平山 大樹 AB通信 運営責任者
AB通信 編集部が、企業・行政の公式発表や決算資料などの一次情報を確認して書いています。運営会社・編集方針
この記事のポイント
- LINEヤフーの2026年7〜9月期(2026年度第2四半期、11月5日発表)の検索広告売上は423.93億円で、前年同期比1.7%減でした
- 会社は、LINEヤフー面の減少要因として「検索数の減少・広告需要の鈍化」(−20億円)を挙げています。同じ表記は4〜6月期の資料にもあります
- 検索広告は6四半期続けて前年を下回っていますが、マイナス幅は13.2%(2025年7〜9月)から1.7%まで縮まりました
- 検索クエリ数やクリック単価は開示されていません。国内の検索広告市場全体の動きは、この数字だけでは分かりません
数字はLINEヤフーの決算データシートと決算説明会資料(いずれも2026年11月5日公表)によります。LINEヤフーの決算期は3月末で、「2026年度第2四半期」は2026年7〜9月です。
検索広告の数字(2026年7〜9月)
| 項目 | 2025年7〜9月 | 2026年7〜9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 検索広告(合計) | 431.16億円 | 423.93億円 | −1.7% |
| うちLINEヤフー面 | 385億円 | 383億円 | −0.5%(AB通信計算) |
| うちパートナーサイト面 | 45億円 | 40億円 | −11%(AB通信計算) |
| 参考:ディスプレイ広告 | 636.03億円 | 583.66億円 | −8.2% |
| 参考:アカウント広告 | 349.60億円 | 390.67億円 | +11.7% |
| 参考:メディア事業の売上収益 | 1,802.30億円 | 1,835.80億円 | +1.9% |
合計はデータシートの百万円単位の値、LINEヤフー面とパートナーサイト面は補足資料のグラフに書かれた億円単位の値です。内訳は四捨五入のため合計と一致しない場合があります。検索広告の合計(423.93億円)とLINEヤフー面(383億円)は別の数字です。
検索広告とディスプレイ広告、LINE公式アカウントなどのアカウント広告は、別の区分で集計されています。メディア事業全体の売上が増えているのは、アカウント広告やユーザー課金の伸びによるもので、検索広告は減っています。
6四半期の推移

| 期間 | 検索広告(合計) | LINEヤフー面 | パートナーサイト面 | 合計の前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年4〜6月 | 461.52億円 | 411億円 | 50億円 | −7.7% |
| 2025年7〜9月 | 431.16億円 | 385億円 | 45億円 | −13.2% |
| 2025年10〜12月 | 446.84億円 | 399億円 | 46億円 | −9.5% |
| 2026年1〜3月 | 450.84億円 | 407億円 | 43億円 | −11.3% |
| 2026年4〜6月 | 430.19億円 | 390億円 | 39億円 | −6.8% |
| 2026年7〜9月 | 423.93億円 | 383億円 | 40億円 | −1.7% |
合計と前年同期比は決算データシートと補足資料のグラフ、LINEヤフー面とパートナーサイト面は2026年度第1・第2四半期の補足資料のグラフの値です。2025年度の値は、組織再編にともなう遡及修正後のものです。2025年度通期の検索広告は1,790.37億円で、前年度より10.4%減りました。
会社の説明:増減要因

- LINEヤフー面:「プロダクト改善等」で+17億円、「検索数の減少・広告需要の鈍化」で−20億円
- パートナーサイト面:「LINEヤフー広告の掲出調整・広告需要の鈍化」で−5億円
- 4〜6月期の補足資料でも、LINEヤフー面の減少要因は「検索数の減少・広告需要の鈍化」(−27億円)と書かれています(2026年度第1四半期 補足資料 PDF 18ページ目)
資料では「検索数の減少」と「広告需要の鈍化」がひとまとめになっており、それぞれがいくら減ったかは分かりません。減った理由(ほかの検索サービスやAIの利用の増加など)についても、資料には説明がありません。
開示されていない数字
- 検索クエリ数、検索の利用者数、クリック数、クリック単価は開示されていない
- 近い指標として、Yahoo! JAPANのサービスを閲覧したブラウザー数「Daily UB」(四半期平均)がある。2026年7〜9月は1.08億で前年同期比1.8%減。ただし検索だけの数字ではなく、ニュースなどほかのサービスも含み、同じ人がアプリとブラウザーの両方で見ると2つと数える
国内の検索広告市場全体(電通の推計)
日本の検索広告市場全体の数字としては、電通などが毎年まとめる推計があります。「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)のグラフ1では、検索連動型広告は2025年に1兆2,814億円(前年比107.4%)、2024年は1兆1,931億円です。インターネット広告媒体費3兆3,093億円の38.7%にあたります。
- 電通の数字は2025年1〜12月の年間推計で、広告媒体社へのアンケートなどから推定したもの
- LINEヤフーの数字は2026年7〜9月の1社の売上で、期間も集計方法も違うため、そのまま比べられない
- 2025年の推計は2026年の市場の動きを示すものではない。2026年の市場全体が増えたか減ったかは、2027年春の次の推計を待つ必要がある
- GoogleはGoogle検索の日本単独の売上やクエリ数を開示していない
このため「Yahoo!の検索広告が減った=国内の検索広告市場が縮んだ」とは言えません。2025年は市場全体の推計が増えた一方で、LINEヤフーの検索広告は2025年度に10.4%減っています(年度の区切りが3か月ずれる点に注意)。
マーケター・Web担当者向けの読みどころ
- Yahoo!検索の広告枠は、会社自身が「検索数の減少」を減少要因に挙げている。Yahoo!広告の検索広告に予算を置いている場合、表示回数やクリック数の推移を自社のデータで確かめておきたい
- マイナス幅は縮まっており、LINEヤフー面は前年同期比0.5%減までほぼ横ばいに戻った。会社は「プロダクト改善等」の増加要因も挙げている
- 検索広告の売上の動きは、検索の利用の動きとは同じではない。広告主の出稿や単価の影響も混ざっている
既存の決算記事との比べ方
- Googleは「Google Search & other」(全世界、ドル建て)、Microsoftは「Search and news advertising」(全世界、トラフィック獲得コストを除く伸び率)を開示しており、日本だけの数字ではない
- LINEヤフーの検索広告は日本の「Yahoo!検索」と提携パートナーサイトの広告売上で、円建て。区分の定義が違うため、伸び率を並べるときは注意が必要
出典
- LINEヤフー 2026年度第2四半期 決算説明会補足資料(PDF 18・19ページ目、2026年11月5日)
- LINEヤフー 2026年度第2四半期 決算説明会資料(PDF 17ページ目)
- LINEヤフー 2026年度第1四半期 決算説明会補足資料(PDF 18ページ目)
- LINEヤフー KPI表(決算データシート)(2026年度第2四半期 決算データシート、「メディア」シート)
- 電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日、PDF 2ページ目のグラフ1)
更新履歴
- 2026年11月8日:初版


