会社からいきなり「Web担当者」に任命されて、具体的に何から始めたらいいのか困っている方は多いのではないでしょうか。
Webサイトはただ更新するだけではなく、きちんと目的を持って戦略的に運用していくことで、効果を最大化することができます。
中でもWeb担当者は「企業のWebサイトに関わる全ての業務を行う役職」であるため、自分の腕次第でサイトからの集客・売上アップをさせることが可能になります。
しかし多くの企業において、Web担当者の役割は軽視されており、ただホームページの更新を行うだけの業務にとどまっていることがほとんど。
この記事では、まだWeb担当者に任命されて間もない初心者の方に向けて、Web担当者がどうあるべきか、具体的に行うべき7つのこと等について解説しています。
読み終えれば、あなたもWeb担当者として何を行うべきか把握できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
Web担当者とは「Webサイトに関わる全ての業務を行う人」のこと
Web担当者の定義は非常に多岐に渡るため、業務範囲自体は企業によって様々です。
あまりWebサイトからの集客に注力していない企業の場合、ただWebサイトの情報を更新することだけが仕事になることが大半。
一方でWebサイトにきちんと注力している企業なら、サイトデザインを調節したり、SEO・広告運用などの集客施策を打っていくことも考えられるでしょう。
ただ基本的には「Webサイトに関する全ての業務を担当する役職」のことを指しており、サイトの更新・運用・情報発信などが主な仕事となります。
特に小規模の企業の場合は、「広報」「企画営業」などの部署にいる人が兼任していることが多く、あまりリソースを割きにくい部分でもあるのです。
Web担当者を設置することによる企業側のメリット3つ
自分がWeb担当者になっていながら「なぜWeb担当者が必要なのか」あまり理解出来ていない方も多いですよね。
しかし実は、Web担当者は1人でも役割として存在するだけで、非常に効果的かつ流動的にサイトを運用することが可能になります。
Web担当者を設置することによる主なメリットは3つです。
- サイトを効果的に運用できる
- 社内業務の複雑化を防げる
- 業務を外注する際にもスムーズに行える
サイトを効果的に運用できる
Web担当者を社内で決めておく最大のメリットは、無駄なく効果的にWebサイトが運用できるようになるということ。
担当を決めておくということは「Webサイトに詳しい人を社内に1人以上は確保できる」ということ意味します。
「何かWebサイトを使って新しいことをやろう!」と思い立っても、何をやればいいのか分からず、まず知識のインプットをやらなくてはならないというケースは多いです。
しかしWeb担当者がいれば、その人の知見をベースに施策を練れるので、社内できちんとナレッジ共有ができるようになります。
担当を決めて、リソース配分を行っておくだけで、格段に効果的に運用できるようになるのでおすすめです。
社内業務の複雑化を防げる
Web担当者という業種を設けることによって「誰が自社のWebサイトにおける責任者なのか」という役割が明確になります。
あまりWebに詳しくない中小企業にありがちですが、Webサイトの情報更新などを行う際に、誰が行うのか決まっていないと、責任の所在が曖昧になってしまいます。
結果的に社内での業務が煩雑になってしまい、運用に必要以上のコストがかかってしまう危険性があるのです。
Web担当者がいることによって、サイトを誰が運用しているのか社内で共通認識として理解されるので、タスクの所在がバラバラになったりすることはありません。
無駄なコミュニケーションコストを減らして、ミスを少なくするためにも、Web担当者という職業は重要なのです。
業務を外注する際にもスムーズに行える
自社のリソースだけで施策を行えなかったり、プロの知見を活かしたいと考えた場合、Webサイト周りの業務を外注することもあるでしょう。
具体的には、
- Webサイトのリニューアル
- Webからの集客施策の実施(SEO・広告運用)
などのタイミングで、プロの業者にお願いすることが多いです。
業務を外注する場合に、意外にも重要なのが「社内にWebに詳しい人がいるか」ということ。
まず依頼される業者側からすると、社内にWeb担当者の方がいるかどうかで、施策の実行しやすさというのは大きく変わってきます。
例えばWebサイトのリニューアルの場合、1番難しいのは「依頼者の意図を100%汲み取って、サイトをつくること」です。
- デザインの制作・決定
- 実装にかかる具体的な工数
- 実装可能・不可能な部分の認識共有
など様々な部分で、依頼する側と何度も打ち合わせをし、認識をすり合わせながら進めていきます。
この時にWebに詳しい人が社内にいるだけで、説明のコストが大きく省けますし、意図に沿ったサイトに仕上がりやすくなります。
またマーケティング施策を行う時も同様で、社内の担当者に「どのくらいの結果を出すために、費用はどれくらい必要なのか」などの理解があれば認識共有に時間はかかりません。
Webの世界は結果が見えにくい業界なので、高額な費用をふっかける悪徳業者がいるのも事実です。
Web担当者を置いておくことで、騙されるリスクも低減できて、効果的に施策を進められるので、設置しておいて損はないと言えるでしょう。
Web担当者の具体的な仕事内容一覧
Web担当者の方の中には、具体的にどんなことが仕事内容になるのか、よく理解できていない方も多いですよね。
そこで今回は、Web担当者の具体的な仕事内容を表にして一覧でまとめました。
仕事内容に対して不安を抱えている初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
仕事内容 | 詳細 |
Webサイトの更新 | 文言の変更、画像の変更などを行う |
Webサイトのカスタマイズ | デザインを変更・調整する |
Webサイトリニューアル時の制作進行管理 | サイトをリニューアルする際に、制作会社との窓口になる |
外部委託業者選定 | 外部の業者にWebサイトの依頼を行う際に、業者をどこにするか選定する。 |
外部委託業者との連携(窓口) | 外部委託業者と連絡を取り、状況把握、施策改善などを行う。 |
Webマーケティング予算の策定 | 予算を社内でどのくらい出せるのか、きちんと算出する。 |
Webマーケティング施策の選定 | どの施策が自社にとって有効なのか考え、選定する。 |
SNSの運用・管理 | SNSを利用しての集客 |
各種広告運用(リスティング・SNS・純広告) | 各種媒体での広告運用を行う |
内部SEO対策 | サイト内部のタグ・画像などがGoogleに正しくクロールされるように対策する |
外部SEO対策 | 被リンク獲得、コンテンツマーケティング、オウンドメディア運用等を行う |
メルマガの企画・制作・配信 | メルマガを既存顧客に向けて配信し、リードを育成する |
CRMの管理 | サイトに流入した顧客の管理、育成 |
Web担当者にとって必要な基礎知識・スキル
Web担当者にとって必要な基礎知識・スキルは大きく分けて3つ。
- Webサイトの構造に関する知識
- Webマーケティングに関する知識(SEO・広告運用など)
- Webサイト制作に関する知識(HTML・CSSなど)
ひとつの分野に詳しくなるというより、広く浅く理解しておく方が好ましいので、ぜひ満遍なく基礎知識・スキルを身に着けておきましょう。
Webサイトの構造に関する知識
- ドメイン・サーバーとは何か
- 独自ドメイン・サブドメインの違い
- SSL化暗号通信とは何か
- なぜWebサイトが生まれたのか
前提知識として「Webサイトとは何なのか」について、きちんと理解しておくことが非常に重要です。
Webサイトそのものに関する知識が備わっていないのに、小手先のマーケティング手法や制作知識を入れたところで、本当の意味で結果を出すことはできません。
また社内でWebに詳しい人という認識で見られることになるので、他の人にも説明できるくらいWebサイトについて詳しくある必要があるのです。
きちんとWebサイトを運用していくためにも、まずは構造についてきちんと理解しておくように心がけましょう。
Webマーケティングに関する知識(SEO・広告運用など)
- SEOとは何か
- 検索アルゴリズムの仕組み
- Googleに評価される記事の書き方
- リスティング広告・SNS広告の違い
- 広告を出稿・運用する方法
「Webサイトから売上を上げたい!」と考えているならば、Webマーケティングに関する知識を学習して、サイトへの集客を行っていく必要があります。
Webマーケティングに関する知識は実践していかないと、なかなか身につきにくいもの。
実践していく中で、徐々にどのくらいのコストで何ができるのかを理解できるようになっていきます。
知識として身につけられるWebマーケティングは、わずかでしかないですが、広く浅く概念を理解していくだけでも大きな違いなので、ぜひ実践してみてください。
Webサイト制作に関する知識(HTML・CSSなど)
- HTML / CSSとは何か
- サイトを構成するタグ(div、a、linkなど)
- フロントエンドとバックエンドの違い
- GUIとは何か
- Webデザイン(Photoshop・Adobe XD)
Webサイトを運用していく中では、
- デザインを少し調整したい
- コンテンツのサイズを変更したい
- 画像を差し替えたい
など意外にも、Webサイト制作に関する知識が必要になることが多いです。
また前述したように、Webサイトのリニューアルを業者に依頼する場合、Webサイト制作に関する知識があった方がスムーズに業務を進められるというメリットも。
ただWebサイト制作に関する知識は沼なので、深入りせず、あくまでも概念として理解しておくと良いでしょう。
【初心者向け】Web担当者になったら最低限やっておくべき7つのこと
ここではWebマーケティングのコンサルティングを行っている弊社の視点から、Web担当者になったら最低限やっておくべきことは7つを挙げています。
- 自社の商品・サービスについて詳しく理解する
- 競合サイトを見つけて分析する
- Webサイトの基礎知識をインプットする
- Webサイトをグロースさせる戦略を立案する
- 戦略を元に社内で実践する
- 社内での運用体制を調査・整備する
- 社外のリソースを使って効果を最大化する
最低限これだけやっておけば、Web担当者としては問題なく仕事が出来るようになるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。
①自社の商品・サービスについて詳しく理解する
Web担当者になったばかりだと「とにかくWebに詳しくなろう!」と考えて、いきなりWebの勉強し始めてしまいがち。
意気込みは素晴らしいのですが、Web担当者に求められている本質的な命題は「Webサイトからの売上・PVを増加させること」ですよね。
Webサイトを伸ばすために、最初に行って欲しいのが「自社の商品・サービスについて詳しく理解すること」です。
小手先の技術を勉強することよりも、自社について理解し、きちんと戦略を立ててからサイトを運用していくことが何よりも重要。
サイトをきちんとグロースさせるためにも「自社の商品・サービスの強みは何か」を考えてみてくださいね。
②競合サイトを見つけて分析する
自社の強みが明確に洗い出せたら、今度は上手くいっている競合他社のサイトを発掘して分析を行いましょう。
競合サイトの分析を行うことによって、自社と強みが似ている企業や、全く異なるアプローチでサイトを成長させている企業の存在に気がつくはずです。
また分析を行うことで、自社がどこの会社を参考にすれば良いのかについても、理解できるようになるので非常におすすめ。
競合サイトを徹底的に洗い出して、自社がどこでどう戦うのかきちんと考えてみるように心がけましょう。
③Webサイトの基礎知識をインプットする
大枠、自社がどのような存在なのかを理解できたら、今度は先述したようなWebサイトの基礎知識をインプットしていきます。
知識のインプットを行うことで、よりWeb担当者として提案できる事の幅が広がり、社内でも貴重な存在になれるはず。
しかしWebの世界は非常に奥が深いので、すべてを学ぼうとするとキリがありません。
Web担当者として求められるモノは企業によって様々ですが、最低限の基礎知識がインプットできていれば十分なので、あくまでも広く浅くを意識しておきましょう。
④Webサイトをグロースさせる戦略を立案する
自社の向かうべき方向性、Webサイトの基礎知識が理解できたら、グロースさせる戦略を立案するフェーズに入りましょう。
Web担当者として戦略を立てる際に、考えるべきことは次の2つです。
- Webサイトの構造・デザインなどは問題ないか(ユーザービリティの向上)
- どの施策を打っていくのが1番良いのか(SEO・広告運用・広告出稿…etc)
例えば、漠然と「Webサイトから月に10件くらいお問い合わせが来るようになって欲しい」と考えていたとしましょう。
まずWebサイト自体が最適化されていないと、ユーザーが集まってきても、サイト内で離脱してしまったりと、良い結果が生まれません。
もしWebサイトのデザインに問題があるなら、まずは「Webサイトのリニューアル」が1番行うべき課題になるはずです。
サイトに問題がないのであれば、次はどんなマーケティング施策を打っていくのかを考えます。
主にWebマーケティングの場合は、SEOかリスティング広告になることが多いですが、他にも
- ASPと連携してアフィリエイト出稿を行う
- メディアに直接依頼して広告を出してもらう
- SNSアカウントを作ってリーチする
などの手法が考えられます。
どの施策を選定するかは、サイトの成長を決める上で非常に重要な要素のひとつなので、必ず慎重に考えるようにしましょう。
⑤戦略を元に社内で実践する
戦略がまとまって、社内での認識を一致させられたら、今度は戦略を元に社内で実践してみましょう。
基本的には、社内で施策を実行していけるリソースがあるのなら、一旦社内で施策を行ってみることをおすすめします。
最初から業者に依頼するのもアリですが、予算が潤沢ではない場合、中途半端な結果に終わってしまうことも多いです。
実際にやってみることで、社内にナレッジが貯まっていきますし、どのくらい施策を実践することが難しいのか理解できるはず。
また上手くいかなくても、社内にナレッジが貯まった状態で依頼すれば、「何を解決して欲しいのか」がより明確な状態でプロに依頼できます。
なるべく丸投げせずに「自社で行う」という当事者意識を持って、サイトを運用していくように心がけましょう。
⑥社内での運用体制を整備する
社内での運用が回ってきたら、きちんと運用体制の整備を行うのもWeb担当者の重要な仕事です。
運用体制がきちんと整っていないと、無駄なタスクが増えたり、タスクを誰が行うのかが曖昧になって、管理できなくなってしまいます。
人数が多ければ多いほど、社内での運用が煩雑になりやすいので、きちんと体制の整備を行うように心がけましょう。
⑦社外のリソースを使って効果を最大化する
数ヶ月ほど社内で運用していくと、
- サイトの伸びが停滞している
- CVRが他社に比べて低い
- ユーザーの離脱率が高い
など課題が明確になっていくはずです。
社内で解決できそうな課題なら問題ないですが、専門的な知識が必要になることも多いでしょう。
方向性が間違ったまま進んでいってしまうと、時間とお金のリソースをただ浪費してしまうなど無駄が生まれてしまいがち。
自社では解決できないと判断したなら、社外のプロに依頼して、サイトの効果を最大化していこともひとつの方法です。
弊社では、主にオウンドメディアを運用して、自然検索からの流入を図るSEO対策を行っています。
Webに詳しくない企業でも、結果を出してきた実績・経験があるので、SEO対策を検討されている企業の担当者は、ぜひ一度ご気軽にお声掛けください。
まとめ|Web担当者として積極的にサイトを運用していこう!
Webサイトからの流入を増加させて売上を立てるためには、Web担当者の役割は非常に重要なものになります。
「社内でのリソースがないから」という理由で、外部の業者にWebサイトのリニューアル、Webマーケティングなどを丸投げしてしまう企業は少なくありません。
しかし施策をすべて丸投げしても、社内で担当者がいないと、ただ予算を消化しているだけで、全く結果が出なかった、、、という最悪な結果になることも。
社内でWebサイトに関する知識を持っている人の存在は、非常に重要なのです。
Web担当者の業務内容は多岐に渡りますが、積極的に施策を打って、サイトを最大限に活用できるようにしましょう。