自社商品の偽造品が出回ってしまうと、売上利益の減少やブランドイメージの低下につながるため、早急な対策が必要です。Amazonでは、偽造品対策としてAmazon Transparencyというプログラムを提供しています。本記事では、Amazon Transparencyのメリットやデメリット、登録方法を解説します。
マーケノートがおすすめする「しるし株式会社」では、ブランドのポテンシャルを最大限に引き出す運用代行・コンサルティング会社です。
転売対策や広告運用など各分野の精通したスペシャリストが在籍し、少数精鋭のプロが結集したチーム体制で、売上・利益アップやブランド価値の向上を実現します。
フル運用代行はもちろん、広告運用や転売対策など課題に対するピンポイントなご依頼も可能です。
ご依頼のご相談はもちろん、サービス内容や事例、費用など、気になることがございましたら、気軽にお問い合わせください。
Amazon Transparencyとは
Amazon Transparencyとは、偽造品から購入者を保護するサービスです。
Amazon内では、正規品と見分けがつかないほど、精巧にコピーされて作られた偽造品が販売される場合があり、購入者が誤って購入する被害が発生しています。
Amazon Transparencyを利用すると、正規品を購入者に届けられるだけではなく、購入者自身で商品の真贋を確認できるため、両者ともにメリットがあります。
偽造品が販売されると、商品のクオリティによってはブランド価値の低下や、正しい商品を提供できず顧客を失うため、Amazon Transparencyを含めた偽造品対策が必要です。
Amazon Transparencyの3つのメリット
Amazon Transparencyのメリットは、以下の3つです。
- 固有コードによって正規品のみを発送できる
- 購入者が正規品かどうかを確認できる
- 購入者に安心感を与えられる
企業のブランドイメージを守るためにも、ぜひ利用を検討してみてください。
固有コードによって正規品のみ発送できる
Amazon Transparencyでは、各商品に対して固有のコードが発行されます。出荷方法がAmazonからの場合だけではなく、出品者からの場合でも、適用コードを確認し、正規品のみが届けられる仕組みです。
transparencyコードは正規品の証明になるため、万が一偽造品が出品された際にも、出荷段階で購入者に届くことを防げるのが特徴です。偽造品の市場への流入を未然に防ぐことで、ブランドオーナーと購入者は偽造品による被害を最小限に抑えられます。
購入者が正規品かどうかを確認できる
購入者は、アプリ上で商品コードを読み取り、正規品かどうかの確認が可能です。
緑のチェックマークは正規品の証明になり、赤のXマークは偽造品を意味します。正規品であることを確かめられるため、購入者は安心して買い物ができます。
購入者に安心感を与えられる
コードの読み込みによって、製造日や製造場所、詳細な商品情報を含むユニットレベルの商品情報を購入者に伝えられます。Amazon Transparencyは、購入者に商品の詳細を伝えて安心感を与えられます。
Amazon Transparencyの2つのデメリット
Amazon Transparencyのデメリットは、以下の2つです。
- バーコード費用がかかる
- 製品の梱包と物流プロセスの追加が必要になる
デメリットも理解したうえで、利用を検討しましょう。
バーコード費用がかかる
登録手数料や月額費用は発生しませんが、バーコードの費用が必要です。バーコードの価格は、約0.01~0.05ドルです。商品の数量によって価格が決定されます。
製品の梱包と物流プロセスの追加が必要になる
Amazon Transparencyは、商品の検索に必要なバーコードをすべての商品に貼りつける必要があるため、包装を完全に自動化することが難しくなります。
通常の商品と比べて、作業の工数が増え、負担が大きくなるため、効率的な物流プロセスの仕組みが必要です。
Amazon Transparencyの費用
Amazon Transparencyのバーコードは、商品数量によって価格が異なり、1枚あたり0.01~0.05米ドルです。商品を1,000個販売する際には、50米ドルの費用がかかります。
もし、偽造品が出回ってしまった場合には、以下のデメリットや損害が発生します。
- 偽造品による販売機会の損失
- 売上利益の減少
- 顧客満足度やブランドイメージの低下
- カスタマーサポートの負担増加
- 法的措置の必要性
偽造品による損害を考えると、Amazon Transparencyを利用するコストの方が安く済むと考えられるため、ぜひ利用を検討してみてください。
Amazon Transparencyを利用するために必要な3つの条件
Amazon Transparencyの利用には、3つの条件を満たす必要があります。
- Amazonブランド登録を行う
- 商品に製品コード(GTIN)を表示する
- 各商品に固有のシリアル番号を適用する
一つひとつの準備を着実に行いましょう。
Amazonブランド登録を行う
Amazon Transparencyを利用する際は、まずAmazonブランド登録を行いましょう。
Amazonブランド登録は、4つのステップで可能です。
- 特許庁の特許情報プラットフォームJ-PlatPatで、商標登録番号を確認する
- ブランド名が判別できる実際の商品画像を用意する
- ブランドレジストリアカウントを作成する
- ブランドレジストリから登録を行う
申請後に送付される確認コードをAmazonに送信すると、ブランド登録の可否について審査が開始されます。
商品に製品コード(GTIN)を表示する
製品コード(GTIN)とは、日本ではバーコードと13ケタの番号で構成された商品を識別するためのJANコードが該当します。
JANコードの取得には、一般財団法人流通システム開発センターへの事業者登録が必要なため、あらかじめ登録しJANコードを作成しておきましょう。
各商品に固有のシリアル番号を適用する
発行されたtransparencyコードは、各商品に付与する必要があります。Amazonから発送される商品や販売場所に関係なく、出品者が製造したすべての商品に適用しなければならない点に注意してください。
Amazon Transparencyの登録方法
Amazon Transparencyの利用条件が揃ったら、以下の流れで登録を行いましょう。
- Transparencyに関するお問い合わせ のフォームにブランド情報を入力する
- 担当部署からの連絡後、サポートを受けながらTransparencyを設定する
- 出品者は、商品にtransparencyコードを貼りつけるか、商品パッケージに印字する
- FBA納品する場合は、商品を発送する
登録後は、商品の選定やtransparencyコード発行、貼りつけを行います。設定時には、サポートも受けられるため、悩まずに相談しましょう。
Amazon Transparencyの3つの注意点
Amazon Transparencyを利用する際は、以下の3点に注意してください。
- 登録商品にラベルを貼りつける手間がかかる
- スキャンエラーが発生した場合に偽造品と疑われるリスクがある
- Amazonサイト以外の商品にもコードを貼りつける必要がある
偽造品と疑われてしまい、対応するために時間や作業が増えてしまうリスクもあるため、慎重に行いましょう。
登録商品にラベルを貼り付ける手間がかかる
Amazon Transparencyに登録した商品には、transparencyコードを貼りつけなくてはいけません。手作業での手間がかかるので、体制を整える必要があります。
対象商品との出荷数が一致している必要があるため、確認しながら作業を行いましょう。
スキャンエラーが発生した場合に偽造品と疑われるリスクがある
Amazon側でコードを確認する際に、エラーになった商品は、偽造品の疑いにより調査が行われます。
たとえ人的ミスでコードを間違えて商品に貼りつけてしまったとしても、返品する手間が発生します。間違いに注意しながら、コードをしっかり貼りつけましょう。
Amazonサイト以外の商品にもコードを貼り付ける必要がある
Amazon Transparencyに登録した商品は、楽天市場やYahoo!ショッピング、自社サイトなどAmazon以外のECサイトで出品する際も、transparencyコードの貼りつけが必要です。
Amazonで販売する商品にのみ貼りつければよいわけではないので、ほかのECモールや自社ECサイトでも販売している方は注意しましょう。
Amazon Transparencyと異なる偽造品対策サービス「Project Zero」
Amazonでは、Amazon Transparencyと同じく、偽造品を対策できるProject Zeroが用意されています。
Project Zeroは、Amazon Transparencyよりも積極的に偽造品対策を行うサービスです。
2023年には悪質な業者による出品用アカウントを70万以上阻止し、2万5000以上のブランドが参加するほど高い信頼性を得ています。
Project Zeroの特徴
Project Zeroは、3つの機能で偽造品を対策します。
- 自動プロテクション機能
- セルフサービスの偽造品削除ツール
- 商品のシリアル化
自動プロテクション機能
自動プロテクションは、機械学習により継続的にサイトをモニタリングし、偽造品の疑いのある商品を削除する機能です。ブランドオーナーから提出された商標やロゴなどのデータから1日あたり80億件を超える出品情報を確認し、偽造品の販売を未然に防ぎます。
セルフサービスの偽造品削除ツール
ブランドオーナーは偽造品の疑いがある商品を削除できる権限が持てるため、Amazonに連絡する必要がなく、迅速に問題解決が図れます。
商品のシリアル化
登録商品の製造時に各ユニットに固有コードを発行し、商品の真偽を精査し、偽造を検出することで販売を未然に阻止します。商品のシリアル化と自動プロテクション機能の組み合わせで、偽造品を効率的に取り締まれます。
Project Zeroの利用条件
Project Zeroは、以前は招待制でしたが、現在では以下の条件を満たすことで利用できます。
- 登録商標が登録されており、権利所有者の役割を持っているBrand Registryアカウントがあること
- 過去6か月間にガイドラインおよび規約違反の報告ツールを通して、提出された権利侵害の可能性についての報告が90%以上の承認率であること
Project Zeroの詳細は以下のページで解説されているので、ぜひ参考にしてみてください。
Amazon Transparencyを活用して偽造品対策を実施しよう
Amazon Transparencyを利用することで、確実に購入者に正規品を届けられます。
Amazonブランド登録や製品コードの取得を行い、transuparencyコードを登録商品に適用することで、偽造品対策が可能です。
また、Project Zeroに参加することで、自動プロテクション機能や偽造品削除ツールが利用できるため、迅速に偽造品を撲滅できます。偽装品に悩まれている方は、ぜひAmazon TransparencyやProject Zeroの利用を検討してみてください。
マーケノートがおすすめする「しるし株式会社」では、ブランドのポテンシャルを最大限に引き出す運用代行・コンサルティング会社です。
転売対策や広告運用など各分野の精通したスペシャリストが在籍し、少数精鋭のプロが結集したチーム体制で、売上・利益アップやブランド価値の向上を実現します。
フル運用代行はもちろん、広告運用や転売対策など課題に対するピンポイントなご依頼も可能です。
ご依頼のご相談はもちろん、サービス内容や事例、費用など、気になることがございましたら、気軽にお問い合わせください。