平山 大樹 AB通信 運営責任者
AB通信 編集部が、企業・行政の公式発表や決算資料などの一次情報を確認して書いています。運営会社・編集方針
楽天市場の運用代行を頼む前に、出店料の中に含まれる楽天の支援(専任のECコンサルタントなど)でまかなえる範囲を確かめ、足りない作業だけを外部に任せると、費用をおさえやすくなります。
- 楽天市場の全出店店舗には専任のECコンサルタントが1名つき、その伴走支援の費用は出店費用に含まれています。
- ページ制作や撮影などを外部に頼むなら、楽天が制作会社や制作支援ツールを紹介する「RMSサービススクエア」を使えます。
- 運用代行の料金体系や相場は会社ごとに違い、公的な基準はありません。契約前に作業範囲と費用を書面で確認しましょう。
この記事は2026年11月1日時点の情報で更新しました。
楽天市場の運用代行とは
運用代行は、楽天市場の店舗運営で発生する作業(商品登録、ページ制作、広告運用、受注・問い合わせ対応など)の一部や全部を外部の会社に任せるサービスです。コンサルティングは助言が中心、運用代行は作業そのものを引き受けるのが一般的な違いですが、どちらも提供内容は会社ごとに異なります。この記事では特定の会社を紹介せず、楽天の公式情報をもとに、依頼前に確認したいことを整理します。
まず確認したい楽天の公式サポート
楽天の「ECコンサルタントとは?」によると、楽天市場の全出店店舗に専任のECコンサルタントが1名担当としてつき、伴走支援は出店費用に含まれています。
| 楽天のサポート | 主な内容 |
|---|---|
| ECコンサルタント | 売上戦略、商品ページ改善、広告活用、楽天イベント活用などを、目標月商や企業規模に合わせて支援。ページ考案・商品選定・集客・分析・プランニングといった「フロントエンド業務」が中心 |
| 店舗運営Navi・RUx | マニュアルページや動画講座で、分析と改善のサイクルを店舗が自分で回せるよう支援 |
| RMSサービススクエア | 撮影・制作会社や制作支援ツールを楽天が紹介・提供。楽天の認定や店舗の評価を確認でき、取引の完了まで楽天がサポート |
ECコンサルタントは店舗の作業を代わりに行うサービスではなく、店舗が継続的に運営・改善できる体制づくりを支援する位置づけです。作業の手が足りない場合に、外部への委託を検討することになります。

外部に任せやすい作業
| 作業 | 任せる前に決めておくこと |
|---|---|
| 商品登録・ページ制作 | 商品名・画像が楽天のガイドラインに沿うか、誰が最終確認するか |
| 広告運用(RPPなど) | 月の上限予算、クリック単価、除外する商品、報告の頻度 |
| 受注・発送 | 発送までの日数、在庫の持ち方。物流は楽天スーパーロジスティクス(RSL)に任せる方法もある |
| 問い合わせ対応 | 返信の期限、回答の権限、クレーム時の連絡ルート |
商品画像は、検索結果に表示される第1商品画像に「テキスト20%以下、枠線なし、白か写真背景」などのルールがあります(楽天の商品サムネイル画像のルール)。外部に任せても、ガイドライン違反の責任は出店者が負うことに注意しましょう。
料金体系の見方
運用代行の料金は、毎月決まった金額を払う形、売上に応じて払う形、その組み合わせなどがあります。どの形が安いかは売上規模や作業量で変わり、公的な相場はありません。比較するときは、楽天に払う費用(月額出店料、システム利用料、広告費など)とは別にかかることを前提に、次の点を確かめましょう。
- 月額費用に含まれる作業と、別料金になる作業
- 売上連動の場合、計算の元になる売上(税込か税別か、広告経由だけか)
- 最低契約期間と、途中解約の条件
- 作ったページや画像の権利、契約終了後の扱い
- RMSのIDを誰に何人分発行するか
楽天市場の月額出店料は、2027年2月1日から改定されます(例:スタンダードプラン月65,000円→90,000円、税別)。楽天に払う費用も含めた総額で考えましょう(楽天市場の新たな取り組みと基本出店料改定について)。
| 料金の形 | よい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 毎月決まった金額(固定型) | 毎月の費用が読みやすく、予算を立てやすい | 売上が伸びなくても同じ費用がかかる。月額に含まれる作業の範囲を確かめる |
| 売上に応じて払う(成果報酬型) | 売上が少ない時期は費用をおさえやすく、代行会社にも売上を伸ばす動機がある | 売上が伸びるほど費用も増える。計算の元になる売上の定義を確かめる |
| 固定+成果報酬(組み合わせ) | 最低限の作業を確保しつつ、成果にも連動させられる | 合計がいくらになるか、売上の見込みごとに試算しておく |
依頼先を選ぶときの確認点
- 自社と近いジャンル・価格帯の商品で、楽天市場の運用をした経験があるか
- 任せる範囲が、助言だけか、ページ制作や広告の設定など実際の作業までか
- 報告の頻度(週次・月次など)と、連絡の手段・返事の早さ
- 提案に、R-Karteなどの数字にもとづく理由が示されているか
楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどのイベントに合わせた準備は、ページや広告の作業に時間がかかります。イベント前に依頼したい場合は、早めに相談しておきましょう。
依頼から改善までの流れ(例)
- 目標を決める(月商、利益、新規とリピートの割合など)
- 現状を分析する(アクセス人数・転換率・客単価、売れている商品、広告の成果)
- 課題を絞る(アクセスが足りないのか、買われないのか、客単価が低いのか)
- 施策を決める(商品ページの改善、広告、クーポン、メールマガジンなど)
- 実行し、報告をもとに次の月の施策を見直す
運用代行を使っても、売上が伸びることが約束されるわけではありません。契約前に「何か月後に、どの数字で効果を見直すか」を決めておくと、続けるかどうかを判断しやすくなります。
任せるときの注意点
RMSのアカウント管理
楽天の「出店の注意事項」によると、RMSへのログインには店舗運営責任者による設定が必要で、1アカウントにつき個別のメールアドレスが必要です。外部の担当者にも個別のアカウントを発行し、契約終了時に止められるようにしておきましょう。
規約違反の責任
外部リンクの記載、楽天市場外での取引への誘導、店舗関係者による自店レビューの投稿などは、楽天が禁止している行為です。代行会社が行った作業でも、違反点数制度の対象になるのは店舗です。違反点数の仕組みは楽天のペナルティ(違反点数制度)の記事で解説しています。
ノウハウを社内に残す
すべてを任せると、社内に運営の知識が残りにくくなります。月次の報告で、アクセス人数・転換率・客単価などの数字と、行った施策を共有してもらいましょう。
まとめ
楽天市場の運用代行を検討するときは、まず出店料に含まれるECコンサルタントの支援や、楽天が紹介するRMSサービススクエアでまかなえる範囲を確かめましょう。そのうえで、足りない作業だけを外部に任せ、作業範囲・費用・契約条件・アカウント管理を契約前に決めておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
参考資料
- 楽天市場「ECコンサルタントとは?」(2026年11月1日確認)
- 楽天市場「RMSサービススクエア」(2026年11月1日確認)
- 楽天市場「R-Karteで売上データを分析する」(2026年11月1日確認)
- 楽天市場「出店審査や規約、取扱商材の注意事項」(2026年11月1日確認)
- 楽天市場「楽天市場の新たな取り組みと基本出店料改定について」(2026年11月1日確認)


