SEOコンサルタントのMarie Haynes氏は2026年10月21日、「GEO(生成エンジン最適化)は気が散る(a distraction)」とする記事を公開しました。100サイト・12か月分のGA4(セッション合計1億4500万超)を見ると、ChatGPT経由のセッションはGoogle自然検索の0.62%にとどまり、コンバージョン率は高い一方で総コンバージョン数ではGoogleが圧倒的だ、という内容です。Search Engine Landも同日に要約しています。
Marie Haynes氏とは
Marie Haynes(マリー・ヘインズ)氏は、カナダ・オタワを拠点とするSEOコンサルタントで、Marie Haynes Consultingを運営しています。獣医師としてのキャリアを経てSEOに転じ、GoogleのアルゴリズムやSearch Quality Rater Guidelines(品質評価ガイドライン)に基づくサイト品質・E-E-A-Tの解説で知られます。Search Engine Landへの寄稿や業界メディアでの取り上げも多く、近年はAI Overview/AI Mode、エージェント時代の検索変化を中心に発信しています(ニュースレター「Search & AI News You Can Use」など)。「いまの流入と成果がどこから来ているか」を実データで測る立場からの主張なので、GEO論争の一方の声として押さえておく価値があります。
本人のAboutでは、約16年にわたりサイト品質の改善を支援してきたこと、E-A-T(現E-E-A-T)を品質評価ガイドラインから早くから解説してきたこと、The Atlanticなど一般メディアでの言及も紹介されています。
この記事の要点
- Marie Haynes氏が2026年10月21日、「GEO is a distraction」を公開。
- 100サイト・12か月・1億4500万セッション超のGA4で、ChatGPT流入はGoogle自然検索の0.62%(全LLMでも0.73%)。
- CVRはChatGPT 13.8%/Google自然検索 3.02%とChatGPTが高いが、総コンバージョンではGoogle自然検索が全LLM合計の約27倍。
- 分析対象チャネル全体では、Google自然検索が総コンバージョンの96.5%を占めた。
- ChatGPTからの紹介流入の急伸は2025年8月(GPT-5公開前後)で止まり、その後は減少傾向、と報告。
- 実務の示唆:LLM言及の追い込みより、いま流入と成果を生むGoogle(AI Overview/AI Mode含む)と、エージェント時代の準備を優先。
調査の規模と主な数字
Haynes氏は規模の異なる100サイトのGA4を12か月分集計しました。セッション合計は1億4500万超です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 対象 | 100サイト/12か月のGA4 |
| セッション合計 | 1億4500万超 |
| ChatGPT/Google自然検索 | 0.62% |
| 全LLM/Google自然検索 | 0.73% |
| コンバージョン計測あり | 55サイト |
| CVR(Google自然検索) | 3.02% |
| CVR(ChatGPT) | 13.8%(約4.5倍超) |
| 総CVに占めるGoogle自然検索 | 96.5%(分析対象チャネル) |
| 総CV:Google自然検索 vs 全LLM | 約27倍 |
「0.62%」はサイト全体トラフィックに対する比率ではなく、Google自然検索のセッション量に対するChatGPTの比率です。全LLMを足しても0.73%でした。
CVRは高いが、総コンバージョンはGoogleが主導
コンバージョンをGA4で計測していた55サイトでは、ChatGPT訪問者のCVRは13.8%、Google自然検索は3.02%でした。率ではChatGPTが上回りますが、絶対数ではGoogle自然検索が全LLM合計の約27倍のコンバージョンを生んだ、とHaynes氏は書いています。
The AI search that is actually sending people to businesses today isn’t ChatGPT. It’s Google.
Marie Haynes「GEO is a distraction」
AI Overview・AI Mode、そしてAIが強く関与するランキングのなかで、多くの人がGoogleを離れることなくAI検索を使っている、というのが論旨です。
ChatGPT流入の伸びは止まった?
100プロパティ合算のChatGPTセッションを見ると、2025年8月(GPT-5公開前後)で指数的な伸びが終わり、その後は減少している、と報告されています。数か月前に「このまま指数関数で伸びればGoogleを超える」と見立てた予測は外れた、と本人も振り返っています。
SEO担当が今どこに時間を使うか
記事がすすめる実務の方向性を、AB通信向けに整理すると次のとおりです。
| 優先 | やること |
|---|---|
| いまの成果 | Google検索(AI Overview/AI Mode含む)での見え方と、キーイベント(コンバージョン)の計測 |
| 計測 | 100サイト中45サイトがキーイベント未計測だった、と指摘。まず「何を成果にするか」を定義する |
| ユーザー満足 | 機械向けのテクニックより、検索者が役立つと感じる体験の改善(Googleの深層学習系ランキング前提) |
| これから | Universal Cart、UCP、WebMCP、インテリジェント・アイウェアなどエージェント時代の接点を小さく試す |
GEOツールでChatGPT言及を追うこと自体を否定しているわけではなく、「ほとんどのサイトではその流入はGoogle自然検索と比べてごく小さいのに、業界の注目と投資がそこに偏りすぎている」という批判です。
データの注意点
- サンプルは規模の異なる100サイト。業種構成や正確な集計期間の詳細は記事上で限定的(Search Engine Landも、報告期間・業種ミックス・コンバージョン定義が明示されていない点に触れている)。
- Google自然検索トラフィック自体の増減は、この分析では測っていない。
- CVR定義は各サイトのGA4キーイベントに依存するため、サイト間で揃っていない可能性がある。
- 将来のLLM経由流入が増える可能性を否定するデータではなく、「いまのROIの置き場」に焦点がある。
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