平山 大樹 AB通信 運営責任者
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この記事の要約
Microsoftは11月4日(米国時間)、アクセス解析ツール「Microsoft Clarity」の新機能を発表しました。中心は「Brand Agents」の拡大で、対象のWooCommerce・Shopify店舗の商品が、Microsoft Copilot・Bing・MSNなどでAIにおすすめを聞いた人の回答に出るようになります。あわせて、AIエージェントが購入や予約を最後まで終えられるかを試す「シミュレーション評価」、WordPressの地域ビジネス向けの予約受付、質問するとデータを分析する「Ask Clarity」(小売向けクローズドベータ)も加わりました。公式ブログは、新機能を「すべてのユーザーにグローバルで提供」と書いています。

Brand Agentsの商品がCopilot・Bingの回答に
Brand Agentsは、もともと店舗のサイトに置くAIの買い物アシスタントです。商品カタログや配送・返品のポリシー、ブランドの言葉づかいをもとに客の質問に答えます。今回、Brand Agentsを使う店舗は、その商品をサイトの外でも見つけてもらえるようになりました。公式ブログによると、対象(eligible)のWooCommerce・Shopify店舗の商品は、買い物客がAIにおすすめを聞いたとき、Copilot、Bing、MSNなどに表示されます。客は商品を見つけたあと、店舗のサイトで購入します。
- すでにBrand Agentsを入れていれば、カタログの追加アップロードや設定は不要(公式ブログ)
- 設定時に、サイト上でBrand Agentを使うか、AIの回答に商品を出すためだけに使うかを選べる(公式ブログ)
- Brand Agentsの規約に同意すると、カタログがMicrosoft Merchant Centerに公開され、Bing・CopilotなどBingを基盤にしたAIで見つけられるようになる。カタログを更新すると反映される(Microsoft Learn)
- Brand Agentsは現在ベータで、対象はShopifyとWooCommerceのサイト。モバイルアプリは対象外(Microsoft Learn)
「対象(eligible)」となる店舗の具体的な条件は、公式ブログには書かれていません。

AIエージェントが購入・予約を終えられるか試せる
Clarityには「Agent Activity」ダッシュボードが入りました。AIエージェントからのアクセスの推移、どのエージェントが来ているか、サイト内で何をしたか(検索、フォーム送信、ログイン、ダウンロード、予約、購入手続き)が分かります。
新しい「シミュレーション評価」では、AIエージェントがサイトの大事な手続きをどれだけうまく終えられるかを、実際の客がつまずく前に試せます。結果として、手続きを終えられたか、かかった時間、必要だった操作の数、改善できる所が示されます。まずはEC(コマース)と旅行の場面から始め、ほかの種類の手続きにも広げる予定です。

公式ブログは、Clarityの分析でAIエージェントからの週あたりのセッションが3週間でほぼ倍の約200万になったとも書いています。この分析については10月30日の記事で詳しく紹介しています。
WordPressの地域ビジネスで予約受付
Brand Agentsは、ネット通販だけでなく地域のサービス業にも広がりました。サイトに来た人に提供サービスを説明し、合うサービスを見つけ、予約まで案内します。公式ブログでは「キッチンの流しの下の水漏れを直してほしい」と聞かれたら、合うサービスを見つけて予約を提案する例が挙げられています。
予約や顧客管理は、Square、Jobber、HubSpot、Calendly、Housecall Pro、Salesforceなどと連携します。対象のWordPressサイトは今日から使え、手順は「Clarityを入れる」「Clarity with Brand Agentsを選ぶ」「エージェントを公開する」「対応するCRMをつなぐ」です。

Ask Clarityは小売向けのクローズドベータ
Ask Clarityは、サイトの使われ方について質問すると、分析者のように仮説を立てて実際のデータで確かめ、次にやることを提案する機能です。結論には根拠となるセッション録画がつきます。今はセッション録画、ヒートマップ、ファネル、イベントなどサイト内の行動分析が中心で、今後はAI Visibilityや広告データにも広げる予定です。現在は小売向けのクローズドベータで、試したい場合はウェイトリストに登録します。
提供範囲・料金・日本での利用
- 提供範囲:公式ブログは新機能を「すべてのユーザーにグローバルで提供」と書いている。ただしBrand AgentsのAI回答への掲載は「対象」店舗、WordPressの予約受付は「対象」のビジネス、Ask Clarityは小売向けクローズドベータ
- 料金:公式ブログは「Clarityは無料」と書いている。Brand Agentsの料金は公式ブログには記載なし
- 日本で使えるか:日本を名指しした記載は公式には記載なし。Brand Agentsは、すべての言語での会話に対応し、設定画面もClarityが対応する全言語で使えるとされている(Microsoft Learn)
- 日本のCopilot・Bingで商品が表示されるか:公式には記載なし
日本のEC・Web担当者がやること
1. Agent Activityを開いて、AIエージェントの来訪を見る
Clarityを入れているサイトなら、まずAgent Activityでどのエージェントが来て、どこまで進んでいるかを確かめます。購入手続きやフォームの途中で止まっていないかが見どころです。
2. 購入・予約の手続きをシミュレーションで試す
EC・旅行のサイトは、シミュレーション評価で、エージェントがカート投入から購入まで進めるかを確かめます。止まった所が分かれば、ボタンの表記やフォームの作りを見直すきっかけになります。
3. Shopify・WooCommerceならBrand Agentsを検討する
Shopify・WooCommerceの店舗は、Brand Agentsの導入でCopilot・BingのAI回答に商品が出る可能性があります。ただし、規約に同意するとカタログがMicrosoft Merchant Centerに公開されること、サイトのプライバシーポリシーに所定の文言を入れる必要があること(Microsoft Learn)を先に確かめましょう。導入手順はWooCommerce向けの導入ガイドなどにあります。日本の店舗が対象になるかは公式に書かれていないため、導入画面で確かめるのが確実です。
4. 予約型のビジネスは連携先を確かめる
WordPressで予約を受け付けるサービス業は、使っている予約・顧客管理ツールが連携先(Square、HubSpot、Calendlyなど)に入っているかを確認します。
出典
- Agents act, LLMs recommend, and people browse. Microsoft Clarity connects all three journeys.(Microsoft Clarity公式ブログ、2026年11月4日、2026年11月5日確認)
- Brand agents Overview(Microsoft Learn、2026年11月5日確認)
- Install Brand agents from WooCommerce(Microsoft Learn、2026年11月5日確認)
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更新履歴
- 2026年11月5日:初版


