インバウンドマーケティングとは?SEOでの成功事例など分かりやすく解説

インバウンドマーケティングとは、自社から営業して顧客を獲得するのではなく、ターゲットとする顧客が自ら情報収集を行う中で、興味・関心を持ってもらう手法のこと。

飛び込み・テレアポなどの従来型の営業スタイルよりも、効率的に顧客を集めることができるとして2000年以降から注目されています。

ただ「自社でもインバウンドから集客したい!」とは思っていても、具体的に何をやったらいいか分からない方が大半ですよね。

結論から言えば、企業がインバウンドマーケティングを始めるのであれば、まずSEO対策から始めてみることをおすすめします。

この記事では、インバウンドマーケティングとは何か、メリットや具体的な施策例、なぜSEO対策がおすすめなのかについて具体的に解説します。

読み終えれば、あなたもインバウンドマーケティング施策の打ち出し方が分かるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

インバウンドマーケティングは「顧客自ら興味・関心を持ってもらうマーケティング施策」のこと

インバウンドは「Inbound」(内に入ってくる)という意味で、文字通り、顧客から自社に興味・関心を持ってもらうマーケティング手法のことを指します。

元々は2009年に米国で「Inbound Marketing: Get Found Using Google, Social Media, and Blogs」が発売されたことで、一般的に認知されるようになりました。

インターネットが発達する以前まで、顧客が情報収集する手段は限られていたため、営業マンが足を運んで情報提供→商談→成約というスタイルは有効的なものでした。

しかしパソコンだけでなくスマートフォンも開発された現在、顧客は自ら情報を獲得できるようになったため、以前までの営業スタイルだけでは不十分になったのです。

また米国の起業家・著作家であるセス・ゴーディン氏は著書「Permission Marketing: Turning Strangers Into Friends And Friends Into Customers」の中で、

  • 新聞・TVなどのマスメディアへの広告出稿
  • 飛び込み・テレアポなどの営業

などの顧客の時間を奪い取るマーケティングのことを「Interruption Marketing」(邪魔するマーケティング)であるとして批判。

今後はもっと顧客に寄り添って、情報提供を行い、興味を持ってもらった顧客に対してアプローチをかけるのが重要であると言えるのです。

コロナ禍でインバウンドマーケティングは加速していく

現在、世界中で蔓延している新型コロナウイルスによる蔓延防止対策の影響で、企業はオフラインでの営業からの顧客獲得が難しくなっています。

特にこれまでオフラインでの顧客獲得(営業・イベント開催など)に頼ってきた企業は、大きく打撃を受けており、インバウンドマーケティングはますます重要視されているのです。

今後ますます各社、インバウンドでのマーケティング施策に注力していくことが予想され、以前とは別チャネルからの顧客獲得が求められています。

アウトバウンドマーケティングとの違い

アウトバウンドマーケティングとは、

  • 飛び込み・テレアポなどの営業
  • ダイレクトメール(DM)

など企業から顧客へと「Outbound」(外向きの)アプローチを行うマーケティング手法のことを指しています。

実際にこの記事を読んでいるあなたも、家にセールスが来たり、会社にいる時に営業電話がかかってきたりした経験があるのではないでしょうか。

営業をかけられた時、多くの人は「怖い」「騙されているのでは・・」などと不安に感じてしまいがちですよね。

アウトバウンドマーケティングは、思いがけない顧客に対してアプローチできたり、費用をかけずに集客できるというメリットはあります。

しかし顧客が自ら情報を収集できるようになった現在、押し売りされなくても、顧客は自ら商品を認知・選択できるので、あまり効果的であるとは言えません。

米国で調査・マーケティング事業を行っているGartner(旧名:CEB)によれば、BtoBビジネスの場合、

  • 営業担当者と接触する前に顧客側では意思決定プロセスの57%を終えている

とも言われており、インバウンドマーケティングの重要性はますます増しているということが分かるでしょう。

コンテンツマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングと同様に、よく耳にするのがコンテンツマーケティングという単語でしょう。

なんとなく両者とも聞いたことはあれど、違いがあまり理解できていない方も多いですよね。

厳密に言えば、コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングの中に含まれるもので、より狭義的な意味になります。

  • インバウンドマーケティング…顧客自ら興味・関心を持ってもらう仕組みをつくるマーケティング手法
  • コンテンツマーケティング…顧客に価値あるコンテンツを提供して集客するマーケティング手法

あくまでもコンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングの手法の1種であり、同義語ではりません。

記事執筆をして自然検索からの流入を狙ったり、SNSで情報発信を行って認知度を高めたり、あくまでも「コンテンツ発信による集客」のことです。

インバウンドマーケティングは、その他の集客手法も包含するということを覚えておきましょう。

インバウンドマーケティングの具体的な施策例

いざインバウンドマーケティングを行おうと思っても、具体的に何をやったらいいのかイメージ出来ていない方も多いですよね。

ここでは具体的なインバウンドマーケティングを行う上での施策例を表にしてまとめています。

実際にインバウンドマーケティングを行う際の参考にしてみてください。

SEO対策Webサイト・オウンドメディアを構築して、内部対策、外部対策を行い、自然検索からの流入を図る。
SNS運用SNSアカウントを運用し、顧客とコミュニケーションを取ることで、認知度をアップさせる。
メルマガ配信既存顧客・見込み顧客に対して、Eメール・LINE@などで優良情報を提供し、関心を惹く。
動画コンテンツ配信動画コンテンツを作成、YouTube、Tiktok、Vimeoなどで配信することで、興味・関心を得る。
プレスリリース配信PR(プレスリリース)を作成・配信することで、認知度を向上させる。
ホワイトペーパー作成無料ダウンロード可能な資料を作成し、Webサイトへリンクすることで、顧客情報を獲得する。

インバウンドマーケティングを行う際に意識すべき4つのプロセス

インバウンドマーケティングを行う際には、大きく4つのプロセスに分かれています。

  1. 興味を惹く
  2. リード化する
  3. 顧客化する
  4. ファンを増やす

ひとつずつプロセスを踏んでいくことで、適切なインバウンドマーケティングができるようになるので、ぜひ意識して実践してみるようにしましょう。

STEP
興味を惹く

まず「興味を惹く」段階では、自社の潜在顧客に対して自社のことを知ってもらう施策を実践していきます。

ペルソナの興味・関心・課題などを掘り下げ、どんな情報を発信していけばいいのか考える作業が必要です。

具体的な施策としては、ターゲットユーザーに見つけてもらい、興味を示してもらうように、Webサイトで記事コンテンツを制作したり、SNSでの発信を行います。

この段階では、沢山のユーザーに認知してもらうことが目的なので、積極的に発信していきましょう。

STEP
リード(見込み顧客)へ育成する

実際に認知してもらって、興味・関心を惹くことができたら、有望な見込み顧客に育成していきましょう。

自社サイトに訪問してもらったユーザーに対して、よりリッチなコンテンツを提供することで、見込み顧客に変換させることができます。

例えば、自社のWebサイトの記事を見て、興味を持った顧客に対して、

  • ホワイトペーパー(無料資料請求)
  • 会員限定クーポン

などを提供することによって、顧客の氏名・会社名・電話番号などの情報を得ることができます。

ただの訪問者をリードに変えられるよう、お得なオファーを設置しておきましょう。

STEP
顧客へ育成する

見込み顧客になったら、インサイドセールスから更に情報提供を行うことで、さらに成約への確度感を高めます。

行動や情報などを元に、チャット・メール・電話などでコミュニケーションを取っていくことで、顧客の購買意欲を高めていきます。

有望な見込み顧客は、営業へ渡すことによって、さらに契約への確度感が高い顧客へ変わるので、継続的な情報提供を怠らないように心がけましょう。

STEP
ファンを増やす

既存顧客の満足度を高めることで、SNS・オフラインなどでの口コミでさらなる顧客獲得を図っていくのも重要です。

特に継続課金型のサービスでは、この顧客満足度が売上に大きく影響するので、必ず既存顧客への手厚いフォローは行っていく必要があります。

イベントを開催してみたり、SNSなどでユーザー参加型のキャンペーンを実施したりすると、ますます顧客との関係値を深められるので、ぜひ考案してみてください。

インバウンドマーケティングとしてSEO対策が重要な3つの理由

先述したように、インバウンドマーケティング施策として、最初に行うならSEO対策がおすすめです。

数ある施策の中で、なぜSEO対策をおすすめするのか、理由を3つほど挙げてみました。

  1. コンテンツが資産として蓄積される
  2. 検索からの安定した流入が狙える
  3. 顧客のデータを活用できる

どの施策を行おうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツが資産として蓄積される

企業がSEO対策を行う場合、主にオウンドメディアを構築・運用を行って、自然検索からの流入を狙っていくのが一般的です。

メディアに記事をひたすら投稿していくので、地道な作業ではありますが、長期的に継続して行えば、成果が出やすいというのが大きなポイント。

またサイト内に貯まったコンテンツは、その後もサイトに流入をもたらし続けるので、勝手にユーザーを集めてくれる資産でもあるのです。

広告を出稿したり、SNSを運用したりしても、コンテンツは資産として貯まっていきません。

長年蓄積された資産が、大きな流入をもたらすこともあるので、ぜひ積極的に資産を蓄積してみてください。

検索からの安定した流入が狙える

検索結果はGoogleのアルゴリズムによって判断されており、上位に表示されるには良いコンテンツであると評価されなければなりません。

しかし一度、検索結果で上位表示されてしまえば、よほど大きなアップデートがない限り、半年から2年ほどは順位が大きく落ちることはありません。

つまり検索から安定した流入が見込めるので、常にサイトに見込み顧客(リード)が訪問し続ける状態を作れます。

安定感のある流入経路を作る上でも、SEO対策は非常に効果的なのも、大きなメリットだと言えるでしょう。

顧客のデータを活用できる

Googleアナリティクスを利用すれば、Webサイトに訪問したユーザーの性別・属性などを具体的に知ることができます。

また先述したように、お問合せフォームなどを設置することによって、より正確に顧客のデータを入手することも。

顧客のデータを参考にすれば、具体的にどんなユーザーに、どんな情報を提供すれば良いのか把握することが可能です。

よりマーケティングを最適化するためにデータは必要不可欠なので、データを集められるという意味でもSEO対策は非常におすすめです。

インバウンドマーケティング(SEO対策)の成功事例

SEO対策でのインバウンドマーケティングにおける成功事例3つをまとめました。

  1. 経営ハッカー(freee)
  2. Berlitz
  3. サイボウズ式

どのサイトも非常に大きな成果を出せているサイトなので、ぜひ施策を検討する際の参考にしてみてください。

経営ハッカー(freee)

クラウド会計ソフト「freee」を運営している、株式会社freeeではオウンドメディア「経営ハッカー」の運用で成果を挙げています。

会計に必要な経理・事務などの知識に加えて、個人事業主向けのお役立ち情報なども具体的に解説。

現在は月間数百万PVもの流入があり、freeeの認知拡大・リード獲得に大きく貢献しています。

Berlitz

東京都内を中心にビジネスマン向け英会話教室を展開する「ベルリッツ」では、2014年にオウンドメディアの運営を開始。

コンテンツマーケティング情報サイト「バズ部」を運営する、株式会社ルーシー監修のもと、運用を進めた結果、立ち上げから2年で月間65万PVを獲得しました。

広告費をほとんどかけずに、SEOのみで毎月200件ほどの問い合わせがあるとのことで、かなり大きな成功事例であると言えるでしょう。

サイボウズ式

働き方改革などで知られるサイボウズ株式会社でも、オウンドメディア「サイボウズ式」を運営しています。

顧客に与えられる価値にフォーカスした、質の高いコンテンツを制作することで、新たなサイボウズファンの育成に成功。

単純なSEO記事だけでなく、インタビュー記事・動画コンテンツなども提供していることも、大きく顧客価値を高めている要因だと言えるでしょう。

まとめ|インバウンドマーケティングを実践して見込み顧客に見つけてもらおう!

インバウンドマーケティングを実践することによって、見込み顧客に向こうから興味を持ってもらうことが出来るようになります。

これまでアウトバウンドでの営業しか行っていなかった企業は、いきなりインバウンドマーケティングの施策を実施するのは難しいかもしれません。

しかし飛び込み・テレアポなどの営業を行い続けるのは、将来的に考えると、かなり大変なもの。

インバウンドマーケティングを行うことで、きちんと見込み顧客に見つけてもらう仕組みをつくることを心がけましょう。

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