自社サイトのホームページ、もしくはECサイトを立ち上げる際に「ASP」の利用を検討する方は多いですよね。
ASPを利用することで、コードを書かずに簡単に、サイトを構築できるため、少ないコストで始めたい方に支持されています。
ただWeb担当者の方の中には、なんとなくASPが何なのか分かっていても、他人に説明できるレベルで理解している人は稀なのではないでしょうか。
結論から言えば、ASPはインターネット上でサービスを提供する事業者のことを指しており、活用される機会は広がっています。
この記事では、ASPとは何か、どういった点で便利なのか、SaaSとの違いは何かなどについて具体的に解説していきます。
読み終えれば、あなたもASPとは具体的に何なのか理解できるようになるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ASPとは「インターネット上でサービスを提供する事業者」のこと
ASPとは「Application Service Provider」の略称であり、インターネット上でサービスを提供する事業者の総称を指します。
一昔前までは、アプリケーションサービスを利用するために、PCに直接ソフトウェアなどをインストールしなければなりませんでした。
しかしASPが登場したことによって、インターネットさえあればサービスを利用できるようになり、導入する時間・お金などのコストが一気に削減されたのです。
元々は「事業者」の意味で使われていましたが、ASPが「サービス」そのものを意味する機会も増えて、ますます一般的な呼び方が多様化しています。
ASPとSaaSの違い!日本では「ほぼ同義」
「ASP」と似たような用語に「SaaS」が存在しますが、結論から言うと、日本ではほぼ同義で使われています。
SaaSは「Software as a Service」の頭文字を取ったもので、インターネット上で提供されているサービスのことを指します。
もともと日本国内においては「ASP」という呼び名が一般的でしたが、90年代後半にアメリカで「SaaS」が使われるように。
結果的にSaaSが採用されるようになり、今ではほぼSaaSが主流になっているという背景があるのです。
ちなみにベンダーによって、機能的により細かくASPとSaaSを区別しているところもあります。
具体的には、ASP=シングルテナント、SaaS=マルチテナントと区別されることがしばしば。
- シングルテナント・・・1顧客に対して1環境を用意すること
- マルチテナント・・・複数の顧客に対して1環境を用意すること
環境の管理方法で大きく違いを求めているケースは少なくないので「ベンダーによって変わる」ということは頭の片隅に置いておきましょう。
EC業界では「ASP」の方が使われている
ちなみにEC業界では「ASP」の方が頻繁に利用されています。
実際に「ASPカート」という単語もあり、0からコードを書いて開発する「フルスクラッチ」の対義語として利用されるケースも多いです。
ECサイトにおいては、
- Shopify
- BASE
- カラーミー
- STORES
などのASPカートサービスが非常に発達しており、ASPを使うことで誰でも簡単にネットショップを立ち上げることができます。
とはいえ、これらのサービスもSaaSに分類することは可能なので、明確な区別はないと考えておいて問題ないでしょう。
ASPを利用するメリット3つ
ASPを利用する際のメリットは主に3つ。
- 導入コストが低い
- 導入までの期間が短い
- インターネットさえあれば導入できる
ソフトウェアをインストールするよりも、圧倒的に導入が簡単なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
導入コストが低い
通常、自社独自のシステムを開発する場合、0からサイトを構築することになるので、かなり制作費用がかかってしまいます。
ASPの場合、導入コスト、サーバーの維持費用、システムのバージョンアップなどもほとんどないので、ランニングコストを大幅に削減できます。
無料でお試しサービスを導入できるASPもあるため、まずは試しに利用してみてはいかがでしょうか。
導入までの期間が短い
ASPの場合は、導入してからリリースまでのスピードが非常に短いというのも大きなメリットでしょう。
もし0からシステムを開発するとなると、要件定義・システム設計などを経て、開発・テストを行って、、、とかなり工数がかかってしまいます。
しかしASPを利用すれば、ページのデザインテンプレートから選ぶだけで簡単にWebサイト・ECサイトが作れてしまいます。
リリースまで時間・お金をかけたくない!という方にぴったりなので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
インターネットさえあれば導入できる
インターネット環境さえ整っていれば、誰でも簡単に導入できるというのもASPのメリットでしょう。
従来どおりの方法だと、システムを構築したり、市販のソフトウェアをインストールするしか方法がありませんでした。
その点、ASPはインターネットさえあれば、どこでもインストールして始められるので、かなり簡易的に導入できるというのも嬉しいポイントですよね。
ASPを利用するデメリット3つ
一方で、ASPを利用するデメリットは主に3つ。
- サービスが終了したら使えない
- ネットワーク環境がないと利用できない
- カスタマイズ性に欠ける
きちんとデメリットを理解した上で利用しないと、後々大変なことになりかねないので、注意しましょう。
サービスが終了したら使えない
ASPは提供している業者が、倒産したり、そのサービスを停止したりすると、利用できなくなるというリスクがあります。
近年で言えば「Yahoo!ブログ」「はてなダイアリー」「アメーバピグ」など、一斉を風靡したASPサービスが実際に終了しています。
基本的にサービスが終了したら利用できなくなり、スイッチングを行わなければならないので、マイナーすぎるASPを利用するのはやめましょう。
ネットワーク環境がないと利用できない
従来通りのソフトウェアをデバイスにインストールするシステムは、ネット環境がなくてもローカルで動作させることができました。
しかしASPは常にネットワーク環境が整っている状態でないと、利用することができないので注意しなければなりません。
急なトラブルがあった時に、WiFiなどの調子が悪いと、上手く動作しないことも多いので注意が必要です。
カスタマイズ性に欠ける
ASPは手軽に始められ、予め用意されたテンプレートを利用すれば、簡単にサイトを構築できるという便利さは大きな強みです。
しかし裏を返せば、カスタマイズ性に欠けるというデメリットでもあるのです。
ある程度の色や画像を差し替えたりということは可能ですが、大きくサイトの要素を変更したり、変形したりすることは出来ません。
機能性もASPが用意しているモノの中からしか選べないので、カスタマイズの柔軟性に関しては豊富ではないということを覚えておきましょう。
まとめ|ASPを利用して積極的にサービスを導入しよう!
今やSaaSの方が主流の単語として利用されるようになってきたので、アプリケーションサービス提供者のことを「ASP」という呼び方をする人は少ないです。
しかし、まだまだEC業界では、ASPカートという単語として残っていますし、区別して呼称しているベンダーも少数ですが存在します。
ASPはインターネットさえあれば、いつでも利用できるため、手軽にECサイト・Webサイトを構築する上で非常に便利。
まずは手軽にサイトを作ってみたい方は、ASPを利用して積極的にサービスを導入するように心がけましょう。