アフィリエイト広告のASPを運営する上場5社の決算資料を並べ、売上高・利益・従業員数の推移から、いまの市況感を確かめました。A8.netのファンコミュニケーションズ、アクセストレードのインタースペースのほか、バリューコマース、レントラックス、アドウェイズを対象にしています。
結論:今回確認した上場ASP5社では、アフィリエイト本業は横ばい、利益は4年前より薄く
- 今回確認した上場ASP5社(ファンコミュニケーションズ・インタースペース・バリューコマース・レントラックス・アドウェイズ)では、最新期のアフィリエイト関連の区分の売上は、A8.netを含むファンコミュニケーションズのCPAソリューション事業が4.3%減、バリューコマースのマーケティングソリューションズ事業とレントラックスの成果報酬型広告サービス事業はともに2.6%増でした。5社の中で大きく伸びている会社は少なく、横ばいに近い状態です。
- 経常利益は、5社のうち4社で2022年の期より減っています。バリューコマースは83.2億円から14.8億円、インタースペースは12.9億円から4.0億円になりました。増えたのはレントラックスだけです。
- 売上が伸びた会社は、アフィリエイト以外の事業が伸びています。インタースペースは子会社のクラウドバックアップや迷惑電話防止サービスなどのマーケティングソリューション、レントラックスは中古建設機械の売買仲介です。
- 従業員は減らす方向です。ファンコミュニケーションズは490人から356人(27%減)、アドウェイズは1,005人から941人になりました。ファンコミュニケーションズは人を減らして、最新期は増益でした。
5社の最新期の数字
| 会社(証券コード) | 主なサービス | 最新期 |
|---|---|---|
| ファンコミュニケーションズ(2461) | A8.net | 2025年12月期 (連結) |
| バリューコマース(2491) | バリューコマース(アフィリエイト) | 2025年12月期 (連結) |
| インタースペース(2122) | アクセストレード | 2025年9月期 (連結) |
| レントラックス(6045) | レントラックス(成果報酬型広告) | 2026年3月期 (連結) |
| アドウェイズ(2489) | JANet・Smart-C | 2025年12月期 (連結) |
| 会社 | 売上高(億円) | 前期比 |
|---|---|---|
| ファンコミュニケーションズ | 71.0 | +1.9% |
| バリューコマース | 241.7 | △20.5% |
| インタースペース | 88.5 | +11.8% |
| レントラックス | 44.4 | +14.9% |
| アドウェイズ | 122.2 | △3.7% |
| 会社 | 営業利益(億円) | 従業員数 |
|---|---|---|
| ファンコミュニケーションズ | 19.7 | 356人 |
| バリューコマース | 19.7 | 381人 |
| インタースペース | 3.7 | 405人 |
| レントラックス | 10.5 | 126人 |
| アドウェイズ | 3.0 | 941人 |
売上高の推移
決算期が会社ごとに違うため、会社ごとにグラフを分けています。

売上高の伸び
グラフ上で最初の期の売上高を100にして比べました。レントラックスとインタースペースが伸び、バリューコマースはECソリューションズ事業のサービス終了で大きく下がっています。

経常利益の推移

売上の内訳
各社の最新期の「販売実績」です。アフィリエイトの比率は会社ごとに大きく違います。

| 会社・区分 | 売上高(億円) | 前期比 |
|---|---|---|
| ファンコミュニケーションズ CPAソリューション事業 | 56.6 | △4.3% |
| ファンコミュニケーションズ 戦略事業 | 14.4 | +37.0% |
| バリューコマース マーケティングソリューションズ事業 | 130.2 | +2.6% |
| バリューコマース ECソリューションズ事業 | 98.3 | △40.2% |
| バリューコマース トラベルテック事業 | 13.1 | +4.2% |
| インタースペース パフォーマンスマーケティング | 58.4 | +17.5% |
| インタースペース メディア | 16.9 | △4.0% |
| インタースペース 調整額 | 13.2 | +11.4% |
| レントラックス 成果報酬型広告サービス事業 | 22.5 | +2.6% |
| レントラックス 中古建設機械マーケットプレイス関連事業 | 17.2 | +43.7% |
| レントラックス その他の事業 | 2.9 | △29.0% |
| レントラックス 運用型広告代行事業 | 1.7 | +216.0% |
| アドウェイズ エージェンシー事業 | 60.8 | △15.2% |
| アドウェイズ アドプラットフォーム事業 | 46.7 | +13.1% |
| アドウェイズ その他 | 14.6 | +6.1% |
従業員数の推移

年度ごとの数字
| 会社・決算期 | 売上高(億円) | 経常利益(億円) | 従業員数 |
|---|---|---|---|
| ファンコミュニケーションズ 2022年12月期 (連結) | 77.4 | 24.5 | 490人 |
| ファンコミュニケーションズ 2023年12月期 (連結) | 74.0 | 21.0 | 460人 |
| ファンコミュニケーションズ 2024年12月期 (連結) | 69.6 | 16.7 | 409人 |
| ファンコミュニケーションズ 2025年12月期 (連結) | 71.0 | 20.1 | 356人 |
| バリューコマース 2022年12月期 (連結) | 357.1 | 83.2 | 369人 |
| バリューコマース 2023年12月期 (連結) | 294.0 | 52.2 | 371人 |
| バリューコマース 2024年12月期 (連結) | 304.1 | 41.2 | 404人 |
| バリューコマース 2025年12月期 (連結) | 241.7 | 14.8 | 381人 |
| インタースペース 2022年9月期 (連結) | 71.2 | 12.9 | 407人 |
| インタースペース 2023年9月期 (連結) | 72.8 | 9.1 | 413人 |
| インタースペース 2024年9月期 (連結) | 79.1 | 4.9 | 414人 |
| インタースペース 2025年9月期 (連結) | 88.5 | 4.0 | 405人 |
| レントラックス 2022年3月期 (連結) | 24.6 | 8.0 | 115人 |
| レントラックス 2023年3月期 (連結) | 33.0 | 10.8 | 128人 |
| レントラックス 2024年3月期 (連結) | 33.0 | 6.5 | 130人 |
| レントラックス 2025年3月期 (連結) | 38.6 | 11.3 | 120人 |
| レントラックス 2026年3月期 (連結) | 44.4 | 10.4 | 126人 |
| アドウェイズ 2022年12月期 (連結) | 134.2 | 15.1 | 1,005人 |
| アドウェイズ 2023年12月期 (連結) | 135.2 | 13.1 | 1,024人 |
| アドウェイズ 2024年12月期 (連結) | 126.8 | 5.0 | 1,041人 |
| アドウェイズ 2025年12月期 (連結) | 122.2 | 6.1 | 941人 |
各社の傾向
ファンコミュニケーションズ(A8.net)
A8.netを含むCPAソリューション事業は、2025年12月期に4.3%減収でした。一方、インフルエンサーなどの戦略事業が37.0%伸び、コスト削減もあって営業利益は23.1%増の19.7億円でした。A8.netの稼働広告主ID数は3,536から3,084に減り、登録パートナーサイト数は約353万から約362万に増えています。
バリューコマース
アフィリエイトが中心のマーケティングソリューションズ事業は2.6%増収でした。オンラインモールの店舗向けサービス「StoreMatch」などを2025年7月末で終えたため、ECソリューションズ事業が大きく減り、全体の売上は20.5%減、営業利益は52.6%減の19.7億円でした。
インタースペース(アクセストレード)
2025年9月期の売上は11.8%増の88.5億円です。ただし、アクセストレードを中心とする国内のパフォーマンス広告は伸び悩み、営業利益は33.2%減でした。伸びたのは、子会社のクラウドバックアップ「ポケットバックアップ」などのマーケティングソリューションと、比較・検討メディアです。
レントラックス
2026年3月期の売上は14.9%増の44.4億円です。主力の成果報酬型広告サービス事業は2.6%増で、中古建設機械マーケットプレイス関連事業が43.7%伸びました。
アドウェイズ
JANetやSmart-Cなどのアドプラットフォーム事業は13.1%増でしたが、広告代理のエージェンシー事業が15.2%減り、全体は3.7%の減収です。従業員は1年で100人減っており、同社は採用を抑えたためと説明しています。
読むときの注意点
- 決算期が違います。インタースペースは9月期、レントラックスは3月期、ほかの3社は12月期です。同じ「2025年」でも対象の期間がずれています。
- アドウェイズは2021年12月期に決算期を3月から12月に変えたため、その期は9か月分です。グラフは2022年12月期からにしています。
- 2021年ごろに売上の計上方法の基準が変わり、それより前の期は売上が大きく見えます(例:ファンコミュニケーションズは2021年12月期267.0億円、2022年12月期77.4億円)。そのため比べられる2022年の期以降を使っています。
- M&Aなどの影響があります。レントラックスは2026年3月期に井嶋金銀工業を子会社にし、負ののれん発生益で純利益が大きく増えました。売上や利益には、アフィリエイト以外の事業も含まれます。
- バリューコマースは2026年12月期から単体決算に移るため(2025年12月期 決算短信)、来期以降は連結の数字と並べられません。
調査の方法
- 対象:日本の上場企業のうち、アフィリエイト(成果報酬型広告)のASPを自社で運営し、その事業を決算の区分として開示している会社。レントラックスとアドウェイズは、アフィリエイト以外の事業の売上も大きい会社です。
- 数字はすべて各社の有価証券報告書(EDINETに提出されたもの)から取りました。売上高・経常利益・従業員数は「主要な経営指標等の推移」、営業利益は損益計算書、売上の内訳は「販売実績」です。
- 売上高の基準(収益認識に関する会計基準)が変わる前の期は、比べられないため省きました。億円は小数第1位まで表示しています。
- 従業員数は就業人員で、臨時雇用者は含みません。
- 確認日:2026年10月17日。
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