平山 大樹 AB通信 運営責任者
AB通信 編集部が、企業・行政の公式発表や決算資料などの一次情報を確認して書いています。運営会社・編集方針
この記事の要約
Googleは11月3日、学校向けのAIの扱いを見直すと発表しました。K-12(小学校から高校まで)の生徒アカウントでは、Gemini、Gemini Notebook、Gemini in Classroom、Google検索を、学校の管理者が明示的にオンにするまで使えない設定にします。オンにするのは、1つずつ個別に選べます。あわせて、答えをすぐに出さずに段階的に考えさせる「Guided Learning(ガイド付き学習)」を、生徒アカウントのGoogle検索に入れます。11月中に米国の一部の学校で試験導入する予定です。Google Classroomでは11月3日から世界で使えるようになりました。
出典:Google公式ブログ、Google公式Xアカウント、9to5Google(記事末の「出典」に一覧)
生徒アカウントは検索もGeminiも初期設定でオフ
Googleの教育部門を率いるクリス・フィリップス氏が、公式ブログで発表しました。対象は、Gemini、Gemini Notebook、Gemini in Classroom、Google検索の4つです。K-12の生徒アカウントでは、これらへのアクセスが「学校の管理者が明示的にオンにするまで、完全にオフ」になります。
変更が実際に始まる前に、今後数か月のうちに学校へ詳しい内容を知らせるとしています。学校、教師、研究者、政策担当者の声を聞いたうえでの見直しだと説明しています。
Googleの報道向け公式Xアカウント(@NewsFromGoogle)は、日本時間11月4日の投稿で補足しています。Gemini、Gemini Notebook、検索は初期設定でオフで、学校は1つ、2つ、またはすべてを個別にオンにできるとしています。また、学校向けの検索のAIモードとAI Overviewsでは、段階的に導くGuided Learningを提供するとしています。

| 内容 | 時期 | |
|---|---|---|
| Gemini・Gemini Notebook・Gemini in Classroom・Google検索 | K-12の生徒アカウントでは、学校の管理者がオンにするまでオフ | 詳しい内容は今後数か月のうちに学校へ知らせる |
| オンにする範囲 | 1つ、2つ、すべてなど個別に選べる(公式Xアカウントの補足) | 同上 |
| 検索のGuided Learning | 宿題の手助けを求めていると判断したとき、答えを直接出さず段階的に導く | 11月中に米国の一部の学校で試験導入、今後数か月で他の学区へ拡大 |
| Google ClassroomのGuided Learning | 先生が出した課題で、授業の教材にもとづいて1対1で導く。先生は進み具合を見られる | 11月3日から世界で提供 |
検索に「答えをすぐ出さない」Guided Learning
Guided Learningは、もともとGeminiアプリにある学習用の機能で、日本語の画面では「ガイド付き学習」と表示されます。問いかけと段階的な解説で、答えだけでなく考え方を身につけてもらうためのものです。
今回、これを生徒アカウントのGoogle検索に組み込みます。生徒が宿題の手助けを求めているとGoogleのシステムが判断すると、検索がその問題を段階的に案内します。公式ブログでは、物理の難しい問題を貼り付けたり、読書感想文(ブックレポート)の手助けを求めたりすると、答えに直行せず、考えるための問いかけが表示される例を挙げています。
まず11月中に米国の一部の学校で試験的に始め、教育者の意見を取り入れながら、今後数か月で他の学区に広げるとしています。
Google Classroomでは世界で提供開始、東京大学での実験も
Google Classroomでは、先生が出すGuided Learningの課題が11月3日から世界で使えるようになりました。生徒は授業の教材にもとづいて1対1で学べ、先生はクラスのどこでつまずいているかをリアルタイムで確かめられます。
Googleは同じ日の別の記事で、東京大学の学生300人以上を対象にした実験の結果も公表しています。半日かけて統計を自習してもらったところ、通常のオンライン教材だけのグループはテストの点が5.3ポイント上がったのに対し、GeminiのGuided Learningも使えたグループは8.1ポイント上がりました。Googleは、学習の伸びが1.5倍だったとしています。
「AIなしで検索だけ」は選べないと報道
ここからは報道です。9to5Googleは、米ニューヨーク・タイムズの報道を引いて、Googleが「検索とAIは深く統合されている」と説明し、AI機能をすべてオフにした学校の生徒は検索を使えなくなると伝えています。また、2027年の初めに、AI OverviewsなどのAI機能を使う設定と、その代わりにGuided Learningを使う設定の2つが学校向けに用意されると報じています。
これらの点は、Googleの公式ブログには書かれていません。日本の学校での提供時期や設定の詳細についても、公式ブログでは触れていません。
サイト運営者にとっての意味
学校のアカウントで検索するときの見え方が、学校ごとの設定で変わることになります。小中高生の調べ学習や宿題での検索から読まれている教材サイトや学習サイトは、生徒アカウントでの検索の扱いが今後どうなるかを見ておくとよさそうです。Googleは、設定の詳細を今後学校に知らせるとしています。
出典
- Designing responsible AI for learning(Google 公式ブログ、2026年11月3日、2026年11月4日確認)
- New research shows how Guided Learning supports students(Google 公式ブログ、2026年11月3日、2026年11月4日確認)
- @NewsFromGoogleの投稿(Google 公式Xアカウント、日本時間2026年11月4日5時25分、2026年11月4日確認)
- Google will disable Search for students unless schools accept AI features in ‘Guided Learning’ push(9to5Google、2026年11月3日、2026年11月4日確認)
- Gemini アプリで学習ツールを使用する(Gemini アプリ ヘルプ、2026年11月4日確認)
あわせて読みたい
- AI検索、調べる言葉は「AI Overview」から「AIモード」へ 「SEO対策」は2割減、「LLMO」は微増【Googleトレンド】
- Google、AI Modeの広告を10か国に拡大 米国では続けて質問しても広告、日本は対象外
- 英CMA、GoogleにAI検索の「クリック数」提供を求める 期限は12月3日、Search ConsoleのAIレポートはいまは表示回数だけ
更新履歴
- 2026年11月4日:初版


