平山 大樹 AB通信 運営責任者
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この記事の要約
WordPressとJoomla!で使われるテーマ・ページビルダー「YOOtheme Pro」の5.0.0〜5.0.52に、ログインしていない攻撃者がサーバーにPHPファイルを書き込み、サイトを乗っ取れる脆弱性(CVE-2026-102785)が見つかりました。深刻度は最高の10.0です。修正版の5.0.53は10月21日に公開されていますが、修正の2日後には実際の攻撃が始まっていたことが報告されています。YOOtheme Proを使っているサイトは、すぐに5.0.53以降へ更新し、あわせてアップロード用のフォルダに見覚えのないPHPファイルがないかを確かめてください。
何が起きたのか
YOOtheme Proには、サイトに載せる画像をサイズ変更などして表示する「画像の変換処理」があります。GitHub Advisory Databaseの説明(GHSA-8w8j-f6ph-29mm)によると、この処理はURLに付いた署名で正しい依頼かどうかを確かめていますが、その確かめ方が不十分でした。攻撃者は、サイトで公開されている普通の画像URLから署名を使い回し、そこに処理を付け足すことで、画像の保存先を変え、公開フォルダに画像とPHPを兼ねたファイルを書き込めます。ログインは不要で、深刻度はCVSS v4で10.0(緊急)です。
パロアルトネットワークスの脅威調査チームUnit 42は10月26日、この脆弱性が実際に悪用されていると報告しました(Unit 42の報告)。報告では、修正版の公開から2日後に最初のWebシェル(外からサーバーを操作するためのファイル)が書き込まれ、攻撃は自動化されていたとしています。書き込まれたファイルは数秒で動作を確かめられ、その約2分後には別のWebシェルが置かれ、遠隔操作ツールを入れようとする動きもありました。日本でもJPCERT/CCが11月5日の週報でこの脆弱性を取り上げています(JPCERT/CC Weekly Report 2026-11-05号)。

影響するサイト
対象はYOOtheme Pro 5.0.0〜5.0.52を使っているWordPressとJoomla!のサイトです。YOOtheme公式の変更履歴では、5.0.53(2026年10月21日)に「CVE-2026-102785:画像ハンドラー経由の認証なしのリモートコード実行を修正」と書かれています。5.0系より前の版が影響するかどうかは、公式の資料では示されていません。
いますべきこと
1. 5.0.53以降に更新する
YOOtheme Proの更新は、WordPressでは管理画面の「更新」、Joomla!では拡張機能の更新画面から行えます。更新にはYOOthemeのAPIキー(有効なライセンス)の設定が必要です。制作会社に任せている場合は、いまのバージョンと更新の予定をすぐに確かめてもらいましょう。
2. 見覚えのないPHPファイルがないか確かめる
修正前に攻撃を受けていた場合、更新しても置かれたファイルは残ります。Unit 42の報告では、WordPressのアップロード用フォルダ(wp-content/uploads/)に、次のようなファイルが作られていました。サーバーのファイルマネージャーやFTPで確かめてください。
ytに英数字7文字が続く名前のPHPファイル(例:yt+7文字+.php)ALFA_DATAというフォルダ(中にalfacgiapiなど)- そのほか、画像しか入らないはずのフォルダにある
.phpファイル
見つかった場合は、ファイルを消すだけでは足りないことがあります。管理者アカウントやパスワード、データベースの接続情報(wp-config.php)が狙われた可能性もあるため、サーバー会社や制作会社に相談し、パスワードの変更や、きれいなバックアップからの復元を検討してください。
3. 使っているか分からないときの見分け方
- WordPress:管理画面の「外観」→「テーマ」で、有効なテーマが「YOOtheme」になっていないか。フォルダでは
wp-content/themes/yoothemeがあるか - Joomla!:管理画面の「システム」→「サイトテンプレート」に「YOOtheme」があるか
- サイトの画像URLに
yootheme=cacheのような文字が入っていれば、YOOtheme Proの画像変換処理を使っています


