長年オフラインによる営業戦略が中心だった、BtoB企業の顧客獲得手段ですが、近年はWebマーケティングに力を入れている企業も増えています。
今までテレアポや飛び込みによる営業が中心だったことから、なかなかWebマーケティングによるアプローチに慣れていない企業も多いですよね。
スマホの普及やオンラインでの商談など、時代が変わってきている現在、BtoB企業がWebマーケティングで大きな結果を出すケースも少なくありません。
この記事では、BtoB企業で「Webマーケティングを始めたい」と考えている担当者の方に向けて、施策や成功事例、学び方などについて解説しています。
読み終えれば、あなたも「どんなことから始めればいいのか」理解できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケティングは集客施策として重要な役割を担っている
BtoB企業では、これまで
- テレアポ
- 飛び込み
- 顧問営業
など体当たり的なアプローチ→人間関係の構築を行って、売上を立てていくケースがほとんどでした。
案件の単価が非常に高く、人間関係や昔からの縁などを大事に発注するケースが多かったため、そもそもマーケティングを行う必要が無かったことが原因と考えられます。
しかし現在では、ネットが普及し、SaaSなどを活用する企業も増えてきて、担当者もインターネットを利用して情報を得る機会が増加。
結果的にオフラインだけではなく、オンラインでの営業活動を行うことで、より売上を最大化できるようになったのです。
BtoB企業がWebマーケティングを行うメリット
担当者の方の中には「イマイチWebマーケティングをやるメリットが分からない・・」と考えている方も多いかもしれません。
BtoB企業がWebマーケティングを行うメリットは主に3つ。
- 対面での営業なしでも集客可能に
- ターゲット層以外にもアプローチできる
- 顧客のデータ化ができる
今の時代、Webマーケティングがどのように活用され、どのようなメリットを生み出しているのか、きちんと把握しておくように心がけましょう。
対面での営業不要でも集客可能に
新型コロナウイルスの影響で、なかなか対面で営業することが難しくなっており、売上が減少して困っているという企業は少なくありません。
Webマーケティングを強化すれば、対面ではなくWebサイトからの集客が可能になるため、営業しなくても売上をあげられるようになります。
社員の安全を守って、対面での営業を避けるためにも、Webマーケティングは非常に有用なのです。
ターゲット層以外の顧客にもアプローチできる
従来のアウトバウンド型の営業手法だと、リスト獲得→営業→商談→成約という流れになるため、最初に見込み顧客を自分たちでリストアップ必要がありました。
基本的にリスト以外の顧客にはアプローチすることが難しく、広範囲に営業をかけるというのが難しいという特徴があります。
しかしWebマーケティングは、インバウンド型の営業手法なので、ターゲット層以外の顧客が向こうから自社のWebサイト見つけてくれるケースも増加します。
これまでターゲットだと思っていなかった層の顧客からも、案件を受注できる可能性もあるというのもWebマーケティングのメリットでしょう。
顧客のデータ化ができる
Webマーケティングを行うことで、顧客をデータ化して考えることができるというのも、大きなメリット。
申込みボタンなどを設置し、顧客情報を入力させることで、リード顧客がどのような属性なのかなどを把握することが可能です。
また既存のリード顧客に対して、行った施策がどのような結果になったのかなど、スピーディに効果検証できるのも大きな魅力であると言えるでしょう。
BtoBのWebマーケティングで成功した3つの事例
今までBtoBマーケティングをやったことのない企業の担当者の方の中には「本当に効果が出るのか・・」と不安に考えている方も少なくないはず。
ここでは実際にWebマーケティング施策を行って、成功した3つの事例について解説しています。
自社ではどのような施策を行うべきなのか、参考になるので、ぜひ3つの事例をチェックしてみてください。
ライオン株式会社
歯磨き粉・洗剤・医薬品など、日本でも有数の大手生活用品メーカーのライオン。
BtoCのイメージが強いかもしれませんが、BtoB向けに大量の生活用品の卸売なども行っています。
ライオンではWebサイトに問い合わせページを設置しているだけで、特にマーケティングには注力していなかったと言います。
しかしコンサルタントを入れて、本格的にBtoBのWebマーケティングを開始したところ、お問い合わせ件数は大きく改善。
問い合わせ数も一気に増加して、お問い合わせが前月比で50%を超えた月も 出るくらい、実際にお問い合わせをする顧客が増えたようです。
freee株式会社
コンテンツマーケティングに力を入れて成功したのが、会計ソフトで有名な「freee株式会社」。
自社のWebメディアである「経営ハッカー」を運営することで、商品への導線づくりに成功しました。
月間のセッション数は200~300万に成長し、メディアが検索からの流入につながっている良い事例になっています。
株式会社ストライク
SEOによるコンテンツマーケティングに注力し、成功した事例としては、M&Aを主な事業としている株式会社ストライクも挙げられます。
なかなかWebで手軽に入手できなかったM&Aの情報収集を、オウンドメディアを作って解説することで、検索からの流入を狙いました。
現在では月間100万PVを達成し、Webからのお問い合わせも大幅に増加したというデータが出ています。
BtoBのWebマーケティングで抑えておきたい7つの施策
具体的に何をやったらいいか分からない担当者の方に向けて、BtoBのWebマーケティングで抑えておきたい施策を7つ挙げています。
- オウンドメディア運用(SEO対策)
- CRMの導入
- マーケティングオートメーション(MA)の導入
- ウェビナー
- ホワイトペーパー
- Web広告(リスティング)
- カスタマーサクセス(CS)
どの施策もWebマーケティングを行う上で、非常に重要な施策なので、ぜひとも覚えておきましょう。
オウンドメディア運用(SEO対策)
Webマーケティングに代表される施策として、顧客に向けてコラムなど記事を提供し、検索上位表示を狙うオウンドメディア運用が存在します。
基本的には自社でオウンドメディアを作って、記事を入れて運用していき、顧客へ役立つ情報を発信してアプローチしていきます。
セミナーやイベントを行って、情報を顧客に提供することもできますが、わざわざ見込み顧客に足を運んでもらうのは面倒ですよね。
オウンドメディアを使うことで見込み顧客に対して、Webを通して情報を提供し、より自社について知ってもらうことで、問い合わせ件数を増加させることも可能です。
予算が少なくも社内で内製化し、長期的に運用していけば、大幅なアクセス増加が見込めることから非常に重要視されている施策のひとつだと言えるでしょう。
CRMの導入
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客を中心に考えて管理し、利益の最大化を目指す手法のこと。
近年ではスマホやインターネットが普及したことで、より顧客の性質に合わせた情報を提供する必要が出てきました。
CRMを使って、顧客情報を可視化し、膨大なデータを管理することで、よりニーズを満たせるような提案をすることができるようになってきています。
既存顧客を育成するために、非常に有用なツールであるため、Webマーケティングを行う上では、欠かせないツールとなっています。
マーケティングオートメーション(MA)の導入
マーケティングオートメーションとは、企業のマーケティング活動における、膨大なデータ処理などを自動化し、効率を高める仕組みのこと。
BtoBにおいては、顧客の意思決定に時間がかかることも多く、営業担当者がすべてをフォローし続けるには時間がかかります。
しかしMAを導入することで、顧客のフェーズ管理や、ニーズに伴う提案内容などを一括管理できるようになります。
近年は「マケルト」 「HubSpot」「b-dash」などのMAツールが台頭してきており、BtoBのマーケティングを一元管理する上で非常に重要なツールです。
ウェビナー
従来のようにセミナーやイベントが開催できなくなってしまった昨今、Zoomなどのツールを利用したウェビナーを行う企業の数も増加しています。
セミナーのように直接会って話すことはできませんが、参加者側の参加ハードルはかなり低いため、数百人もの参加者の前で話をすることが可能です。
資料請求などで自社サービスを解説するよりも、深く説明することができるため、不特定多数の人に自社のことを、深く知ってほしい方に非常におすすめの手法でもあります。
ホワイトペーパー
自社のノウハウや市場調査・調査レポートなど、顧客が興味を持ちそうな情報をまとめてコンテンツ化したものをホワイトペーパーと呼びます。
よくWebサイトを訪れた時に「自社の〇〇のノウハウを無料配布」のような資料ダウンロードページが貼ってあるのを見かけたことはないでしょうか。
すぐに売上につながる訳ではありませんが、見込み顧客に対して自社を知ってもらうための手段としてホワイトペーパーは非常に有用です。
長い目で顧客を育てていくために、Webマーケティングの一貫として用意している企業は実は非常に多いのです。
Web広告(リスティング)
Web広告(リスティング)は、GoogleやYahoo!などの検索媒体に広告を出して、集客を行う手法のことです。
検索エンジンで調べ物をした時に、ページ上部に「広告」と表示されるのを見たことはないでしょうか。
「広告」と表示されている部分こそ、リスティング広告であり、広告枠の部分に自社の広告を出して集客を行います。
ある程度の予算と運用ノウハウがあれば、広告費を回すだけで、見込み顧客に自社を知ってもらえるため、施策として選択している会社も多いです。
カスタマーサクセス(CS)
BtoBでのWebマーケティングを強化する方法として、カスタマーサクセスを強化するという手法を選択する企業も増えています。
これまで企業の営業活動の中で、軽視されがちだったCSですが、近年サブスクモデルのビジネスが台頭したことで大きく見直されてきました。
CSから追加でプランの提案などを行うことによって、売上を最大化できたり、継続率が上がったりと、効果的に活用できるケースが増加。
Webマーケティングで成約させた顧客に対して、CSどのようなコミュニケーションを取るかで営業利益が変わることも少なくないため、ぜひ重視したい施策の1つです。
【Web担当者向け】BtoBのWebマーケティングが学べる本3選
これからBtoBのWebマーケティングに取り組みたい担当者の方は「自分で知識をインプットしたい!」という方も多いですよね。
今回はBtoBのWebマーケティングが学べる本を3冊ほど紹介しています。
3冊を読めば、BtoBのWebマーケティングをどのように行ったらいいのか、全体像は把握できるので、ぜひ参考にしてみてください。
THE MODEL(ザ・モデル)
Amazonの営業本ランキングで、半年以上1位を記録し続けている大ベストセラー。
オラクル、セールスフォースなどを渡り歩いた、マケルトジャパン代表の福田康隆さんが、SaaSビジネス時代のマーケティング・営業のあり方について具体的に語っています。
特にこれからマーケティング部門を作って、本格的にWebマーケティングをやっていきたい企業にはピッタリの内容なので、一度読んでみて損はないといえるでしょう。
BtoBウェブマーケティングの新しい教科書
BtoB業界に特化して、様々な業界の売上げアップやブランド強化などに携わってきた株式会社ウィット代表の渥美英紀氏の著書。
自社にあったWEBマーケティング戦略を立てる方法や、成功事例から見える実践方法まできちんと学べる一冊です。
事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
2020年に出版された本著は、コロナ禍でのBtoB企業がどのようにWebマーケティングに取り組むべきかについて詳細に学ぶことができます。
著書内では、著者である株式会社才流(サイル)代表の栗原康太氏が、インバウンドマーケティングに挑戦した経験がない人でも理解できるよう、分かりやすく解説。
BtoBマーケを学びたい、すべての担当者の方に読んでほしい一冊です。
まとめ | Webマーケティングを取り入れて効率よくリスト獲得しよう!
BtoBでのWebマーケティングを行ったことのない企業の中には、必要性が感じられない会社もあるでしょう。
しかしWebマーケティングを取り入れることによって、より安定的に顧客獲得できるようになり、データを可視化して効果的に営業活動していくことができます。
またWebマーケティングには、様々な手法が存在するため、自社に合った手法をコツコツ継続していくことで長期的に成果が出せるようになっていくはず。
コロナ禍でなかなか営業活動ができなくて困っているのであれば、Webマーケティングに挑んでも損はないので、ぜひ積極的に挑戦してみてください。