楽天市場の店舗運営システムであるRMS(Rakuten Merchant Server)を使いこなすことで、店舗の運営がスムーズになるだけではなく、集客率と生産性の向上が期待できます。本記事では、楽天RMSの機能について解説するとともに、活用するメリットや注意点を紹介します。
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楽天RMSとは
楽天RMSは「Rakuten Merchant Server」の略称で、楽天市場での店舗運営システムを指します。Amazonで出店している方は、セラーセントラルをイメージするとわかりやすいかもしれません。
楽天RMSは、集客や販売促進に役立つツールや、お店とユーザーの接点づくりの機能など、EC店舗の運営に欠かせない作業の統合管理が可能です。
また、Google ChromeなどのWeb拡張ブラウザからログインできるため、ソフトウエアのインストールは必要ありません。
楽天RMSの4つの基本機能
楽天RMSの基本機能は、次の4つです。
- 店舗構築(R-Storefront)
- 受注管理(R-Backoffice)
- メール配信(R-Mail)
- データ分析(R-Karte)
それぞれについて理解し、店舗運営に積極的に活かしましょう。
店舗構築(R-Storefront)
店舗構築機能は、店内レイアウトの設定および商品の配置、値札貼りやピックアック商品の設定など、店舗をつくるうえで欠かせない作業をWeb上で行う機能です。
通常ECサイトを構築する際は、ECカートシステムを導入する必要があるため、システム選びから導入、運用まで多くの時間が必要です。また、プログラミングやWebデザインなどの専門的な知識も欠かせません。
楽天RMSの店舗構築機能を利用すれば、次の4ステップでECサイトが構築可能です。
- カテゴリーページの作成
- カテゴリーごとの商品登録
- 店舗のデザイン設定
- トップページの作成
受注管理(R-Backoffice)
受注管理(R-Backoffice)は、新規の注文内容や決済状況および配送状況の確認、複数の注文に対するサンクスメールの一斉送信など、バックオフィス業務を幅広くカバーできる機能です。
このほかにも帳票の作成や物流および決済サービスとの連携機能など、店舗運営をスムーズに行うためのツールが揃っています。
メール配信(R-Mail)
メール配信(R-Mail)は、商品の受注や発注以外で顧客とコミュニケーションを取るための機能です。たとえば自社メルマガを配信したり、クーポンを配布したりする際に活用できます。
とくにメルマガ配信では、メルマガ会員を会員ランクや年齢、購入回数など、さまざまな条件で絞り込むことができるので、特定の条件を満たした会員のみのメルマガ発行も可能です。
このほか、購入した商品のお役立ち用法や活用例、新商品販売の告知など、さまざまな用途で利用できるので、顧客の購買意欲を高めるのに役立ちます。
データ分析(R-Karte)
データ分析(R-Karte)とは、売上アップのために必要なデータを洗い出して分析する機能です。データ分析では、主に以下のデータを分析できます。
- アクセス数
- 検索キーワード
- 客単価
- ページ内の転換率
- スマホおよびPCのアクセス割合
また、円グラフや棒グラフを用いた視覚的にわかりやすいデータで一目で分析できる「店舗カルテ」も利用可能です。
楽天RMSのその他の便利な機能
楽天RMSは4つの基本機能のほかに、以下の便利な機能があります。
- 画像登録管理機能
- 動画登録管理機能
- RMS商品一括登録サービス
- CSVデータダウンロードサービス
これらの機能を使いこなすことで、ますます店舗運営がスムーズになるでしょう。
画像登録管理機能
画像登録管理機能は、商品ページに掲載する画像や、メルマガ配信する画像などを登録・管理する機能です。登録した画像は一覧から検索したり、用途に合わせてサイズ変更したりできます。また、画像の一括削除も可能です。
登録商品が多くなるほど画像の処理に手間がかかってしまいますが、画像登録機能を使えば、画像を効率的に管理できます。
動画登録管理機能
動画登録管理機能は、スマートフォンやカメラで撮影した動画をそのままアップロードできる機能です。
さまざまなファイル形式に対応しているので、スムーズに動画がアップできます。ただし、アップロードできる動画のサイズは1つにつき200MBまでである点に気をつけましょう。
RMS商品一括登録サービス
RMS商品一括登録サービスは、CSVファイルを利用して商品を一括登録・編集・削除できるサービスです。利用することで、商品登録の時間が大幅に短縮されます。
CSVデータダウンロードサービス
CSVデータダウンロードサービスは、納品書や伝票など、受発注や配送に必要なデータをダウンロードできるサービスです。
RMS商品一括登録サービスを活用することで、販売動向が把握しやすくなるだけではなく、配送スケジュールや在庫の管理も円滑になります。
楽天RMSを活用する9つのメリット
楽天RMSを活用するメリットは、次の9つです。
- 直感的に操作できる
- パソコン・スマホ両方で利用できるようになる
- 運営に必要なプラットフォームが一元管理できる
- 受発注や発送のデータ抽出がスムーズになる
- 画像の登録や削除、サイズ変更が可能になる
- 担当者間の施策の共有がスムーズになる
- 操作方法の問い合わせに年中無休で対応してもらえる
- RMSサービススクエアで店舗運営サービスをリサーチ・利用できる
- APIで外部システムと連携できる
それぞれについて詳しく解説します。
直感的に操作できる
楽天RMSの操作はステップ形式で簡潔に紹介されているため、特別な知識や技術がなくても直感的に操作できます。
確認したい項目や利用したい設定をクリックするだけのシンプルな操作方法であるため、店舗運営がはじめてという方でも安心して利用可能です。
パソコン・スマホ両方で利用できるようになる
楽天RMSはスマホやパソコンなどからブラウザで利用するため、新しいソフトウェアやアプリを準備する必要がありません。
自宅ではパソコン、外出先ではスマホやタブレットで利用といった使い分けができるので、場所を選ばず利用できるのも大きなメリットといえるでしょう。
運営に必要なプラットフォームが一元管理できる
楽天RMSを利用すれば、店舗運営や顧客とのコミュニケーションに必要な機能をひとつのプラットフォームで管理できます。
たとえば商品登録では商品名や価格といった基本情報の入力から画像のアップロード、キャンペーン設定まで行えます。さまざまな作業をひとつのプラットフォームで実施することで、店舗運営の効率化が図れるでしょう。
受発注や発送のデータ抽出がスムーズになる
楽天RMSには売上情報や受発注情報、配送情報などを一括ダウンロードし、ExcelやCVSに抽出できるというメリットもあります。また、特定の商品および期間に限定したデータ抽出も可能なので、状況に応じた柔軟なデータ分析が行えます。
これらの機能を有効活用することで業務効率化が図れるだけではなく、より適切なマーケティング戦略や販売戦略の見直しが図れるでしょう。
画像の登録や削除、サイズ変更が可能になる
画像の登録や一括削除、サイズ変更が簡単にできるため、画像管理がしやすくなるというメリットもあります。商品情報の一部更新や、季節限定商品の登録・削除を一つひとつ手作業で行うのは、大変な時間と労力がかかります。
その点、楽天RMSを利用すれば、CSVファイルで一括登録や削除ができるため、業務時間が大幅に短縮できるでしょう。
担当者間の施策の共有がスムーズになる
楽天RMSでは、楽天市場でのプロモーション計画や販売戦略といった情報を、チームメンバー間で共有可能です。
たとえば売上データや顧客情報などは、チーム内のメンバ―全員がリアルタイムで把握できます。また、新商品の登録やセールの設定など、ほかのメンバーが行った業務も確認できるため、施策の透明性が向上し、チーム全体の足並みが揃うでしょう。それに伴い、チーム全体の生産性の向上も期待できます。
操作方法の問い合わせに年中無休で対応してもらえる
楽天RMSでは、操作方法についての問い合わせにコールセンターが年中無休で対応してくれます。
操作方法がわからない場合やエラーが出てしまった場合など、トラブルが起きたらすぐにコールセンターに問い合わせできます。コールセンターのスタッフは、いずれも専門知識に長けており、丁寧に指導してくれると評判です。
このような充実したサポートのおかげで、楽天RMSユーザーは安心して業務を進められるでしょう。
RMSサービススクエアで店舗運営サービスをリサーチ・利用できる
RMSサービススクエアとは、ページ制作をはじめとするさまざまな運営サポートを楽天市場が紹介・提供してくれるサービスです。店舗運営ユーザーとサービス提携企業の間に楽天市場が入り、店舗のニーズにマッチしたサービスを提供してくれます。
提供サービスは商品撮影や加工、メール制作などのほか、データ分析および管理、コンサルティングなど、多岐にわたります。
サービスを利用することで、より業務が効率的になる、生産性が向上するなどの効果が期待できるでしょう。
APIで外部システムと連携できる
楽天RMSは、APIを使って外部システムと連携することも可能です。API連携で実現することは、以下の4つです。
- 自動在庫管理:楽天RMSと物流システムを連携することで在庫管理を自動化し、在庫状況をリアルタイムで把握。在庫切れのリスクを抑えられる。
- マルチチャネル販売:AmazonやYahoo!ショッピングなどのECモールや自社ECサイトでも商品を販売している場合は、API連携でデータ共有が可能。価格や商品情報を楽天RMSで一元管理でき、運営の効率化が実現できる。
- 各種システム・ツールの拡張:楽天RMS自体はカスタマイズできないが、メールマーケティングツールやCRM(顧客関係管理)ツールなど、各種システムやツールと連携することで、機能を拡張できる。
- データ収集・分析:分析システムとAPI連携することで、各種データを統合し、より精度の高いデータ収集・分析を実施。現状把握と課題発見がより一層容易になる。
必要に応じてAPI連携を活用し、より円滑な店舗運営を目指せるのも楽天RMSの大きなメリットです。
楽天RMS利用時の4つの注意点
さまざまなメリットがある楽天RMSですが、利用時には次の4つに注意してください。
- 店舗の立ち上げと運営に時間がかかる
- 利用するために費用が発生する
- 複数の店舗を運営する場合は管理が難しい
- 自由にカスタマイズできない
ここでは、それぞれの注意点についてわかりやすく解説します。
店舗の立ち上げと運営に時間がかかる
楽天RMSは直感的に操作できるとはいえ、店舗の立ち上げや運営にはある程度の時間がかかります。機能が充実しているぶん、はじめて使う方やパソコンにあまり慣れていない方は操作に戸惑ってしまうでしょう。
また、ユーザーの目を引くためには、ページの細部までしっかりとつくり込む必要があります。競合他社に負けないような細部にまでこだわったページを作成するためには、それなりの時間が必要です。スケジュールに余裕をもって出店するようにしましょう。
利用するために費用が発生する
楽天RMSは、プランごとにシステムサービス利用料がかかります。主な料金は以下の表のとおりです。
■主なプランのシステム利用料
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
---|---|---|---|
パソコン | 13,000円 | 8,000円 | 8,000円 |
モバイル | 21,000円 | 13,500円 | 13,500円 |
せっかく楽天RMSを導入してもうまく活用できないと、費用対効果が悪くなってしまいます。費用対効果を高めるためにも、機能をしっかり活用することがポイントです。
複数の店舗を運営する場合は管理が難しい
楽天RMS上で複数の店舗を管理するには相当な労力が必要です。各店舗の在庫やプロモーションをひとりで管理しようとしても手が回らず、最終的にどの店舗の運営も中途半端になりかねません。
楽天RMSで複数の店舗を管理する場合は、店舗ごとに担当者を決め、それぞれの店舗管理に注力できる環境を構築することがおすすめです。
自由にカスタマイズできない
楽天RMSは、独自機能の実装や大幅改修ができないというデメリットがあります。
あくまでも楽天RMSでできる範囲でしか運営できないため、自社商材やビジネスモデルに特化したシステム構築ができません。ただし、APIと連携することで機能の拡張は可能です。
楽天RMSのログイン方法とログインできないときの対処法
楽天RMSのログイン方法は、以下の2ステップです。
- 「R-Login IDの認証(共通ID)」の該当箇所にIDとパスワードを入力
- 「楽天会員の認証(個人ID)」とパスワードを入力
IDとパスワードが正しく入力されていれば、ログイン完了です。
もしログインできない場合は、以下の理由が考えられます。
- パスワードが間違っている
- アカウントがロックされている
パスワード入力の際は、大文字・小文字や半角・全角の区別やスペルに注意しましょう。もしパスワードを忘れてしまった場合は、責任者のみR-Login パスワードの再設定が可能です。再設定の方法は以下の通りです。
- ログイン画面にある「パスワードを忘れた場合」をクリックする
- 責任者の氏名・メールアドレスを入力する
- 入力したアドレスに届いた楽天からのメールに記載されたURLを開く
- 新しいパスワードを入力する
パスワードを続けて6回間違えると、ログイン画面に「アカウントがロックされています」と表示され、30分間ロックされてしまいます。この場合は30分後に再度、正しいパスワードを入力しましょう。
楽天RMSをお試しで使用したいときは体験がおすすめ
楽天RMSがどういうものかを具体的に知りたい、どのような流れで店舗ページが構築されるのかを確認したい、という場合は体験が可能です。
販売したい商品を登録する流れを実際の画面を使って体験できるので、自分できちんと操作できるか、どのようなページができるのかを確認できます。
まずは体験で、大まかな店舗運営のイメージを把握しておくとよいでしょう。
楽天RMSを効果的に活用して円滑なショップ運営を実現しよう
楽天市場で売上アップや店舗運営の効率化を目指す場合、楽天RMSの存在が必要不可欠です。しかし、ただ使用するだけではなく、いかに効果的に活用できるかが重要です。
楽天RMSの機能を有効活用できるようになれば、売れる店舗の実現が可能になります。
まずは4つの基本機能をしっかり使いこなし、それから便利な機能を活用し、生産性の向上や集客率アップを目指しましょう。
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