平山 大樹 AB通信 運営責任者
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この記事の要約
Anthropicは2026年11月2日(米国時間)、上場申請書S-1の修正版(S-1/A)を米証券取引委員会(SEC)に出しました。10月の最初の申請書では空欄だった「計算資源などへの支払い約束」の合計が、約8954億ドル(1ドル=150円で約134兆円)と書き込まれています。ほぼすべてがデータセンターとAIの計算資源に関するもので、約4475億ドルは2030年末までに支払う見込みです。9月末の現金は956億ドルでした。
出典:AnthropicのForm S-1/A(2026年11月2日提出、SEC EDGAR)
Anthropicは10月26日に上場申請書(Form S-1)をSECに出しました(Anthropic、米SECに上場申請書S-1を提出 ナスダックに「ANT」で上場へ)。その1週間後に出たのが、修正版のS-1/A(Amendment No. 1)です。7月〜9月の決算が加わり、最初の申請書で空欄だった金額の多くが埋まりました。公開価格の範囲や株数は、修正版でもまだ空欄です。
支払い約束の合計は約8954億ドル
S-1/Aは「9月30日時点とその後に結んだ、購入の約束とリース契約(短期の約束と、まだ始まっていないリースを含む)の合計は約8954億ドルで、ほぼすべてが計算資源とインフラに関するもの」と書いています。最初のS-1では、同じ文の金額が「$ 」と空欄でした。

| 内訳 | 金額 | S-1/Aの説明 |
|---|---|---|
| 9月末の契約の表 | 約3200億ドル | 購入の約束 約3138億ドル、リース 約62億ドル |
| 短期の契約(9月末時点) | 約174億ドル | 表に入っていない短期の契約 |
| まだ始まっていないリース | 約4512億ドル | 2026〜2028年に始まる見込み。期間は1年未満〜20年、平均は約10年 |
| 9月30日より後の新しい契約 | 約1002億ドル | 主にデータセンターのリースと、クラウドでのホスティング契約 |
| 9月30日より後の短期の契約 | 約66億ドル | 最低支払い額 |
| 合計 | 約8954億ドル | うち約4475億ドルは2030年末まで、残りはほぼ2031〜2045年 |
このうち約698億ドルは、9月30日から12か月以内に支払う予定です。一方で、約2138億ドルは、解約の権利がある契約や、条件が満たされないと発生しない契約に関するものだとしています。
合計に入っていない支払いもあります。S-1/Aは、使った量などで金額が変わる契約の支払いを約1500億〜1750億ドル、GoogleのTPU(AI用の半導体)を追加で使う分を約1250億〜1500億ドルと見積もっていて、どちらも上の表には含まれていません。
Google・Amazon・Microsoftとの契約

S-1/Aは、大手クラウド3社との契約で、使った量にかかわらず払う最低額も書いています。足りない場合は差額を払う仕組みです。
| 相手 | 最低支払い額 | 期間 |
|---|---|---|
| Google(クラウドのホスティング) | 約1213億ドル以上 | 2026年4月〜2033年7月 |
| Amazon | 1100億ドル以上 | 2026年5月〜2036年4月 |
| Microsoft | 449億ドル以上 | 2026年11月〜2033年6月 |
もう1つの柱が「Anthropic Direct」です。S-1/Aによると、クラウドの期間契約だけで計算資源を調達するやり方から、半導体を直接リースして、自社向けに運営される専用のデータセンターに置くやり方も組み合わせる形に変えつつある、としています。支払い約束のかなりの部分がこの取り組みに関係すると書かれています。
9月末の現金と、7〜9月の決算
支払いにあてるお金について、S-1/Aは「売上と調達する資金で賄う」としています。9月30日時点の手元資金は次のとおりです。
| 項目 | 金額(2026年9月30日時点) |
|---|---|
| 現金と現金同等物 | 956億ドル |
| 短期の投資 | 363億ドル |
| 借入枠の未使用分 | 148億ドル |
| 合計 | 1466億ドル |
| このほか | パートナーからの資金調達枠 最大770億ドル、出資の約束 最大50億ドル |
9月末までに集めた資金は合計1411億ドルです。最初のS-1にあった6月30日時点の現金は1124億ドルでした。
決算では、2026年1〜9月の売上が332億ドルで、前の年の同じ時期の約25億ドルから1,206%増えました。7〜9月の3か月だけでは170億ドルです。1〜9月の純損失は1040億ドルでした。7〜9月の調整後の営業利益率は15%で、4〜6月の19%から下がりました。S-1/Aは、短期の計算資源50億ドルの費用が主な理由だとしています。
データの出典と見方
- 金額はS-1/Aに書かれた数字です。円は1ドル=150円で計算した目安です
- 支払い約束の合計には、解約できる契約や条件つきの契約も含まれます。実際に払う額は変わることがあります
- S-1/Aは上場前の登録届出書で、内容は今後また修正されることがあります
出典
- Anthropic, PBC Form S-1/A(Amendment No. 1)(SEC EDGAR、2026年11月2日提出)
- Anthropic, PBC Form S-1(SEC EDGAR、2026年10月26日提出)
- Anthropic, PBCの提出書類一覧(SEC EDGAR)
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更新履歴
- 2026年11月3日:初版


