Microsoft Advertisingは10月28日(米国時間)、10月のアップデートを発表した。Webサイトや資料を渡すとAIがP-MAX(Performance Max)のキャンペーンを組み立てる機能、P-MAXの年齢・性別のターゲティングの一般提供、AIが書く広告文に守らせるルールを最大40件まで登録できる「メッセージガイドライン」の試験提供、サーバーから成果のデータを送るConversions API(CAPI)の一般提供が主な内容だ。
要するに何が起きたか(3行)
- 作る:Webサイトに加えて、マーケティングの計画やブランドのガイドライン、商品の画像を渡すと、AIがP-MAXのキャンペーンを組み立てる
- 調整する:P-MAXの年齢・性別のターゲティングが一般提供に。検索語句やオークション分析のレポートも使えるようになった。AIの広告文に守らせるルール(最大40件)は試験提供
- 測る:Webサイトやアプリ、CRM、店舗のレジのデータをサーバーから直接送るConversions APIが一般提供に。UETタグと一緒に使う
AIでP-MAXのキャンペーンを組み立てる
Microsoft Advertisingのブログによると、新しいAIのキャンペーン作成では、登録してから数分で最初のP-MAXのキャンペーンを出せるという。Webサイトのほか、マーケティングの計画、ブランドのガイドライン、商品の画像などを渡すと、AIが事業の概要(扱う商品やサービス、広告の見た目や言葉づかい)をまとめる。この概要は編集でき、直した内容をもとにAIがキャンペーンを作る。そのまま出すことも、予算や入札の方法、広告文、画像などを直してから出すこともできる。
広告は、Copilot、Bing検索、Outlookなどに出る。
P-MAXのターゲティング・除外・レポート
P-MAXでは、次の機能が使えるようになった、またはこれから使えるようになる。
| 機能 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 年齢・性別のターゲティング | 特定の年齢層や性別を、配信の対象に入れたり外したりできる | 一般提供 |
| デバイスのターゲティング | 特定の種類のデバイスを、配信の対象に入れたり外したりできる | 今後数週間ですべての広告主に提供 |
| オーディエンスの除外 | 特定のオーディエンスをP-MAXの配信から外す | オープンな試験提供 |
| ブランドの除外(テキスト広告のみ) | ブランドの除外をテキスト広告だけにかけ、商品の広告ではそのブランドの検索にも出す | 改良中(試験提供) |
| 検索語句・オークション分析のレポート | どの検索で広告が出たか、競合とどう比べられるかを見る | 提供中 |
| 検索語句とランディングページのレポート | 検索の意図と、移動先のページの関係を見る | 11月中旬から順に提供 |
除外の試験提供に参加したい場合は、担当チームかサポートに連絡するよう案内している。
AIの広告文にルールを守らせる「メッセージガイドライン」
メッセージガイドラインは、AIが作る広告文に守らせるルールを、最大40件まで登録できる機能だ。P-MAXと、AI Maxを有効にした検索キャンペーンで、オープンな試験提供として使える。
Microsoftは、主に「避けたい主張・テーマ・考え方・トーン・言葉づかい」といった大きなルールに使うよう勧めている。例として、高級品を扱う小売店なら「商品が安いと思わせない(Never imply that products are low cost)」と登録できる、と紹介している。好ましい言い回しやテーマ、トーンを伝えることもできる。

Conversions APIが一般提供に
Conversions APIは、Webサイト、アプリ、CRM、店舗のレジ(POS)などのコンバージョンのデータを、サーバーからサーバーへ直接、リアルタイムでMicrosoft Advertisingに送る仕組みだ。Microsoftは、AIの入札がより価値の高いユーザーを優先しやすくなる、計測が正確になる、といった利点を挙げている。
サイトに入れる計測タグのUET(Universal Event Tracking)を置き換えるものではなく、UETタグと一緒に使う。ブラウザの制限で取りこぼしたコンバージョンも拾えるとしている。

つなぎ方は、直接の連携、Googleタグマネージャー経由、技術パートナー経由から選べる。パートナーには、Adobe Real-Time CDP、Commanders Act、Freshpaint、Invoca、MetaRouter、Segment by Twilio、Stape.io、Switch Growth、Tealium、Zeotapが挙がっている。
影響:Microsoft広告を使う企業にとって
P-MAXの「中身が見えない」不満が少し減る
Microsoftは、P-MAXで管理の機能やレポートの見えやすさを求める声が広告主から出ていたとしている。今回、検索語句とオークション分析のレポートが使えるようになり、11月中旬からは検索語句とランディングページの組み合わせも見られる。年齢・性別やデバイスで配信を絞れるようになるため、BtoBで若年層への配信を減らしたい、といった調整がしやすくなる。
ブランドの言葉づかいを守りたい企業
AIが作る広告文で「最安」「激安」といった表現を避けたい、規制のある業種で言ってはいけない表現がある、という企業は、メッセージガイドラインでルールを登録しておける。ただし試験提供の段階で、ルールが必ず守られるとは書かれていない。広告文の確認は引き続き必要だ。
計測の土台づくり
すでにGoogleやMetaでサーバーからのコンバージョン送信を入れている企業は、同じ仕組み(タグマネージャーのサーバー側の設定やCDP)を使ってMicrosoft Advertisingにもデータを送りやすくなる。店舗での購入や、CRMで確定した商談をAIの入札に反映させたい場合に役立つ。
注意点・補足
- 今回の機能が、日本のアカウントでいつから、どの機能まで使えるかは、ブログには書かれていない
- メッセージガイドライン、オーディエンスの除外、ブランドの除外(テキスト広告のみ)は試験提供で、すべての広告主がすぐ使えるとは限らない
- AIでのキャンペーン作成は、ブログでは「新しく始める広告主の最初のキャンペーン」に向けた機能として紹介されている
- Conversions APIで送る個人のデータの扱い(ハッシュ化の方法など)は、ブログでは説明されていない。導入するときはヘルプと自社のプライバシーポリシーを確認したい
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出典
- Microsoft Advertising — Build, steer, and measure your campaigns with AI: What’s new in Microsoft Advertising this October(2026年10月28日)


