分・日本時間)
- Paul Vann氏(SpaceXSI・X API)のX投稿(2026年10月16日23時39分・日本時間)
- Matt Palmer氏(SpaceXSI)のX投稿「What’s new in Grok Bot」(2026年10月20日23時23分・日本時間)
- Tesla North「Grok Bot Adds X Chat DMs, @bot Tagging and Android Assistant」(2026年10月20日)
- GitHub「xdevplatform/xchat-grokbot-helper」
- X投稿:@botの返信、@Hightv、@dansyu_callenge、@thirdlf1、@AILogDev、@yihanzhu


