この調査の要点
- 総務省の令和8年版情報通信白書(2026年7月)によると、日本で生成AIサービスを使ったことがある人は58.8%でした。前年の調査(26.7%)から2倍以上に増えましたが、米国・ドイツ(各75.6%)、中国(93.6%)を下回っています。
- 企業では、生成AIを何らかの業務で使っている割合が日本で86.4%となり、前年の55.2%から大きく伸びて、米国(90.9%)やドイツ(91.6%)との差が縮まりました。
- 海外の調査では、米国の成人の49%がAIチャットボットを使っていると答え(Pew、2026年2月)、EUでは16〜74歳の32.7%が過去3か月に生成AIを使っていました(Eurostat、2025年)。数字の定義は調査ごとに違うため、横並びでの比較には注意が必要です。
集計日:2026年10月18日/出典:総務省 情報通信白書、Pew Research Center、Eurostat、OECD/元データ:記事末尾からCSVでダウンロードできます
生成AIは、どれくらいの人や企業に使われているのでしょうか。この記事では、総務省の情報通信白書を軸に、米国のPew Research Center、EUの統計局Eurostat、OECDが公表している数字を、個人と企業に分けて整理しました。
結論:日本は急速に伸びたが、個人の利用はまだ他国より低い
- 今回確認した総務省の調査では、日本の個人の生成AI利用経験率は9.1%(2023年度調査)→26.7%(2024年度)→58.8%(2025年度)と、2年で6倍以上になりました。
- それでも、同じ調査の米国・ドイツ・中国はいずれも75%を超えており、日本との差は残っています。特に画像・動画やプログラムコードを生成するAIの利用は、日本が大きく下回っています。
- 企業の業務利用では、日本は86.4%と9割近くに達しました。一方で、生成AIの活用方針を決めている企業は68.9%で、米国(82.8%)やドイツ(82.2%)、中国(95.4%)より低い水準です。
- 欧州やOECD全体の企業の数字(約20%)は、総務省の企業調査とは対象や定義が大きく違います。「海外の企業は2割しか使っていない」とは読めない点に注意してください。
個人:生成AIを使ったことがある人の割合
総務省は、日本・米国・ドイツ・中国で同じ内容のアンケートを行い、生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」人の割合を公表しています。

| 国 | 2023年度調査 | 2024年度調査 | 2025年度調査 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 9.1% | 26.7% | 58.8% |
| 米国 | 46.3% | 68.8% | 75.6% |
| ドイツ | 34.6% | 59.2% | 75.6% |
| 中国 | 56.3% | 81.2% | 93.6% |
2025年度調査から15〜19歳が対象に加わりました。総務省によると、前年と同じ20歳以上に限った日本の利用経験率は52.2%です。年齢別では、日本は15〜19歳の利用経験率が最も高く、20代・30代が続きます。
使っている生成AIの種類
文章を生成するAI(ChatGPTやGeminiなど)は日本でも55.0%が使ったことがあると答えましたが、画像・動画やプログラムコードを生成するAIでは、ほかの3か国との差が大きくなっています。
| 国 | 文章生成 | 画像・動画生成 | プログラムコード生成 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 55.0% | 16.3% | 7.0% |
| 米国 | 65.4% | 41.0% | 35.4% |
| ドイツ | 66.0% | 47.6% | 25.0% |
| 中国 | 88.3% | 55.8% | 33.5% |
利用者に頻度を尋ねた結果では、日本で「ほぼ毎日」使う人は利用者の29.9%で、米国(47.9%)、ドイツ(45.5%)、中国(42.5%)より低くなっています。
企業:生成AIを業務で使っている割合
総務省の企業向け調査では、自社の何らかの業務で生成AIを使っていると答えた割合が、日本で86.4%でした。前年度の55.2%から31.2ポイント上がっています。

| 国 | 業務で利用(2024年度) | 業務で利用(2025年度) | 活用方針あり(2025年度) |
|---|---|---|---|
| 日本 | 55.2% | 86.4% | 68.9% |
| 米国 | 90.6% | 90.9% | 82.8% |
| ドイツ | 90.3% | 91.6% | 82.2% |
| 中国 | 95.8% | 98.1% | 95.4% |
「活用方針あり」は、「積極的に活用する方針である」と「活用する領域を限定して利用する方針である」の合計です。日本の企業規模別では、大企業が74.0%、中小企業が58.1%でした。日本で最も多い使い道は「議事録・メール作成補助」で、約7割の企業が使っていると答えています。
海外の統計・調査ではどうか
米国・EU・OECDでも、生成AIやAIの利用率が公表されています。ただし、聞き方や対象がそれぞれ異なります。

| 調査 | 対象 | 数字 | 聞き方・定義 |
|---|---|---|---|
| Pew Research Center(2026年2月) | 米国の成人 | 49% | AIチャットボットを使っている |
| Pew Research Center(2026年2月) | 米国の成人 | 44% | ChatGPTを使ったことがある(2025年は34%) |
| Eurostat(2025年) | EUの16〜74歳 | 32.7% | 過去3か月に生成AIツールを使った |
| OECD(2025年) | OECD加盟国の個人 | 3分の1超 | 生成AIツールを使った |
| Eurostat(2025年) | EUの従業員10人以上の企業 | 20.0% | AI技術を1つ以上使っている(2024年は13.5%) |
| OECD(2025年) | OECD加盟国(データのある国)の企業 | 20.2% | AIを使っている(2024年は14.2%) |
- 米国(Pew):ChatGPTを使ったことがある成人は2023年の18%から2026年の44%に増えました。18〜29歳では61%です。2026年の調査から質問文が変わっている点に注意が必要です。
- EU(Eurostat・個人):国別ではデンマーク(48.4%)、エストニア(46.6%)、マルタ(46.5%)が高く、ルーマニア(17.8%)、イタリア(19.9%)が低くなっています。
- EU・OECD(企業):どちらも約20%で、北欧諸国では35%を超えています。大企業ほど利用率が高く、EUでは大企業の55.0%に対し、小規模企業は17.0%でした。
数字が調査ごとに大きく違う理由
同じ「生成AIの利用率」でも、日本の企業86.4%とEUの企業20.0%のように大きな差があります。主な理由は次のとおりです。
- 回答者の違い:総務省の企業調査は、デジタル化に取り組んでいる従業員10人以上の企業の管理職以上が、ネットのアンケートに答えたものです。Eurostatは各国の統計機関が企業を抽出して調べた公的統計です。
- 期間の違い:総務省の個人調査は「使ったことがある」、Eurostatの個人調査は「過去3か月に使った」を数えています。
- 対象の違い:EurostatやOECDの企業の数字は、文章の分析や画像認識など生成AI以外のAI技術を含みます。
そのため、国どうしの比較は、同じ調査の中の数字で行うのが安全です。
読むときの注意点
- 総務省の調査は、インターネットアンケート(2026年1〜2月実施)です。回答数は個人が日本1,236件・各国624件、企業が日本515件・各国309件です。
- 総務省の企業の業務利用率は、活用方針の質問で「わからない」と答えた企業を除いて計算されています。
- Pewは米国の成人5,119人を対象とした調査(2026年2月17〜23日)です。
- OECDの個人の数字は、公表文で「3分の1を超える」と示されている範囲で記載しました。
調査の方法
- 対象:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月)、Pew Research Center「Americans and AI 2026」(2026年6月)、Eurostatの個人・企業のAI利用統計(2025年12月公表)、OECDの発表(2026年1月)。
- 数字の取り方:総務省は白書に付いている図表のCSVデータ、そのほかは各機関の公表ページ・報告書に書かれている数字をそのまま使いました。独自の計算は、総務省の「活用方針あり」の合計と、「ほぼ毎日」の合計(1時間以上と1時間未満の合計)だけです。
- 確認日:2026年10月18日(日本時間)。
元データ・出典
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」第I部第1章・第2章 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd111120.html、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121130.html
- Pew Research Center「Americans and AI 2026: Chatbots, Smart Devices and Views on Impact」https://www.pewresearch.org/wp-content/uploads/sites/20/2026/06/PI_2026.06.17_Americans-and-AI_REPORT.pdf
- Eurostat「32.7% of EU people used generative AI tools in 2025」https://ec.europa.eu/eurostat/en/web/products-eurostat-news/w/ddn-20251216-3
- Eurostat「20% of EU enterprises use AI technologies」https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-eurostat-news/w/ddn-20251211-2
- OECD「AI use by individuals surges across the OECD as adoption by firms continues to expand」https://www.oecd.org/en/about/news/announcements/2026/01/ai-use-by-individuals-surges-across-the-oecd-as-adoption-by-firms-continues-to-expand.html
(いずれも確認日:2026年10月18日)


