xAI(SpaceX Super Intelligence)は、APIのドキュメントに「Output Watermarking」というページを新しく設け、2026年11月7日から、Grok APIで生成した文章に目に見えない透かし(ウォーターマーク)を入れると案内した。対象はgrok-4.7、4.6、4.5、4.3、4.20系で、最初からオンになる。EUのAI法(AI Act)に対応するためとしている。チームの管理者は、Consoleでモデルごとにオフにできる。
要点(3行)
- いつから・何に:11月7日から、grok-4.7・4.6・4.5・4.3・4.20系の文章の出力に透かしが入る。普通の文章のほか、構造化出力やツール呼び出しの引数も対象
- オフにできる:チームの管理者がConsoleでモデルごとにオフにできる。ただし、法令上の例外に当たることを自分で確かめ、表示などの義務は自社が負うと確認する必要がある
- 確かめ方:レスポンスの
x-watermarkヘッダーがtrueなら透かし入り。コードの変更は要らない
対象のモデルと出力
公式ドキュメントによると、透かしが入るのは次の7つのモデルだ。
- grok-4.7
- grok-4.6
- grok-4.5
- grok-4.3
- grok-4.20-reasoning
- grok-4.20-non-reasoning
- grok-4.20-multi-agent

- すべての文章生成のAPIが対象で、Responses APIとChat Completions APIの両方に適用される
- 受け取る文章のうち、普通の文章、構造化出力(決まった形式のJSONなど)、ツール呼び出しの引数が対象になる
- 標準のエンドポイント(https://api.x.ai)と、地域ごとのエンドポイントのすべてで有効になる
- 透かしは文章を作る段階で、どの言葉を選ぶかをわずかに調整して入れる。文字やタグ、隠しテキストは足さない
- xAIは、透かしで応答の品質や速度は変わらないとしている
透かしが入ったかを確かめる方法
Responses APIとChat Completions APIのレスポンスには、x-watermarkというヘッダーが付く。x-watermark: trueなら、そのリクエストの出力には透かしが入っている。ほかの値か、ヘッダーがない場合は入っていない。リクエストに送る設定項目はなく、レスポンスの形式もこのヘッダー以外は変わらないため、コードを直す必要はない。

透かしの検出は統計的に行い、文章ごとに「透かしあり」「なし」「判断できない」のいずれかで判定する。文章が長いほど、はっきり判定できる。検出の仕組みは申し込み制で、ドキュメントのフォームから申し込む。
管理者はモデルごとにオフにできる(条件つき)
透かしの設定はチーム単位で、モデルごとに決める。設定はチームのすべてのAPIキーに適用される。オフにできるのはチームの管理者だけだ。
- xAI Consoleのチーム設定ページで「Model output watermarking」の行を開く。表示は「On(すべてのモデル)」「Off(すべてのモデル)」「Custom」のいずれか
- 設定のアイコンを選び、オフにしたいモデルのチェックを外して保存する。オフにするときは「Opt Out」で確定する
- 変更は5分以内に新しいリクエストへ反映される。オンに戻すこともできる

注意が必要なのは、オフにするときに「自社の使い方が法令上の例外に当たること」と「表示や開示などの法的な義務はすべて自社の責任であること」を確認するよう求められる点だ。また、チームによっては一部のモデルが「オンで固定」になっていて、Consoleからはオフにできない。オン・オフの変更は、すべてチームの監査ログに残る。
リリースノートにはまだ載っていない
この案内は、ドキュメントの「Advanced API Usage」の中に新しいページとして追加されたもので、11月1日朝の時点では、xAIのリリースノートにはまだ項目がない。開始日や対象モデルは、今後のリリースノートで改めて案内される可能性がある。
Grok APIを使っている事業者・開発者への影響
Grok APIで作った文章を配信・納品している場合
記事、商品説明、チャットボットの返答などをGrok APIで作って配信したり、取引先に納品したりしている場合、11月7日からはその文章に透かしが入る(オフにしない限り)。透かしは見えず、文章の中身も変わらないが、検出の仕組みを使える組織が調べれば、Grokで作った文章だと判定される可能性がある。
オフにするかどうか
オフにするには、EU AI法などの法令上の例外に当たることを自分で確かめる必要がある。ドキュメントには、どんな場合が例外に当たるかの説明はない。EUの利用者に向けたサービスかどうかなども含めて、判断に迷う場合は法務の担当者に相談するのが確実だ。設定はモデルごと・チーム単位なので、複数のサービスで同じチームのAPIキーを使っている場合は、影響の範囲にも気をつけたい。
運用面での確認
11月7日以降、レスポンスのx-watermarkヘッダーをログに残しておくと、どの出力に透かしが入ったかを後から確かめられる。コードの変更は必須ではない。
Claudeの透かしとの違い
Anthropicも、Claudeの文章に入れている見えない透かしを、11月3日から少し前のモデルにも広げると報じられている(AB通信の記事:Claude、見えない文章の透かしを旧モデルにも 11月3日からOpus 4.7などと報道)。どちらもEU AI法への対応で、文章の見た目は変えず、検出の仕組みは申し込みや限られた組織への提供にとどめている点は共通している。違いは、Grok APIではチームの管理者がモデルごとにオフにできるのに対し、Claudeの公式ヘルプには利用者がオフにする方法が書かれていない点だ。
Grokの公式の更新はGrokの最新アップデート・更新履歴に、Claudeの更新はClaudeの最新アップデート・更新履歴にまとめている。
注意点・補足
- 今回の案内はAPIの文章の出力についてのもの。GrokのアプリやXの中のGrokでの扱いは、このページでは説明されていない
- どんな場合に法令上の例外に当たるかは、ドキュメントでは説明されていない
- 11月1日朝の時点で、リリースノートには項目がない
- 検出の仕組みは申し込み制で、だれでも使えるものではない


