平山 大樹 AB通信 運営責任者
AB通信 編集部が、企業・行政の公式発表や決算資料などの一次情報を確認して書いています。運営会社・編集方針
Amazonでは、同じ商品は1つの商品詳細ページにまとめて出品するルールなので、正規品を仕入れた別の出品者が同じページに出品すること(相乗り)自体は禁止されていません。止められるのは、偽造品や商標権の侵害、ページ規則への違反などがある場合です。ブランドを守るには、Amazonブランド登録と違反の報告、卸先の管理を組み合わせます。
- 商品詳細ページの規則では、すでにページがある商品について重複するページを作らないよう定めています。
- 他の出品者がポリシーや法律に違反していれば、セラーセントラルの「不正または違反を報告」から報告できます。
- Amazonブランド登録では、権利侵害の報告や、偽造品対策のTransparency、Project Zeroなどを使えます。
この記事は2026年11月1日時点の情報で更新しました。
相乗り出品とは
出品者ヘルプ「商品詳細ページの規則」では、各商品詳細ページには商品1点のみを掲載し、すでにページがある商品については重複するページを作らないよう定めています。そのため、同じ商品を売る出品者は同じページに並び、購入者はその中から出品者を選びます。これが一般に「相乗り」と呼ばれる状態です。

相乗りはルール違反ではない
正規品を仕入れて同じページに出品すること自体は、Amazonのルールで認められた出品方法です。ブランドの持ち主でも、正規品を扱う出品者をページから外させることはできません。問題になるのは、次のような場合です。
- 偽造品や、商標を無断で使った商品を出品している
- 実際の商品がページの内容と違う(付属品の欠け、別の商品など)
- 中古品を新品として出品するなど、コンディションの表示が正しくない
- 別のブランド名の商品を、既存のASINに出品している
商品詳細ページの規則では、既存のASINと異なる商標で出品する場合は、既存のASINを変更せず新しいASINを作るよう定めています。コンディションの表示は「コンディションガイドライン」に従う必要があります。
相乗りを放置したときのリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 価格競争 | 同じページで価格を下げる出品者が出ると、おすすめ出品(カート)を取りにくくなる |
| ブランドの信用 | 偽造品や状態の悪い商品が届くと、低評価のレビューがページ全体に付く |
| 広告費 | 自社の広告で集めたお客様が、別の出品者から購入することがある |
違反している相乗り出品者への対処
- 自社で注文して、届いた商品が正規品か、ページの内容と合っているかを確かめます。
- 違反の証拠(注文番号、写真、ページのASINなど)を残します。
- ポリシー違反は、セラーセントラルの「不正または違反を報告」から報告します。商標権などの侵害は、Amazonブランド登録の権利侵害の報告を使います。
- 卸先や取引先から流れた商品の場合は、取引契約に沿って取引先と話し合います。
出品者ヘルプ「ガイドラインおよび規約違反の報告」では、報告するときに次の情報を書くよう案内しています。
- 報告対象の出品者のストア名または会社名
- 商品詳細ページのASINまたはISBNと商品名
- 違反が発生したマーケットプレイス
- ポリシーに基づく違反についての簡単な説明
調査結果は開示されませんが、Amazonが結果に基づいて処分を行うと説明されています。
出品者へ直接警告する前に
相手が正規品を売っている場合、知的財産権の侵害を理由にした報告や警告は認められません。「Amazon知的財産権ポリシー」を読み、自社の権利の範囲を確かめてから対応しましょう。判断が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談します。
相乗りを防ぐための対策
1. Amazonブランド登録をする
Amazon出品サービス「Amazon Brand Registry」によると、ブランド登録には、ブランド名またはロゴの保留中または登録済みの商標が必要です。商標を持っていない場合は、IP Acceleratorで、Amazonが承認した法務サービスプロバイダーと連携して商標登録を進められます。
2. Transparencyで正規品か確かめる
Transparencyは、商品1点ずつにコードを付けて、不正な商品や偽造品の出品、販売、出荷を防ぐプログラムです。購入者もコードをスキャンして、正規品かどうかを確かめられます(Amazon出品サービス「Amazonブランド登録する方法やメリット」)。
3. Project Zeroで偽造品を削除する
Project Zeroは、Amazonのテクノロジーとブランドの知見を結び付けて偽造品を検出し削除するプログラムです。Amazonに問い合わせずに偽造品の出品情報を削除できる機能があります。
4. 卸先を管理する
卸先から商品が流れて相乗りになることもあります。取引先の販売チャネルや条件を契約で決めておきます。ただし、取引先の販売価格を拘束することは独占禁止法で問題になることがあります。
5. 自社だけの商品を作る
セット内容や仕様を変えた自社ブランドの商品は、新しいASINになり、同じ商品を売る出品者が出にくくなります。ASINの作成ルールに沿って作りましょう。
まとめ
Amazonの相乗りは、同じ商品を1つのページにまとめるルールから生まれる出品方法で、正規品の相乗りは禁止されていません。偽造品やページ規則への違反があれば、証拠を残して「不正または違反を報告」やブランド登録の権利侵害の報告を使います。予防には、Amazonブランド登録、Transparency、Project Zero、卸先の管理、自社だけの商品づくりを組み合わせましょう。
参考資料
- Amazon出品者ヘルプ「商品詳細ページの規則」(2026年11月1日確認)
- Amazon出品者ヘルプ「ガイドラインおよび規約違反の報告」(2026年11月1日確認)
- Amazon出品者ヘルプ「Amazon知的財産権ポリシー」(2026年11月1日確認)
- Amazon出品者ヘルプ「コンディションガイドライン」(2026年11月1日確認)
- Amazon出品サービス「Amazon Brand Registry」(2026年11月1日確認)
- Amazon出品サービス「Amazonブランド登録する方法やメリット」(2026年11月1日確認)
- 公正取引委員会「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(2026年11月1日確認)


