ECモールに出店している店舗にとって、物流業務の管理は手間がかかります。とくに楽天市場は、楽天スーパーセールなどイベントや繁忙期の際に、物流業務の負担が増加してしまう悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、物流業務を代行できるサービスであるため、コア業務に時間をあてられます。本記事では、楽天スーパーロジスティクスのメリットやデメリット、Amazon FBAとの違いについて解説します。
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楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、楽天市場の出店者向けの物流代行サービスです。
楽天市場が店舗に代わり、商品の入荷から発送までの物流業務を行うため、出店者側は販売戦略や商品企画などの運営面でより重要な業務にリソースを割けられます。
あす楽やラッピングサービスにも対応しており、配送品質の向上だけではなく、ほかのECサイトも同一料金で配送できるため、複数のECモールに出店している店舗におすすめです。専任担当者のサポートも受けられるため、導入や運用に際して困ったことがあっても安心です。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の6つのメリット
楽天スーパーロジスティクス(RSL)には、物流業務の効率化だけではなく、6つのメリットがあります。
- 物流業務の負担が軽減される
- あす楽対応や土日祝日も出荷できる
- 専任担当者のサポートが受けられる
- ギフトラッピングやチラシ封入にも対応できる
- RSLカルテを活用できる
- ほかのECサイトの注文にも対応できる
それぞれのメリットを理解して、効率的な店舗運営に活かしましょう。
物流業務の負担が軽減される
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用すると、物流業務が軽減されます。
楽天市場が入荷から配送までの業務を代行してくれるため、店舗で発送業務に費やしていた人員や時間、保管場所などのリソースや費用がかかりません。その分の時間を集客や商品企画などの重要な業務に割けます。
店舗側は、楽天市場が管理する倉庫に商品を保管し、発送指示を出すだけでそのほかの業務は楽天市場が代行してくれます。
また、楽天スーパーロジスティクスは、楽天市場と連動しており、市場の情報を把握できるので、セール時に急激な出荷増減の波動対応の心配もいりません。
配送後に購入者から返品があった場合や、やむを得ない理由により配送が不着の商品の受け入れも可能です。
あす楽対応や土日祝日も出荷できる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、あす楽サービスに対応しており、当日15時29分までの注文であれば翌日配送が可能です。配送遅延が発生した際には、楽天あんしんショッピングサービスの補償もあり、購入者も安心です。ただし、北海道や九州など倉庫の場所によって対象外のエリアもあるので注意してください。
また、365日出荷対応が可能です。土日祝日だけではなく、年末年始や大型連休も出荷できます。休日やセールの繁忙期でも安定して商品が出荷できるので、顧客満足度が向上します。
専任担当者のサポートが受けられる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、導入から稼働開始後まで専任担当者がサポートしてくれるのもメリットです。
稼働開始後は、ECコンサルタントと物流コンサルタントが支援してくれます。物流面から現状の分析・課題の発見・提案を任せられ、業務の負担軽減から売上アップまで幅広いサポートを受けられます。
楽天市場への出店では、ショップづくりからイベントへの対策、集客などやるべき業務が多くあるため、サポートは心強いでしょう。
店舗で人員が足りない場合は、楽天スーパーロジスティクスを検討してみるとよいかもしれません。
ギフトラッピングやチラシ封入にも対応できる
商品のチラシや販促物の同封、ギフトラッピングなど、梱包に関するオプションサービスも設定されています。
ギフトラッピングは、プレゼントとして商品を送る際や贈答品での利用の際に、他店舗との差別化になるポイントです。
また、新商品の紹介やクーポンなどのチラシを封入することで、購入単価のアップやリピータの獲得につながります。
発送商品のすべてに同じチラシを封入することや、新規顧客やリピーターによって異なるものを封入できるので、ユーザーにあった内容で訴求できます。
RSLカルテを活用できる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、RSLカルテを利用できるのも魅力です。
RSLカルテでは、以下4つのデータを取得できます。
データ名 | 確認項目 | どのような改善につながるか |
---|---|---|
物流コスト推移 | ・毎月の合計物流コスト ・出荷1件あたりの物流コスト ・在庫保管料 ・オプション作業量の内訳 | ・在庫数やオプション利用を見直す指標になる |
基本情報 | ・入荷数 ・出荷数 ・保管数 | ・入荷や出荷、在庫のバランスが判断できるため、入荷数を見直せる |
長期保管傾向 | ・長期保管の商品や在庫数 | ・過剰在庫の商品が把握できるため、入荷計画や在庫処分が判断できる |
売れ筋商品の欠品日数 | ・売れ筋商品の欠品日数 ・欠品の発生傾向 | ・在庫不足の商品の次に在庫不足が発生しやすいタイミングがわかり、入荷計画の見直しができる |
4つの分析データを理解して、物流面での課題把握や改善を行う際の参考にしましょう。
ほかのECサイトの注文にも対応できる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、楽天市場以外のECモールからの受注商品も追加料金なしで発送できます。
複数のECモールで出店している場合は、配送を一元管理できるので、物流の効率化やコスト削減を見込めます。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の5つのデメリット
楽天スーパーロジスティクス(RSL)には、5つのデメリットがあります。
- 取り扱いができない商品がある
- コストがかかる
- 空調設備がない
- 導入までに時間がかかる
- 管理システムの導入が必要になる
デメリットも理解したうえで、導入を検討しましょう。
取り扱いができない商品がある
楽天スーパーロジスティクス(RSL)には、取り扱いできない商品もあります。
取り扱い不可の主な商品は、以下の通りです。
- 商品の三辺の合計が160cm以上や重さが25kg以上の商品
- 危険物
- 医薬品
- 生体(なまもの)
- 販売価格が30万円を超える高額商品など
店舗の商品が取り扱いできるか不安な場合は、見積もりの際に確認するとよいでしょう。
コストがかかる
費用がかかることも楽天スーパーロジスティクス(RSL)のデメリットです。
配送料だけではなく、在庫保管料や出荷作業料がかかりますが、現在物流業務にどのくらいの費用がかかっているかを把握し、いくらまでなら業務をアウトソーシングした方がよいかシミュレーションしたうえで導入を検討するとよいでしょう。
空調設備がない
楽天スーパーロジスティクス(RSL)で商品を保管する倉庫には、空調設備がない点に注意が必要です。最低0℃から最高35℃の環境での保管となるため、熱や冷えに弱い商品は不向きといえます。
導入までに時間がかかる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、申し込み後にすぐに利用できるものではなく、開始まで時間がかかることがあります。見積もりから利用開始までの時間は各社の状況によって異なりますが、1ヶ月以上かかるケースが多いといわれています。
楽天スーパーセールなどのイベントに間に合わせたいなど開始スケジュールがある場合は、早めに見積もり・申し込みを行いましょう。
管理システムの導入が必要になる
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用するためには、倉庫との連携が必要なため、受注管理システムも導入しなければいけません。連携できる受注管理システムとして、BOSSやネクストエンジンなどが該当します。
現在、受注管理システムを導入していない場合には、時間とコストがかかり、運用には専門知識が必要になるだけでなく、利用開始までの設定も行います。そのため、はじめて物流業務のアウトソーシングを検討中の企業にとっては、導入の敷居が高く感じるかもしれません。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の料金体系
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の料金は、2つの料金で構成されています。
- 出荷作業料と配送料
- 在庫保管料
それぞれ解説しますので、自社で物流業務を行った際のコストと比べてみましょう。
出荷作業料と配送料
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用した発送業務には、出荷作業料と配送料が必要です。
出荷作業料は、商品のピッキングや梱包、出荷に関して発生するコストです。出荷作業料は、商品の量や形状によって変動します。
また、配送料はサイズや重さ、配送先によって異なりますが、宅配便の60~100サイズであれば380円(税抜)です。
見落とされがちですが、商品の配送料とは別に倉庫に商品や同封用チラシを納品する際にも別途送料がかかるため注意してください。
在庫保管料
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の利用には、配送に関する費用だけではなく、在庫保管料もかかります。
在庫保管料は、以下の計算式で費用を算出できます。
在庫保管料 = 7.5円 × 商品体積(㎤)÷ 1000 × 保管日数 ÷ 当月の日数 |
保管期間が長いほど保管料がかかり、商品数に応じて発生します。商品サイズが大きい場合は、保管料金・配送料とも高額になるため、シミュレーションしたうえで楽天スーパーロジスティクスを利用するか判断しましょう。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の利用手順
次に、楽天スーパーロジスティクス(RSL)を導入する手順について、導入契約までの流れと利用までの流れの2つに分けて解説します。
導入契約までの流れ
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を導入するまでは、以下3つのステップで契約まで進めます。
- 見積もりフォーム入力
導入を検討している場合には、見積もり依頼を行います。
すでに楽天市場に出店している場合は、担当のコンサルタント、または店舗運営Naviに問い合わせます。新規出店の際は、新規出店コンサルタントに問い合わせましょう。 - ヒアリング
見積もりフォームに入力後、担当者から電話でヒアリングを受けます。 - 見積もり確認、契約
見積もり内容に問題がなければ契約の作業に進めます。見積もりはヒアリングから1週間程度かかります。
利用までの流れ
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の契約が締結された後は、利用までの準備が必要です。利用開始までは以下の5つのステップで行います。
- 導入コンサルティング
専任の物流コンサルタントが実施します。コンサルティングでは自社の状況をヒアリングし、実現可能なスケジュールに基づく入荷計画の作成や倉庫を利用するための準備を開始します。 - 各種ツールの案内および設定
次に運用に必要なツールの設定を行います。楽天スーパーロジスティクスは、商品の入庫手続きや出荷依頼を受注管理システムを使って管理しており、連携するための設定を行います。 - リハーサル(運用テスト)
入荷から出荷を行うための操作テストを行ったり、商品を倉庫内のどこに保管するかを決定したり、具体的な運用に向けての準備を行います。 - 利用開始
各種ツールの設定と運用テストが完了したら利用できます。 - 安定稼働までサポート
店舗の計画在庫が入荷され、安定的に稼働されるまでサポートを継続してくれるのではじめての導入でも安心です。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)とフルフィルメント by Amazon(FBA)との違い
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、Amazonが提供する「フルフィルメント by Amazon(FBA)」と比較されることがあります。
楽天スーパーロジスティクスとAmazon FBAの違いは、以下の4つです
- 料金体系
- 配送スピード
- 配送業者
- 梱包資材
Amazon FBAとの違いを理解して、楽天スーパーロジスティクスの特徴への理解を深めましょう。
料金体系
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の配送料は、北海道や沖縄・離島も含め全国どの地域でも一律です。また楽天市場以外のECモールでの出荷も同じ料金で配送できます。
一方、Amazon FBAは、Amazonからの出荷よりもほかのECモールで受注した商品のほうが配送料が高くなるため、注意が必要です。
配送スピード
配送対応は、楽天スーパーロジスティクス(RSL)のほうが早い傾向があります。
楽天スーパーロジスティクスは、通常配送の場合、15時29分までの注文であれば対応エリアに限り翌日に配送できます。
一方、Amazon FBAは通常配送の場合、出荷日の取り決めをおこなっていません。当日配送は楽天市場では実施していませんが、Amazonでは首都圏の一部エリア(東京、神奈川、大阪)限定で当日配送に対応しています。
配送業者
楽天スーパーロジスティクス(RSL)は日本郵便と提携しており、どの地域でも品質が変わらず商品を配達できます。
Amazon FBAは大手以外のさまざまな配送業者と連携しており、配送品質の安定性に違いが生じるおそれがあります。
梱包資材
楽天スーパーロジスティクスの梱包資材には、楽天市場のロゴが記載されていないため、ほかのECモールでの出荷にも利用できます。
一方、Amazon FBAは梱包資材にAmazonのロゴが記載されており、ほかのECモールの商品を配送する場合にユーザーは違和感を覚えるでしょう。ロゴなしの梱包材を利用するには、あらためて申請が必要になります。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を導入して物流業務を効率化しよう
本記事では、楽天スーパーロジスティクス(RSL)のメリットや導入までの流れ、Amazon FBAとの違いを解説しました。
EC出品者の負担となる物流業務を代行できれば、コア業務に集中できるため、売上アップが期待できます。複数のECモールからの出荷が重なり物流業務の負担が重くなっている、物流面での課題解決をしたい店舗におすすめです。
楽天スーパーロジスティクスの導入を進める場合は、現在の店舗での物流業務にかかるコストと比較して検討しましょう。
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転売対策や広告運用など各分野の精通したスペシャリストが在籍し、少数精鋭のプロが結集したチーム体制で、売上・利益アップやブランド価値の向上を実現します。
料金形態は成功報酬型を採用し、売上・粗利を伸ばすために全力でコミットしたサポートを受けられるのも魅力です。
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